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【童話】影をなくしたお姫様
【お題:影、破壊 テーマ:人の目、人の暗部 文字数:499字】
お姫様には影がありました。
ある日、お姫様は自分の影にこう言います。
「真っ黒な身体で、あなたはなんて醜いのかしら。あなたと一緒だと、私の可憐さが台無しだわ」
すると影は応えます。
「何言ってるの? 私はあなたの一部よ。私のいないあなたなんて、あなたじゃないわ」
「うるさい! もう二度とついてこないで!」
お姫様は怒ってしまい、影を見捨ててしまいました。
影のなくなったお姫様は、それはそれは見事な美しさでした。
360°、どこからでもお日様の光が当たって、輝いて見えるのです。
ですがお姫様の明るい生活は、長くは続きませんでした。
全身に太陽の光を浴び続けたお姫様は、段々疲れてきてしまったのです。
次第に身体も壊れていきます。
絶え間なく続く太陽の視線。
耐えられなくなったお姫様は、とうとう倒れてしまいました。
しかし、倒れた彼女を地面から支えたのは、影だったのです。
「影はどんな人間にも必ずあるわ。そして私だけは、ずっとあなたの味方。だからどうか見捨てないで」
それからお姫様は、自分の影を受け入れ、一層明るくなりました。
他人の影を見ても、決して嗤ったりはしません。
そんな彼女を、影はいつまでも優しく見守っていましたとさ。




