友人
「ただいま」
るんるん気分で歩いてたらいつのまにか家についていた。
なんだ? やけに騒がしいな。パーティーでもやってるのか? 母さんと日葵でやってるはずもないよな。
「どうしたんだよ。こんなに騒がしく……ってなんでおまえがいるんだよ!」
「あ、おかえり」
「あ、おかえり ― じゃねぇよ!なんで普通にうちにいるんだよ」
「あ、お兄ちゃんおかえり」
「日葵もなんで普通にしてるんだ」
なんだ。なんなんだ、この孤独感は。一人だけ何も知らされていないし、よくわからない状況だしわけがわからない。あれか?夢か?夢なら覚めてくれ、なるべく早く。
「日葵、お兄ちゃんを殴れ!殴ってくれ。愛する妹のパンチならむしろうれしい!」
ああ、やっと覚める……さあ、はやく、存分に殴ってくれ。
「なにいってるの?そんなことより、この人お兄ちゃんの友達でしょ?早舩さん」
「そ、そうだけど、なんでだ?」
「早舩さんはお隣の家だよ?」
そういえば、引きこもりになったあと誰か引っ越してきたな。まったく興味なかったから全然知らなかった。
「そういうこった。あ、お前殴られたいんだったなぁ。じゃあ俺が殴ってやるよ」
「やってみろ。この俺様に指一本触れることはできないぜ。」
「お兄ちゃんそんなに強かったっけ?」
「ふっ……まかせておけ。正義は悪に屈することはない!」
「じゃあ、遠慮なくいかせてもらくぞ!」
「ちょっ……ちょっと待った。少し整理しよう。お前の家が隣なのはわかった。で、なんでここにいる?」
「あのときお前と別れてから、まあ普通に帰ったわけだけど、隣の家の名前が十宮だったから気になって止まってみてたら、日和さんに声かけられてなかば強引に家に入れられたんだ」
「何やってんだ母さん……」
「だ、だってぇ、宗ちゃんと同じ制服で、家みてるからなんだと思ったら、宗ちゃんの友達だっていうじゃない。もう宗ちゃんの友達ってきいていてもいられなくなっちゃったの」
「そうだったのか。というよりも、宗ちゃんって呼ぶのやめてよ。お願い」
「じゃあ、俺はそろそろ帰ります。日和さんいろいろごちそうさまでした。日葵ちゃんもありがとうね。楽しかったよ。」
「もう帰っちゃうの?これからも宗ちゃんをよろしくね」
「はい!それじゃあ、お邪魔しました。じゃあね、宗………ちゃん……」
「お前もう二度と来るな!!覚えてろ!」
ああ、最近同時にたくさんのことあってなんか疲れてきた。そりゃあそうだよ。引きこもってた人間が急に走ったり大声上げたりしてたら、そりゃあ体力使うよ。
「風呂入って寝よう」
重いからだを何とか動かして何とか移動して、俺は湯船につかった。
「おー気持ちいいな。疲れた時に入る風呂は格別だな」
俺は感動に浸りながら目をつぶっていた。しばらくそうしていたが、だいぶからだが温まったからからだを洗おうと、立とうとした。
「なんかくらくらするな」
そんな時だ。
ぽいん―
今柔らかいものにふれたな。
「お兄ちゃん大丈夫?最近疲れてると思って背中流しに来たの」
あぁ、幸せ。妹よ最高だ。どうしてこんなにいい妹を持ってしまったのだ。といいつつも
「ひ、日葵!?びっくりしたな」
そりゃあ驚くよ。全裸の妹が顔を赤らめながら背中流すなんて。
「いやならいいんだけど……」
「全然嫌じゃない!むしろ流してほしいです」
そういって俺は椅子に座り、日葵は俺の背中を流し始めた。
「裕信さんとはどこで知り合ったの?」
「たまたま教室の席が隣だったんだよ」
「それにしては仲良かったけど、」
「そ、そんなことないだろ」
「よかったね」
そんな他愛のない会話をしていたら幸せな時間が終わりを告げてしまった。
風呂を上がった俺はすぐ自分の部屋へ向かいこれからの計画を立てた。
読んでいただきありがとうございます。
サブタイトル決めにくかったです…(書いてて決めにくいだろうなと思ってました)