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氷点下

作者: 浮世melancholy

子供の頃、欲しいものがあった時

父や母に泣いて駄々をこねた

大人になるにつれて諦める事を覚え

少しずつ自分に我儘を言わなくなった


でも


それでもどうしても手に入れたいもの

他の人には渡したくないもの

きっとあなたにもあるのでないでしょうか


私はそれがあった場合それを無きものとして

見なかった事にして記憶から抹消します


「すき」を口にする君の表情は


微笑混じりで愛くるしく


僕の好きを具現化したような存在だった


あの日を除いてはだけど


君がどのように産まれ育ち生きてきたか


どんな人間なのかは勿論知っていたさ


いや、知った気でいた が正しいかな


僕は馬鹿な奴だよ


浮かれて舞い上がっていたんだ、 一人で


世界の汚さ、残酷さを理解した気になって


失う事は当然の事だと自分に言い聞かせ


あらゆる負の感情を知ったつもりでいた


本当は何一つ理解なんかしていなくて


失う事すらまともに経験しないまま


光の差さないこの憂鬱な世界の中で


自分を強く見せようと必死だった


虚勢を張り偽る事で君に近付けるって


根拠の無い淡い的外れな期待を抱いていた


だから君から放たれた好意の言葉を


空っぽで中身なんてないって知りつつも


その言葉を僕は馬鹿みたいに嬉しがった


薄っぺらい僕を愛してくれた気がした


そのたった一言の「すき」で簡単に崩れる程


僕の虚勢はあってないようなものだった


その「すき」という二文字は


僕の脆く弱い虚勢をいとも簡単に殺した


何もかも勝手な思い込みでしか無かった


君のすべてを手に入れられる気がしていた


「可哀想な人」 認めたくなかったんだよ


僕の中のなんの価値もない見栄だけの


仕様も無いプライドがすごく邪魔をした


認めてしまったら何かが壊れる気がした


僕が勝手に期待していただけなのに


君に裏切られたって思ったんだ ごめんね


君の首はとても細い、色が白く病的で


だけど綺麗なこの首も好きなんだよ


力をいれた時、君の表情が少し歪んで


生唾を呑み込むのがよく分かったんだ


僕の事を感じてくれているんだって思った


「躊躇ってるあなたがすき」


殺されかけている君が


苦しそうな細い声で僕に言った時


今までに感じた事のないくらいの


感情の高ぶりを僕は感じたんだよ


殺意なんかじゃない、きっと高揚感だった


初めて君の好きに理由がついたんだ


でも君はまるで僕の事を試しているような


不敵な笑みで僕を見つめてきた


僕は君のそんな顔は見たくなかったんだ


いつものように優しく微笑みながら


偽りの愛を伝えてくれる君と


僕の腕の中で静かに寝ている


美しい寝顔の君が好きだったんだよ


でも、僕が愛したその君は


もう二度と見れないってその時思ったんだ


だから殺した


君もそれを望んでいたんだ


愛くるしい笑顔は思い出の中で生きてる


だから君はその青ざめた綺麗な寝顔を


見せていてくれればそれでいい


嗚呼、ずっと欲しかった


嬉しくて涙が出るよ


悲しい事や後悔なんてひとつもないのさ


僕が泣く理由 君は当てられなかったね


これからも僕は君だけの為に涙を流すよ


君が笑った僕の薄っぺらな幸せな夢物語を


君に語りながら僕が死ぬその時までずっと


君も僕に殺されて嬉しくて堪らないだろう


それなのに僕のこの声が聞こえない君は


可哀想な人だ、同情するよ


他の誰かでもよかったのもしれないけど


たまたま好きになったのが君でよかったよ




雪が降ってきたね、君には冬が良く似合うよ


この世を冷めた目で見ていた君にはね


もうこんなにも夜が更けた、家に入ろうか




今夜も冷える、君の体温よりもずっと


人間の欲望というのは実に忠実なもので

時には歯止めが効かなくなることも


どうしようもなく好きな人が

自分のものにならないと分かった時

あなたならどうしますか


その手は夢や希望を掴み取る手です

その手は好きな人を愛でる手です

その手は何かを壊すことも

鋭利なものを握り締めたり

鉛玉を飛ばすこともできる手です


欲望が自分の理性を振り切った時

あなたはどうするのでしょうか

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― 新着の感想 ―
[良い点] 前書きの最後の二行に作者の考え方が出ていた。 [気になる点] 内面の描写だけに終始していたので、小説らしく場面が浮かべられなかった。 [一言] 詩や独白の類でしょうか。
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