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憧憬の向こう側  作者: 葉竹ゆり
132/138

悪役令嬢、闇に潜み、夜の街に生きて 1


1 ね、姫?


忘れがちだけど人って人に

好かれるために努力しているんだ

願いを叶えるために。


好かれることを放棄する

気楽な人もなかにはいるけど、ね、あたし?



あたしの堕ちた闇は

乾いた砂漠のようで

そんなことよりただ自分が

大事なだけだった

砂に埋もれきってしまわないよう

それだけを自身に命じて

生きてきた

血ぬられた嘘や偽り

妬み嫉みそういう負の感情を

空気のように吸って

生きてきた


それだけで

ようやく

生きて来れた

みんなのような華奢で可憐な

お姫さまじゃ

なかった


忘れがちだけど人って人に

好かれるために努力しているんだ

けれど、とある願いを叶えるため

ただそれだけのために

好かれることを放棄する

気楽な人もなかにはいるけど、ね、あたし?


貴女方はそんな風には

おなりにならないで。

ね?

落ちる必要のない穴になんて

落ちちゃ駄目ですわ。

わたくしはもしかしたら

とんでもなく弱かったのかもしれません


日常から

外れることなんて、しちゃ駄目です


わたくしみたいな割れたグラス

(ちょっと、自分を良くいいすぎ?)

にならないためにも、ね?


あなたは、そのままでいいと思う

自分を信じてあげて

自分をたやすく売らないで

そして

ねぇ、

あたしのバカなおはなし聞いて

笑ってよ、

ね、姫?


あたしは、そう、

姫は姫でも、

《生き埋め姫》と名乗ったおんな。







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