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 「わぁ、これが電車ですね。やっぱりカッコいいです」

 ソフィアはホームに到着した電車を見て目を爛々とさせた。

 「ほら、早く乗って。出発しちゃうよ」

 克太は電車の中から、ソフィアに声を掛けた。

 「あ、はいっ」

 ソフィアは慌てて電車に乗った。

 『駆け込み乗車はおやめください。次の電車にお乗りください』

 アナウンスがホームに響く。

 「ほら、他の人に迷惑かかるからさ」

 克太はソフィアを戒めた。

 「はぁい、すみません…」

 電車に乗った二人は並んで座った。

 ソフィアは窓の外を見たり、四方をきょろきょろと見回したりして落ち着きがなかった。

 克太はそんなソフィアを苦笑いして見ていた。

 「ところでさ」と、克太は話しを切り出した。

 「なんで俺の所に天使が降りてくることになったの?」

 はしゃいでいたソフィアは真面目な顔になって克太の方を向いた。

 「はい、天使教育機関を卒業したばかりの天使は、見習い期間として一人の人間に付きっ切りになって、その運命を良い方向へ導くよう仕事をするように決められているのです」

 ソフィアは真面目な表情のまま話を続ける。

 「それでその対象の人間の選考は我らが主神の深いおぼしめしによって決められます。私の場合それが克太さんだった訳ですね」

 「ふぅん。その主神てのは、一番偉い神様って感じかな?」

 「そうですね。天上界の全てを管理する最高責任者です」

 「じゃあ俺が選ばれた理由も、その主神様に聞かないとわからないってことか」

 ソフィアは困ったような笑顔で、

 「そう、なりますね…」

 と、もごもごと返事をした。

 「そっか…」

 克太は腕を組んで、窓の外に目をやった。

 二人の会話はそこで止まった。

 無言の二人はがたがたと電車に揺られた。

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