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憧憬の向こう側  作者: 葉竹ゆり
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古典恋愛 1


男はバカでプライドの高い生き物ですから

手のひらで転がしてやればいいのよ


高校時代に奈保子に言ったセリフ

実は奈保子のことが好きで

奈保子に男を好きになってほしくなくて

言っただけなんだけど

なんか奈保子の座右の銘になっちゃったみたいで

あの子可愛いから

男の子を手玉にとっては遊び暮らしていた


私はそれを見ながら心掻き毟られていたけど

そのうち奈保子と会う回数も減っていき

そろそろ奈保子も落ち着くのかなというようなときに

私はあの人に出会ったんだ


何が優れているわけでもないと思ったし

この男のどこがいいんだろうと

何度も何度も悩んだけれど

巷間広く伝わる通り

好きって感情は理屈じゃないんだと初めて知った

奈保子を好きだったのは

奈保子の美しさに触れていたかったからだし

奈保子と2人でいるだけで

周りの人間から憧れて見られる

ような気がしていたし

奈保子はおそらく私にとってだけじゃなく

世界にとって特別な娘だったんだ

だから私は当然あの子の信者でしかなかったんだ


あの人は突然私の前に現れて

私の「人をいとおしいと思う気持ち」の大半を

掻っ攫って行ってしまった


本当に

どうしてそうなったのか

まるでわからないんだけど

(ちくしょう好きになってしまったんだ)

あえて言えば可愛らしいところかな

自己主張そんなにするわけでもないし

歌も好きみたいだけど

ちょっと音程外れてるのが可愛いかったり

でも正装びしっと決めている姿は

見ているだけでかっこよかったり

もうだめなんだ

好きになってしまったから

何もかもがよく見えてしまうんだだろう?


そんなつもりじゃなかったのに

どこかでボタンを掛け間違えたのだろうか?

考えてみてもわからない

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