永遠の嘘ばかりつく悲しみ
ひっさしぶりの詩集です。
ただし、終わらせるための投稿になります。
さいきん、過去の放り出していた詩集を完結させる作業をしています。
ただ、終わらせるためだけの投稿、みたいな。
詩集によって、想い入れの量が、はっきりと違っていて。
この「憧憬の向こう側」は、とても想い入れが強い詩集なので、ほんとうはこのように十把ひとからげにしてしまいたくはないのです。
ただ、時間が、ない。のです。
このまえがきをもって、この詩集の葬送の辞とさせていただきます。
でわ、本文、お読みくださいませ。
とおりすぎていった
幸せを想いかえして
その美しいときに嘘はなかったと
ときがただしずかに
過ぎていっただけなんだと
抛り棄てられた
虹の夢の残骸が転がる
廃墟をさまよいながら
ただじぶんを騙して生きている
だれか、
あたしの声は聴こえないという
真っ赤な嘘を
ついてくれはしないだろうか?
だれか、
あたしの気持ちはわからないという
蒼ざめた嘘を
ついてくれはしないだろうか?
更けゆく夜に
飛翔する白い肌の天使のまぼろしが
あたしを苦しめる
けして届かないほど
遥か遠くにみえる
のどかで
幸せで
やすらかなときを
ふたりだけでクスクス笑っている
泣きたくなるくらいの
永遠のはるか遠くの幻影
だれにも
聴こえていないという
この、
孤りの悲しみの病いに冒された
永遠の嘘を
あってはならない
真実の世界の廃墟が
夢みたいにやさしいという嘘を
だれもが憧れる
麗しい白い天使の翼持つものたちが
あどけなく微笑む世界、
永遠の嘘の向こう側に棲むという
だれにだけは、
聴こえているという?
お読みくださり誠に有難うございます。
またお会いできる日を楽しみにしています。
でわ。