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【日常】騒がしきは幸福の証なり
【お題:鞠、幼女 テーマ:何だかんだ言って 文字数:500字】
座敷わらしの住む家には富と幸福が訪れる、って伝承は正直嘘だと思う。
だって座敷わらしって、現代風に言えばヒキニートの居候なわけだし。現にここ数ヶ月、うちの家計を圧迫している犯人はコイツなわけだから。
「ケータぁ、いつまで仕事してんのさ~。早く一緒に遊ぼうよ~」
テレビを凝視したまま、催促するぐーたら声。
声の主は件の居候ヒキニート様だ。鞠つきが似合いそうな和装のおかっぱ幼女がゲームを――しかも近代武器を駆使するFPSに興じている。実にシュールな光景。
「うっさいなぁ。こっちは何のために持ち帰り残業してると思ってんだ」
「私と遊ぶため?」
「おまえを見張るためだよ!」
この妖、先日ドタドタ暴れて部屋を荒らしたことをお忘れか?
……でも、これ以上無視したら駄々っ子モードが再発しそうだな。
「ねーぇー、遊ぼうよケータぁ! ねぇってばー!」
「ハイハイ。んじゃちょっとだけな」
俺が席を立つと、彼女の表情にぱっと笑顔が咲いた。
やれやれ、こりゃ今日中に仕事は終わらないな。
「やった! じゃケータは2Pね。協力プレーしよ!」
「あいよ」
座敷わらしが富を運ぶのは嘘だと思う。
でもここ数ヶ月、俺が笑顔になれる時間は増えたような気がする。




