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憧憬の向こう側  作者: 葉竹ゆり
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ふたりの旋律が吹きすぎて行く

渦もなく 悲しみの心がただこの浜辺に舞うころ


過去のふたりがつくった傷の尖った 美しい旋律は


空たかく風に舞う 嫉妬や嘘を呼びよせるだろう


爛れた心の傷を もう1度ナイフで切り広げるために




海辺に打ち寄せる 波の音が


人魚の歌声に 聞こえたから


不幸に輝く 欲望の罪の波に飲み込まれ


私たちの旋律は 消し去られる寸前であるかのようだ




ふたりその旋律より たいせつな罪の波をかぞえ


新しい絶望を その孤独から掬い取ろうとするから


ふたりぼっちの寂しさの数だけ 孤独があるとしても


安っぽくてもふたりっきりで生きて行くと誓ったんだ




ふたりの中の月を 温めてくれる始まりを


誓いの渦に巻き込まれたのものである とするのなら


終末の静かすぎる茜色の風が ふたりのこころの奥に


いつまでも消えることなく 吹きすぎて行くことだろう





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