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憧憬の向こう側  作者: 葉竹ゆり
117/138

泣かしてあげる


業務命令のように始まった恋

恋愛ゲームみたいで

ちょっと楽しかった

執行猶予つきの判決みたいに

モラトリアム、キッスとか

ふざけてチュッチュしてたね


あなたは露骨に嫌な顔をしたんだけど

それじゃあ2人

付き合ってないみたいじゃないのっていうと

両眼を固くつむって応えてくれていた

我慢してるかお

ちょっとはかわいかったよ

りとる



全然本気じゃないから

すごく余裕を持って

好きでいられた

あいしちゃってるってことばだって

簡単だった


あなたは、どうだったの

結構一途ぽかったけど

一途の真似だったのかな


ある夜、3番街で食事をした後

ぶらぶらと淀川の土手を歩いたね

明るい満月を見上げて

頰赤らめ

涙目になりながら

月が綺麗ですねって言う

あなたの言葉を聞いたとき

恋心がざわついたのを覚えている

そして

きゅんって鳴ったんだ


もう制御不能になっちゃうだろうって

予測可能な未来が見える


あの夜から

ずっとおんなじだ

からかっちゃダメだよ、もう


敏感に反応しちゃうからね


あの夜からこぼれ出す心の恋色は

あなたにバレバレで

あなたを引かせているのも知っている


でも

関係ないとも言える

だって二人

一番大事なパートナーだから


とか思ってるのは私だけ?


あのー、私、

実はですね。

もはや私自身より

あなたのことが好きなの、

大好きなの、


雨、雨、降れ、降れ。

あいあいがさ、しよー?


嫌っていうなら、泣いちゃうぞ

あ、違う

嫌っていうやつ

泣かしてあげる






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