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憧憬の向こう側  作者: 葉竹ゆり
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金木犀の花咲く庭


知っている


世界で一番きれいな

この街の

うす青いそら


庭の金木犀が咲いている

この春

大きくなりすぎてしまって

邪魔になってしまった

枝を切ってしまったのだけど

私や君の背では

手が届かなくて

切れなかった枝に

オレンジ色のちいさな笑みを浮かべて

手の届かないかなしい笑みを浮かべて


この街のうす青いそらが

世界で一番きれいなのは

ふたりでこの街に

住んでいるから

べつの理由はない

ほんとそれだけできれいなそら


知っている


もしふたりがひとりに戻ったら

このうす青いそらの優しさも

届かない哀しみになってしまうよね


金木犀が咲いている

庭の哀しみは

まだこの部屋には

届いていない

君が


いてくれている


いてくれているからね






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