私をこれ以上、辱めないで。
辱めを受けました。
あなたの隣にいることで
引き立て役になりました。
かつてあなたは伝説の美少女と言われてた
争う気もないし争える訳もない。
辱めを受けました。
本気の本気で恥ずかしかったです。
でも私のほうがかわいいねって
言ってくれた人もいたよね。
心が踊るっていうのいうのは
こういうことだと実感できる。
本気で喜びましたよ。
別にあなたとは関係ないところで
私の本当を見てくれる人もいるんだと
私の価値を認めてくれる人もいるんだと
あなたより私を選んでくれる人もいるんだと
(やっぱりちょっとは、
あなたとの比較も関係あるみたいだった)
嬉しくて 嬉しくて 毎日毎日 らららら
笑って歌 歌っていたんだ。
馬鹿みたいに、
てかバカだった。
私に近づいてきたのは
私が好きというような理由ではなく
ちゃんと別の理由があったのね?
やっぱりそうでしょう?
あたりまえだって。
別に泣いてないよ。
あんな奴のために泣くわけないじゃない。
でもそれがあなたの企みだったって知ったのは
ずいぶん経ってからだった。
彼に合わなくなった頃。
その日、
あなたは私の部屋を訪ねてきて
失恋パーティーしようと
私を元気付けようとしているふりをして
私はとことん酔わしちゃったね?
まだ日が高く窓から西日が差していた。
あんまりまぶしくて私の目には涙が浮かんだ。
このままではまずいと思って
バルコニーに出てダブルの水割りを傾けていた。
あなたもグラスを持って、
バルコニーにやってきて、
後ろから肩を 軽く抱いてくれた。
何かなと振り返った私の
唇にあなたの唇が触れた瞬間
パ──ン!と音がして悲しみがはじけて
私はあなたのものになった。
欲しかったのは私の唇?
体?
それとも本当の私の心?
人が人を好きになるのに理由はいらないのだろう。
私はそれを身をもって体験した。
あんな愛され方をするなんて、
あの日が来るまで思いもしなかった。
好きになってしまった私を、
私をこれ以上、辱めないで。