第79話 [世界を蝕む闇]の正体とルナの成長
書いてるうちに、話が予定よりも壮大な物になりかけていたので、急遽書き直していたら、遅くなってしまいました。
何度も書き直してるうちに、どこかが変になったかも?と心配しながらも、この1話を投稿させていただきました。
風呂場でたっぷりとスキンシップを図り、ミール達との微エロな一時を楽しんだ後、俺は今夜女神様に呼ばれる事を皆に話した。
今夜順番が来たと楽しみにしていたノアとシアには、明日まで我慢して貰う事に。
するとノアとシアの双子姉妹は、それならばと、両サイドからくっついて来て甘え始めた。
流石にエルが居るこの場でこれ以上の行為はよろしくないので、両手を使って二人の頭を撫でる程度に抑えておく。
そしてある程度二人を愛で終えた頃、十分に身体が温まったので風呂から上がることにした。
「さてと、それじゃそろそろ上がろうか」
皆で一緒に風呂から上がり脱衣所へと移動する。
身体を拭いてから、いつもの様に用意されていた服へと着替え寝室へと向った。
「じゃあ皆、おやすみ」
「おやすみなさいナツキ様」
「おやすみなさいませ主様」
「おやすみ主様」
「おやすみなさい旦那様」
「おやすみなさい、です」
ミール、ノア、シア、ミリー、エル、レイが声を重ねるようにした返事を聞き、俺は自室へと入りそのままベッドへと潜り込んだ。
そして、久しぶりの一人寝の寂しさを感じていると、すぐに眠気はやってきた。
何時までも寂しさを感じるのも嫌なので、素直に眠気に誘われそのまま眠りへとついた。
「・・・キさん、ナツキさん、目を明けてください」
聞き覚えのある、柔らかな声にハッ!と目を開けると、以前に一度来た事のある場所に立っていた。
水中に泳ぐ魚が見えるほどに透き通った湖の中に浮かぶ小さな小島だ。
他には何も無いのだが、もしここから夕日が見えたなら、きっと素晴らしい景色になるだろう
「夕日、ですか。確かに美しい景色になりそうです」
背後から話しかけられて振り向くと、そこにはクリーム色でウェーブのかかった長い髪の女性が立つように浮かんでいた。
この人が運命を司る女神のモイラである。
その女神様に、どうやら俺の考えていた事が読まれてしまっていたらしい。
「お久しぶりです女神様」
「ようこそナツキさん。
アルカレイドでの生活は楽しんで頂けてますでしょうか?」
「最初はいきなりボアの目の前へと送られて大変でしたが、今では可愛いお嫁さん達と一緒ですから最高ですよ!」
ここぞとばかりに、第2の人生の始まりに死にそうな思いをした事を伝えて見る。
「そうですか、それならば良かったです」
あれ?ボアの件はスルーですか!?
「しかしナツキさんには一つ謝らねばなりません」
話しの流れからボアの件を謝ってくれるようではなさそうだが・・・
「何でしょうか?」
「ナツキさんがサラと出合った時に戦ったあの敵の事です」
確か奴の名前は・・・
「[世界を蝕む闇]とかいう名前のアイツの事ですか?」
「そうです。[世界を蝕む闇]はココとは違う、別の次元の狭間へと封印されていた魔物の一部なのです」
「封印されていた魔物の一部?」
「はい。その昔、時の女神の一人が管理していた世界には宇宙が存在し、その中にトランスバレルという星がありました。
その星ではアルカレイドと同じように、魔物達を倒す事を生業とするハンター達が存在していたのです。
そんなハンター達が魔物を倒して素材を手に入れたり、食料を手に入れたりしながら人々は暮らしいたのです。
時には脅威となる敵も出現したりしていたようですが、魔物を倒すハンター達は知恵を絞り、なんとかそれらに対抗していたそうです。
しかし、ある日突如現れた一匹の魔物に人々は成す術を持たずまま襲われ、村や町は破壊されていったのです。
それを見かねた時の女神は、人々に手を差し伸べることにしたのです。
女神は、異なる世界より一人の勇者をトランスバレルへと召還し、その魔物を退治するように命じましたが、魔物の力は強く、召還された勇者の力を持ってしても倒す事も出来ず、捕食されてしまったのです。
その結果、人々は死に絶え、ついには様々な魔物がはびこるだけの星になってしまったのです。
もうそんな星には存在する必要が無くなったと判断した時の女神は、その星にはびこる魔物達共々消滅させる事にしたのです。
時の女神はすぐにそれを実行し、星を消滅させました。
しかし、例の魔物は生き残っていたのです。
星が消滅する時に生じるエネルギーは強大なモノなのですが、なんとその魔物はソレに耐えたというのです。
後に分かった事なのですが、どうやらその魔物は勇者を捕食した事で、更なる進化を遂げる事に成功して強くなってしまっていた様なのです。
