第74話 月に1日のモノ
1月13日追記
終盤の方に誤字発見したので訂正。
ついでにその部分をちょっとだけ書き直しました。
そして更に、後書きにナツキが寝た後のミール視点の話をちょっとだけ書いて見ました。
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後書きに誤字発見、訂正しました。あと一部書き直しました
人物紹介をもうそろそろ書こうと思ってす。
大体あと3話か4話ほど後になると思いますが・・・
「ナツキ様、お風呂が空きました」
「了解。それじゃルークさん、俺達もさっさと入っちゃいましょう」
家の中へと入った俺達は、タリアが食事の準備をこれから始めるとの事なので、その間に男女で別れて風呂に入る事となった。
先に女性陣に入ってもらい、今しがたマルガやうちの嫁達が風呂から上り、ミールから報告を受けたというところだ。
一緒に出てきたマルガは、ルークの姿を見つけるなり、凄い勢いで詰寄った。
「ルーク、ここのお風呂本当に凄いのよ!湯に使ってると、嘘みたいに疲れが取れていっちゃった!」
我が家の自慢のお風呂(温泉)を体験したマルガは、体験した湯の効能に興奮気味の様だ。
「わかった!わかったから落ち着くんだマルガ!ここはナツキ殿の家なんだぞ!?」
興奮したマルガをルークは宥めている。
そんな光景に、まるで二人は仲の良い兄妹の様にも思えてくる。
その後、俺とルークも風呂で疲れを取り、風呂から上がると、夕食の準備が出来上がっていた。
今日の所は、メイド達には別の足の低いテーブルで食事をしてもらい。
食事用テーブルの方には、お客さまであるマルガとルーク、そして俺達家族が座っており、いつもよりちょっと遅くなった夕食が始まった。
「そういや、今日説明をしてる時、ミリーとエルの二人は掲示板の方を見てた様だが、何か気になる様な事でも書いてあった?」
「ううん、特に気にするような出来事は書いて無かったかな、エルの方はどう?」
「高ランク冒険者の方達の活躍で、王都から一つの悪が消えたという記事くらいですね」
「Aランク冒険者のパーティが捕まえた人攫いの背後に貴族が関与していたっていう記事ね。
あれはホント困ったものです。人の上に立つ者がそんな事に関与してたなんて」
Aランク冒険者のパーティ?もしかして、[夜を照らす月]か [守りの剣]のどちらかだろうか?
まぁ、どちらにせよこれで王都がより一層平和になったって事だから良い事だ。
良いニュースを聞き終え、まだ食べ終えていない食事を口に運んで行く。
夕食が終わり、ククリに俺や嫁達、そしてマルガとルークに紅茶を淹れてもらう。
ククリ以外のメイドは皆がテキパキと食器を片付けていた。
淹れてもらった紅茶を飲みながら、ミリーとエルに、掲示板には他にどんな記事が書かれていたのかと聞いて見たが、気にするような出来事はホントに何もなさそうだった。
「あら?もうこんな時間になってたんですね」
ミリーの言葉に、ふと時計を見ると、時間は21時半を過ぎた頃になっていた。
「ミールお姉様、明日は確かあの日ですよね?」
「あ、そうだったわ」
ミリーに言われ、ミールは何かを思い出したようだ。
しかし、あの日というのはなんだろうか?
「じゃあ今日はそろそろお開きにしましょう。
じゃないと、ミールお姉様の時間が足りなくなっちゃいますよ」
時間が足りなくなる?
一体どういう事だ?
「なぁミール、時間が足りなくなるってどういう事なんだ?」
「あのですね、狼人族は1月に1日、といっても日付が変わってから日が昇るまでと、日が沈み日付が変わるまでの時間、姿が変化しちゃうんです」
「確か獣化と呼ばれるやつですよね?」
マルガも知っているところを見ると、これは常識の一つなのだろう。
「はい。そして私は明日が獣化の日にあたります」
私はという事は、人によってそれぞれその獣化の日が違ってくる様だ。
「ミールさんは明日がその日でしたか、だとすると今日の残り時間も考えて、今日はこの辺でお開きにしましょう」
「私の為にすみませんマルガさん」
そう言って食後のお茶会もお開きになり、タリアにマルガとルークを客室への案内を頼み、俺達も寝室へと向う。
寝室に入ると、今夜一緒に過ごすミールの尻尾がユラユラと振れていた。
一緒に夜を過ごすのを喜んでくれているのだと思う。
っていうか喜んでくれているはずだ!
そんなミールを連れ、俺達は俺の部屋へと入っていった。
「あの、ナツキ様、先程お話した獣化なのですが、日が変わった瞬間、私は獣の姿へとなってしまいます。
そうなると私はナツキ様のお相手をする事が出来ません。
ですからどうか今夜はその時が来るまで、たっぷりと可愛がって下さい」
「わかった。今夜はいつも以上に頑張らせてもらうよ」
この日、最初からとばしていった事で、日が変わるより先に、二人は力果てる事となった。
そして日が変わった瞬間、ミールは光りに包まれ、その光が収まるとそこには一匹のピンクの毛皮の狼・・・ではなく狼犬と呼ぶべき犬の姿があった。
全身モフモフで、柴犬より少し大きい位のサイズになった犬の姿のミール。
その姿に俺の犬好きの心が刺激され、とりあえず頭や耳、喉元や尻尾の付け根などをモフって行く。
「あぅぅ、ナツキ様、とても気持ち良いですが、そろそろ寝ないと」
「あ、一応その姿になっても喋れるんだ」
「はい、ちゃんと喋る事はできますよ」
「へぇ~」
と、会話をしながらも俺の手は泊まる事なく、ひたすらにミールの頭や背中を撫で続けていた。
その愛らしい姿に、まだまだ撫で続けていても空きない自信はあるが、明日の事を考え1時間程で手を止めた。
そして犬の姿のミールと一緒に布団の中に入り、二人は眠りについた。
次回 第75話 引越しと歓迎会
#ワンコ姿になり、事を終えた後のミールの心境
よりによって今日が獣化の日だったなんて、すっかり忘れてた・・・
ナツキ様、ちゃんと満足してもらえたのかなぁ?
最初から激しく求めてもらえたけど、いつもより早く終わっちゃったから心配だよ。
今だって、抱き締めてもらえてるけど、この姿じゃ私から抱き付けないし・・・
ノアとシアに順番替わってもらった方がよかったかも・・・
まぁ、今更後悔しても遅よね。
あぁ、それにしてもナツキ様の匂いが心地良いよぉ。
この姿になるといつも以上に鼻が良くなるから、余計にナツキ様の匂いを感じられる。
これはこれで・・・ちょっと幸せかも!




