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キセキ(女の人バージョンよ)
カラスが落ちて傷ついて
羽を広げて震えているわ
小雪の散らつく公園で
輝石を捜す私の前で
ねぇ、道は確かに続いているの?
この声をあとどれだけ掠れさせれば
爛れ切った食物連鎖から
飛び立つことができるのかしら?
瀕死なの?
それは、カラスなの、私なの?
磨り減った気持ちは
雲よりも空に近い場所で漂っているし
見上げるとハイトーンな音符たちが
小雪よりも軽やかに羽ばたいているわ
輝きなの?
それがいちばん輝く歌たちなの?
それとも、成れの果て?
夜ともなれば凍った水たまりの
マジックミラー越しに見える世界が
捜す輝石が転がる奇跡の国なのかもね?