もう人の手に余る存在となってしまった事で、私達女神が出向き、直接退治する事になりました。
魔物には、直接のダメージを与える事は出来ません。しかし神聖魔法ならばどうやらダメージを与える事が出来たのです。
ですがそれでも魔物の力は強大であり、退治するまでは至りませんでした。
ソレでもなんとか、弱らせる事までは出来たので、その隙に魔物を次元の狭間に飛ばして封印する事に成功しました。
それから500年、その封印が弱まっていたのか、魔物の一部が封印の外へと漏れてしまっていたのです。
それを知った私達は慌てて再度封印を施したのですが、その時封印の外へ出ていた魔物の一部が分離し、私の管理するアルカレイドの世界への侵入されてしまったのです。
その後もどこへ逃げたのかを調べてはいたのですが、結局見つける事が出来ずのままでした。
その結果、ナツキさんが危ない目に合う事になってしまい、申し訳ありません」
まぁ、その件については解決することも出来たし、[世界を蝕む闇]が出てきてしまったのも事故のようなもの。
だから俺としては別にとやかく言うつもりも無い。
ただそれよりも、話の途中に出てきた、召還された勇者がなんだか不憫だと思った件について・・・
召喚されたけど、食われたって…
「いえ、あれはまぁ事故のようなものの様ですし気にはしていません。
それに今は[世界を蝕む闇]に対抗する手段だってあります。
まぁ、出来ればもう2度と会いたくはありませんがね」
まったく気にしてないです、という風に軽い感じに言ったのだが、女神様から聞きたくない一言が伝えられた。
「ナツキさん、実はですね、アルカレイドの世界に後4匹存在しているはずなのです」
「ぇ!?」
「ナツキさん、どうか[世界を蝕む闇]の残りを倒しては頂けませんか?」
俺さっき2度と会いたくないって伝えたはずだよね!?
「分かっています、ですが私達女神の力では何故か[世界を蝕む闇]を倒す事が出来ないのです。
ですから、今はナツキさんに頼るしか方法が無いのです。
このままでは、いずれアルカレイドの世界にも影響が出てしまうかもしれません。
ですから、どうかお願いします」
女神様に頭を下げられたというのもあるのだが、それよりもこのまま放っておいては俺の楽しい第二の人生が終了してしまうかもしれない。
その事の方が俺にとって避けるべき未来である。
だから俺は女神モイラの願いを受ける事にした。
「ありがとうございます。[世界を蝕む闇]がどこにいるかはまだ見つける事は出来て居ませんが、もし見つけた場合はすぐにお知らせします」
「わかりました。ところで話しは替わりますが、女神様に聞きたい事があります」
「何でしょう?」
こうして女神様にあったら聞いて起きたいと思っていたステータスの事について聞いて見ると、やはりほぼ俺の仮説通りだった。
STRは筋力で、その数値が大きければ大きいほど力持ちになれる。
AGIは俊敏性で、動きが早くなる。
INTは知力で、記憶力や理解力の向上。
DEXは器用さで、そのまま手先が器用になる。
LUKは運の良さ、と言ってもこれは予感の的中率が上昇するといった感じで、どんなに高い数値になっても的中率は最大で80%程度らしい。
「なるほど、大体思ってた通りのようです」
「他にも何か聞きたい事はありますか?
「いえ、質問はそれくらいです。後は今日ココにきた理由についてぐらいですね」
そう言いながら、俺は女神様の後ろに見える成長した苗木へと目をやった。
最初見た時は、俺の足首位までの高さだったのが、今では俺の膝位まで伸びていたのだ。
「ルナの事ですね。大丈夫です、凄く順調に育っています。
この調子で育って行けば、ルナは一人の女神として顕現する事が出来るはずです」
どうやら女神モイラさんにとって十分な成長をさせる事が出来たようだ。
それにルナが一体どんな姿で現れるのか?
俺はその時を楽しみにしていた。
「この調子でアルカレイドに住む人達にとって幸せな世界になるよう頑張ってくださいね。
さて、少し長話をしてしまったせいか、夜明けが近づいて来てしまいました。
そろそろナツキさんをアルカレイド戻さねばならないようです」
「もうそんな時間でしたか」
「はい。ではナツキさん、またある程度ルナが成長するか、[世界を蝕む闇]を発見出来た時に連絡をしますので、どうかよろしくお願いしますね」
そう言い終えた女神モイラの言葉を最後に、俺の意識は段々と薄れて行った。
次回 第80話 人物紹介
タイトルは変更させていただきました!
次回の人物紹介ですが、ちょっと時間が掛かるかもしれません。
出来れば日曜日の夜にはアップしたいところです!
(あくまでも目標ですので、遅れてもお許しください!)




