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更新遅くなってしまってごめんなさい!あまりの忙しさにだいぶ時間が空いちゃいました…。待ってくださってる方、時間みながらぼちぼち更新してくので懲りずにお付き合い下さい(>人<;)

「あんまり遅くなるといけないからそろそろ帰るか?」

 幸せに満ち溢れていた時間はあっという間に過ぎ、時計は18時を指していた。

 送って行きたい気持ちはやまやまだったが、流石に二人で並んで歩いているところを目撃される事のリスクを考えると言葉に出せなかった。



「…はい…。」

 名残押しそうに莉子は俯く。



「莉子…。送ってやれなくて…ごめんな。俺だってずっと一緒に居たいけど何かあったら心配だからさ。」

 優しく莉子の肩を抱く湊。



「わかりました…。」

 湊の胸に顔を埋め、この温もりを忘れまいと記憶する。



「またおいで。連絡するから。」

 莉子の頭を慰める様に優しく撫でる。



 コクリと頷き湊に笑顔を送る。

「先生、またね!」

 そう寂しさを隠すかの様に明るく挨拶して背を向けた。



「あぁ…。」

 莉子の背中を見つめながら、次はいつ逢えるだろう…と切なくなる。



 靴を履き終え、くるりと振り向き手を振る莉子。


 湊は思わず振っていた莉子の手首を取り、真剣な眼差しで見つめる。


 湊の瞳に一瞬吸い込まれそうになった莉子は近づいてくる湊の顔に引き寄せられる様にキスをする。




「……未練がましいな、俺。」

 恥ずかしそうに髪をくしゃりとしながら言う湊に、莉子は溢れんばかりの『好き』の気持ちに、丁度いい言葉を探せず首を横に振る。



 玄関を開け真夏の夕暮れの物憂げな風を感じながら振り返らずに走り去る。



『……こんなに好きになっちゃって、どうしよう……。』



 もう後戻りの出来ない走り出した教師と生徒の儚い恋に、莉子は今の幸せよりもそれを失う事の怖さを感じ、

『どうか卒業まで何事も起こりません様に…。』

 と沈みゆく夕日に祈るのだった…。





 湊は一人部屋に残り莉子の飲んでいたカップを見つめていた。

 ついさっきまでここにいた莉子の温かさが、まだすぐ側に残っているかのようだった。



 普通の恋人同士ならなんて事はない、一緒に居られる事が当たり前の時間が、どうしてこんなにも儚く危ういものなのか…。


 何時間も一緒に居たのにもう逢いたくなっている自分に、これ以上どうやってブレーキを効かせて行くのか頭を抱えていた。



 二人きりの空間が、あまりにも心地よく何年も前から時を紡いでいたかの様に穏やかでしっくりと馴染んでいた。



 気持ちだけが強力な磁石で引き寄せられるかの様に求めあう二人は、いつか自分をコントロールできなくなる事を恐れてしまう。



『無事家に着きました!今日はとても幸せな時間をありがとうございました。』

 通知音と共に莉子からのメッセージが届く。


 何事もなく帰宅した事にホッとしながらも、大切そうに莉子からメッセージを眺める湊。



『明後日、俺10時頃図書館行くから…。会話は出来ないかもしれないけど、莉子の顔が見たい。』

 湊は偶然を装えば外で莉子に逢えるかもしれないと思って衝動的に送ってしまったが、暫くして安易な考えだったかと思い直す。


『やっぱ外で逢うのは危険だな。ごめん。』

 そうすぐに送り返したが、

『私も先生の顔が見たい!絶対話かけないから行ってもいいですか?』

 返って来た莉子の文面を見て湊は微笑む。



『お互い、顔見るだけな! 笑』

 明後日にはまた彼女に逢える…そうすぐに頭の中が莉子でいっぱいになるのだった。




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