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その時、清い涙は流れないだろう
白い大理石の廊下が、
えんえんと、霊園に続いている学校。
私が望んだもの、
ずっと大理石の上に寝そべって
その冷たさを右頬と両掌に感じたまま呟く。
「もう、起きたくはないよ。
このまま、寝させて。
できることならば、さいごまで眠っていたいんだ」
それは誰にも聞こえない私の悲鳴。
いつの間にかなくなるこの現し身、
屍さえも残りはしないことを、
私、知ってる。
もし、この廊下にも
黒い暴風雨が
心に住むたった1人の友を
切り裂きにやってくるのなら、
瞳は乾かせたままていい、
白い冷たさに身を委ねたままでいい、
その日、ひと知れず、消えてしまいたい。




