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【シリアス】考える者、考えない者
【お題:宇宙、リンゴ、ヒロイン テーマ:迷い 文字数:500字】
――どうして私は今、この時代、この地球に生きているのだろう?
宇宙は果てしなく広いはずなのに、
この惑星にいる意味は……何なのだろう?
何か、理由があるはずだ。私にしかできない役割。……あるよね?
でも分からない。分からな――
「ミズキって、時々ヒロイン顔になるよね」
「ふへ?」
声をかけられ、ハッとする。
いつからそこにいたのだろう。あきれ顔の友人ヒロが、目の前で頬杖をついていた。
「その物憂げな顔、背負い込みがちなヒロインのオーラ出てるんだよねぇ」
「べ、別にそんなんじゃ……。……悩んでたのは本当だけど」
「進路希望? んなの直感で書けばいいのに」
ヒロはそう笑うけど、……私には無理だ。
進学か、就職か。
理系か、文系か。
たかが二択。だけど……繰り返すことで、私の未来が殺されていく気がして。
自分が何者かも分かってないのに。
選択肢だけがどんどん潰れて――
「そんなことよりさ、今日放課後空いてる? ほら例のカフェ。今日こそ新作のリンゴチーズケーキ食べよ~よ!」
「そんなことって……」
時々、ヒロがうらやましくなる。
数年後の進路より、新商品のおやつにばかり夢中な彼女は、
なんだかバカっぽくて。……けど、とても幸せそうに見えた。




