第78話 パーティーの終わりと引越しの完了
また、眠るまで書く事が出来なかった orz
気づけば4000文字越える程になってた・・・
6人のメイド達は二人ずつペアになり3箇所の台の前でひたすらに肉を焼き続けていた。
それでなんとか全員分の肉が焼けている様だが、流石に皆がどんどん食べていける程の効率は出てはいない。
だからと言って4箇所目を作ろうにも網が無い。
そうして思い付いたのは串焼きだ。
あれならば網が無くても串の先と持つところを引っ掛けれ焼く事が出来る。
そうして焼けた肉を串から外して配れば皆が待つ事も無く次々と食べる量を確保出来るはずだ。
串は家で使っているスプーンやフォークを材料にして、替わりに木を使って木製のスプーンやフォークをスキルを使って造っておけば大丈夫だろう。
台の方はその串の長さに合わせて作るだけでいいので余裕である。
案が纏まると俺はすぐに実行し、すぐに4台目の肉焼システムが完成した。
そして俺は肉をどんどんと串に指し、焼き始めていく。
4台目が完成した事により、皆の食べるスピードがあがり、気がつけば用意して貰っていた肉の8割が無くなっていた。
この頃には焼く事に徹していたメイド達のペアも交代しながら肉を食べる事が出来ていた。
俺自身も自分専用の串を一本選び、その串に刺して焼いた肉にかぶりついていたりする。
この世界には調味料と言うものがあるにはあるのだが、焼肉用のタレなどはありはしない。
なので今回の焼肉パーティーは、肉という素材の味そのものを楽しむか、塩コショウで味付けをした物という2択なのだ。
今後の為にも焼肉のタレ、もしくはそれに近いものを是非作って起きたい。
肉を焼き始めてから2時間程経っただろうか、皆満足げな表情で近くの人と話していたり、早々にお腹一杯になっていた孤児の子供達はロムと追いかけっこして遊んでいる。
ミール、ノア、シア、ミリーの4人は、別れて新しくオルリア村の住人になる人達に囲まれながら楽しそうに話しており、頭にサラを乗せたエルとレイはメイドのククリと一緒に、子供達と追いかけっこをしているロム達を見ながら会話していた。
実の所、新しい住人達がミール達やこの村の住人達の身分が奴隷である事から、何らかの問題が起こるのではないかという不安も少しながらあったのだが、あの様子だと安心だ。
後1時間程はこのまま団欒を楽しんでいて貰い、その間に俺は一仕事してくるとしよう。
黙ってこの場から居なくなるのは不味いかなと思い、タリアに一声かけ、人目につかない所まで移動してから温泉旅館の従業員の社宅となる建物へと転移した。
「さて、とりあえず部屋割りは名前順にでもして、さっさと終わらせるか」
周囲に誰も居ない静かな場所に佇む建物を前に、そう呟きながらも小さな溜め息を吐く。
誰も居ない建物にはもちろん灯りはまったく点いていない。
そこで取り出したのは、野営セットの中にあるカンテラだ。
電気が無いこの世界では、カンテラや蜀台が一般的な灯りになる。
それ以外では、王都の町にある街灯に使われていた燃え続けていた石、所謂魔石というやつだ。
魔石とは、火、水、土、風といった4属性の魔法をどれでも1種類だけ込める事でき、その時込めた魔力量によって威力や持続時間等が違ってくる。
王都の街灯の場合はただ火を出し、燃え続けさせるだけの魔法が込められているようだ。
つまり使い方次第で、生活の便利道具にも、戦闘による戦う道具にも出来ると言う優れ物。
ただ、この魔石は地中深くまで伸びたダンジョンで偶に見つける事が出来ると言うレベルらしく、市場には出回る事無い。
自力でダンジョンから見つけてくるか、運の良かった冒険者がダンジョンから持ち帰り、それを買い取った冒険者ギルドから購入するといった感じである。
後は、王都で月に一度開かれるオークションで出品された時に落札するくらいだとか。
これらの情報は、村を作り始めた頃、タリアを連れて王都に買い物に来ていた時に教えて貰った事だ。
因みに、町の街灯に使われている、直径8cm程の魔石1つが10万コル以上するらしい。
そういう事から、我が村では現状導入する事は出来ない。
レイとの出会いの元となった、ドラゴン退治の依頼での報酬があったおかげで、現在オルリア村の運営資金は500万コル程は残っているのだが、ここは節約すべきだろう。
そんな訳で、カンテラを片手に建物の中を進み、「王」という文字の形をした下のラインの部分、左側の部屋から名前順に誰の部屋と決めて行き、各部屋の中心に持ってきた荷物を出していく。
ついでに、廊下の各部屋の扉の傍にある蜀台に火をつけ、灯りを点けておいた。
それぞれの荷物を出していく作業中、どれが誰の物かがすぐに思い出せるこの記憶力がとてもありがたかった。
おかげでスムーズに作業を片付けれている。
出来るならこの記憶力をもって、元の世界でトップクラスの大学に入り、大手企業へと就職を・・・・いや、やっぱりミール達が居るアルカレイドの世界の方がいいか。
あっちの世界じゃ、ミールの獣耳や尻尾を可愛がる事は出来ないし、ノアやシアの様なエルフ特有の耳を愛でる事も出来ない。
それにミリーの様な王族との結婚なんてまずありえないし、エルの白くて綺麗な翼も愛でる事が出来ない。
今ある自身のステータスのおかげで怖いとは思わないが、レイの様なファンタジー溢れるドラゴンの姿を見る事も、一見精霊には見えない小さな竜の姿をしたサラを頭の上に乗せて癒される事も出来ないのだ。
つまりアルカレイドの世界の方が断然楽しいじゃないか!
