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一つになる日

「香奈美さんて…本当に素敵な人だったんだね…。」

 彼女の気持ちを考えただけで心が痛む。



「……莉子…。それでも莉子は俺の中でダントツなんだよ…。」

 莉子の家にゆっくりと二人で向かう。



「私…香奈美さんのような完璧な女性じゃないし……、それでも好きでいてくれますか?」

 どうしても不安になってしまいしつこく湊に聞いてしまう。



 湊はどうしたらわかってくれるんだ…!そう思い、莉子の口をふさぐ様に唇を被せる。


 悠太に奪われた莉子の唇を洗うかの様に湊は莉子を激しく求める。


「……ん……!せんせ…苦し……。」

 思わず唇を外す莉子。


「ご、ごめん…。」

 悠太にキスをされている莉子を思い出し取り乱してしまう。



「先生……、ごめんなさい…。私佐々木先生のキス阻止できなくて…。」

 瞳に涙を溜めて謝る莉子。



「莉子が謝る事じゃない!守ってやれなかった俺の責任だ…。ごめんな……。」

 優しく肩を抱く。


 必死に首を横に振る莉子。



「やっぱり、今日泊まってっていいか…?」

 こんな莉子を一人になんてできないと思った。



「先生…一緒にいてくれるんですか……?」

 莉子は湊を見上げる。



「あぁ…。莉子が眠るまでずっとそばにいるよ…。」

 優しく頭を撫でる。



「嬉しい……。」

 そうしてまた湊の胸に顔を埋めるのだった。







「先生…。」

 莉子はベットの中で湊の温もりを感じながら幸せそうに声をかける。



「……ん?なんだ?」

 囁くよな優しい声が莉子の耳を心地よく擽ぐる。



「私、先生にもっと近づきたい……。ダメ…ですか?」

 莉子は顔を真っ赤にしながら本音をぶつける。



「莉子……。俺だって…莉子の事……。」

 湊は迷った。本当は今すぐにだって、莉子を自分のものにしたい。

 でも頭の中でもう一人の自分が一線を越える事を必死に止めているのだ。



「どうして…一つになっちゃいけないんですか?…こんなに…好きなのに……。」

 莉子は寂しさを隠す様に俯く。



 湊は『教師と生徒だから』その言葉が頭から離れない。



「私がまだ子供だからですか…?そんなに私、子供っぽいですか??」

 莉子の切ない問いかけの答えに詰まる湊。



「子供だなんて…そんな風に思ってないよ。ただ…まだ俺の生徒だから…。」

 やっぱり全てそこにある。



「だって先生…、二人でいるときは教師と生徒の関係忘れようって言ったじゃないですか?」

 莉子の言葉に何も反論できない。



「私…、もっと先生に近づきたい…。私の事も、全部知ってもらいたい……!」

 湊の胸にうずくまる莉子。



「莉子……。」

 髪を優しく撫でると自分を見上げる莉子の視線が湊の理性を吸い取っていく。




 湊は莉子の唇を塞ぐ。

 堰を切ったような彼女を求める感情が全身を駆け抜ける。



「莉子……。いいのか?本当に…?」

 耳元で囁く湊。



 莉子は静かにコクリと頷いた…。

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