マジックミラー(ほんとうに、あたしが見える?)2
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私はあなたになりたかった。
黒のパンツスーツ戦闘てきに着こなし
そこいらの男とため以上で仕事ができて
同性には観音様(笑)みたいに優しくて
それでも体育会系なのか何か知らないけど
儒教的な時代遅れな考えもってて
笑っちゃうくらい古臭い貞操観念もってて
仕事人間で融通が利かず酔うと説教臭くって
私にだけ高圧的で教条的で道徳的で上から目線で
(まぁ実際の年齢もいっこ上だけど)
まるで私の姉気取り?
まぁ、どれだけいわれても不快じゃなかったけどね。
お姉さん、私はこんな卑怯になってしまいましたよ。
あなたの死を利用して
あなたになりすまそうとするくらい、
あかたの生き様の真似までしようとするくらい、
あなたになりたかった夢を
なりすますことで叶えようとするくらい、
あなたが大嫌いだった
偽者になろうとしているのかな?
あなたは
髪の毛の先からつま先の先まで本物でしたもんね。
どこを切ってみても
金太郎飴みたいに本物が詰まってましたもんね。
むろん、金太郎の顔じゃなく
あなたの、麗しい、
あなたの、かき抱きたいほど美しい
それは美しいお顔なんですけど。
生きてる時はもちろん、
死んだのちもあなたは
あなた以外のなにものでもない。