運命の女神モイラ様ありがとう!
と、そんな事を考えている内に全員分の荷物を出し終えていた。
一応、箪笥やベッド等、大きくて一人では動かせそうにないものは適当に部屋に配置しておいて上げたので、明日にでも残りの荷物は各自で片付けれるようにしてある。
一仕事終えた俺は、我が家の玄関へと転移し、靴を脱いでからリビングに入り時間を確認する。
現時刻はすでに22時40分を少し回った頃の用だ。
再び玄関で靴を履き、外に出てパーティー会場へと戻ると、メイド達が皆にお茶を配っていた。
丁度喉の渇きを感じていた俺は、タリアに戻った事を伝えるついでにお茶を受け取り「ズズズ」と啜る。
味の濃さや苦味の少ないこのお茶は、どうやらエマルオリジナルのお茶ではないようだが、喉が渇いていた今の俺は十分に美味しく思えた。
喉を潤し終え、辺りを見回すと、遊び疲れた子供達はロムやククリの周りに集まって座り、眠たそうに目を擦っている。
タリアの傍にいたアルカも少し眠たそうだ。
普段ならアルカはすでに仕事を終え、風呂に入って寝室へと向う時間である。
そろそろパーティーの幕を降ろす頃合の様だ。
俺は皆が居る方へと向き、少し大きめの声で話し始める。
「皆さん、本日は楽しんで頂けましたでしょうか?お腹一杯食べましたか?」
見回すと、大人達の表情は明るく、一部からは「こんな優しい御主人様に買われて幸せですぜ!」なんていう声が上がり、俺は苦笑い状態だ。。
こんな2パターンの味しかない焼肉パーティーなのだが、どうやら皆は満足して貰えたようだ。
「また何時か、何らかの機会にまた焼肉パーティーを開こうと思いますので、その時を楽しみにして貰えたらと思います」
次回が何時になるか分からないが、その時にはもう少し味や種類などを増やせるようにしよう。
「それでは、今日のパーティーはこれで終わりにしたいと思います。
温泉旅館の従業員になる人達はこちらへ集まってください。
それ以外の皆さんは、使った食器をこちらに返してから解散してください」
皆が俺の言葉に従い動き始めて15分程。
パーティー会場には、俺と温泉旅館の従業員になった人達、または既にあの建物に住んでいた5人だけが残っていた。
ミール達には、メイド達の手伝いを頼み、終わり次第先に風呂に入っておいてくれと伝え、メイド達と共に我が家へと戻らせている。
「皆さんちゃんと居ますね。
それじゃあこれから皆さんの住む建物へと案内しますので、着いて来てください」
そう言って従業員の社宅となる建物へと向い始める。
道中は探知スキルで周囲を気にしながらだ。
オルリア村を出発し歩き始める事約20分、何事も無く目的地に到着。
誰がどの部屋に住み、その部屋はどの辺りにあるか、そして今日引っ越してきた人達には、荷物は既に部屋に置いてきている事を伝える。
新しくここの住人となる人達から「何時の間に荷物を・・・」といった疑問の声や「ここが今日から住む場所か、凄くデカイ所だ・・・」等という声が聞こえてくる。
「それでは皆さん、今日はこの場で解散にしますので、今日は早めに休んでください。
今日のパーティーで、焚き火の煙等で身体が汚れたからサッパリしたいと言う方は、この建物内に温泉がありますので、自由に入ってもらってかまいません。
その場合は、脱衣所に正しい入浴の仕方を書いた看板がありますので、そちらを読んでおいてください。
明日、今後の予定を説明しますので、朝9時にこの場へと集まっておいてください」
必要な事を伝え終え、この場で解散を告げ、俺は我が家がある方角へと歩き始めた。
そして人目が届かないところまでくると、家の玄関前に転移する。
直接玄関の内側に転移しても良いのだが、やはり玄関を潜った方が家に帰ったと言う気持ちになれるのだ。
「ただいま」と一声掛けると、リビングから出てきたタリアがミール達が今お風呂に入っていると教えてくれたので、俺も入ることにした。
今日は何かと忙しかったので、早く温泉で疲れを取りたいのだ。
何より、少し前にしていた荷物を降ろす作業中にミール達の事を考えていた事もあり、今の俺はミール達とのスキンシップに飢えている状態なのだ!
今夜は女神様からの呼び出しがある以上、夜の営みはお休みの予定。
なのでこのお風呂の時間を利用し、エルの前でも出来る程度のスキンシップで、嫁達の種族特有の成分を補充しなければ!
次回 第79話 ルナ
本来この78話では、焼肉パーティーの話はサクッと終わって、女神様に呼ばれる話へと移るつもりが、気づけばあれやこれやと書き足しているうちに、この長さに・・・
そこで今回も、まことに勝手ながら話を区切らせてもらいます!
次回こそ、女神様の話しを終わらせ、一区切りという事でその更に次の80話で人物紹介という流れにしたいと思います。
本当にすみません!
*追伸*
多分無い事でしょうが、79話がたとえどんなに長い話しになっても必ず7女神様に呼び出されてから話しが終わるまでは書ききる所存であります!




