少女よ、荒野を目指せ!
ガールミーツガール
少女は、少女に出会い、
そして、
物語りは、始まるのです。
それは、
たとえば、
恋愛の物語りだろうし、
たとえば、
友情の物語りだろうし、
たとえば、
そこから始まる
復讐の物語りであるかもしれない。
とにかく、
どんな物語りも、
ガールミーツガール
そこから
始まるのだと
私たちは
知っている。
ガールミーツガール、
でも、
考えてみてください。
それは、
少女A「が」少女B「に」出会う、
物語り。
少女A「が」少女B「を」見つける、
物語り。
なら、
少女B、は?
少女Bは、ただ、
待ってるだけなの?
ノー。
そんなの、ダメだ!
少女Bだって、
少女Aに見つけてもらいたくて
いつだって、
どこでだって、
着飾っているのよ、
視線を流しているのよ、
好きって言わせようと
しているのよ。
なんでも知ってる顔してさ、
ぼーや、あたしの翼にくるまれなさい、
とか。
って、か?
ノー。
そんなのダメだ!
それは、世間とかが求める
「いい女」だろ?
私は、そんな
都合のいい女では、いられないんだ!
バカだから、
でも、
いいよ。
私なら、
少女Bが、奪い盗るように
少女Aの心を手に入れる物語りが希望。
少女B「が」少女A「を」見染め、
少女Aに、直球で告白する物語りが希望。
少女Bが、全てを捨ててでも
少女Aを、悪女から守る物語りが希望。
私なら。
物語りは、
少女Bから始める。
それは、
少女Bが待つ者ではなく、
少女Bが選ぶ者になる物語り。
ああ、そうだよ。
言っているよ。
少女よ、荒野を目指せ、
って、
言っているよ。
だって、おかしいだろ?
どんないい女では、あっても、
男のを惑わす大人の女では、あっても、
お城の中の
花壇の花のよう
守られることを望んでいる、
そんなの
私じゃないからね。
だって、
嫌だし。
だから、
私は私自身に
こう言ってやるんだ、
少女よ、
荒野を目指せ!
って。
夢みる頃を
過ぎたもしても。