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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第71話 番外編[俺の常識と異世界の常識]

少し時間を遡り、70話のナツキが畑へ行った時のお話しです。


今回は短めです。

今日も空は青く、いい天気である。

そういえば、この世界に来てからというもの、まだ一度も雨が降っているのを見ていない気がするな。


最近は、ますます寒くなりつつあるのだが、太陽から降り注ぐ日の光さえ浴びていれば、多少は暖かい。


そんな暖かな光を浴びながら、一人畑のある方角へと歩いていく。


以前村の住人から聞いた話では、畑の方の作物はすくすくと育っているらしい。

そんな様子を見るのを楽しみにしつつ畑へと辿り着くと、芋を植えている場所に等間隔で俺の身長程ある長さの棒が立っていた。


はて?あれは一体なんなのだろうか?

俺の知る限り、あんな風に棒を立てておく必要性は無いはずなのだが?


俺は畑仕事を手伝うロムの姿を見つけ、呼び寄せた。


「どうしたの兄さん?」


「なぁロム、ちょっと聞きたいんだが、あの等間隔で立っている棒は?」


「イモの蔓を巻くためらしいよ」


「わざわざ蔓を巻かせなくても、掘り出す前に刈り取ればいいんじゃないのか?」


「掘り出すって何を?ってか刈り取ったら折角成長したのが無駄になっちゃうじゃん」


いやいやいや、蔓はいらないんだから刈り取ってもいいだろ。

もしかしてロムは芋の事をしらないのか?


「なぁ、ロムって芋がどんな風に出来るか知ってるのか?」


「ああ、知ってるぜ、あそこに見える棒に巻いた蔓に芋の実がなるんだろ」


自分の知識を披露し、胸を張るロムの姿に俺は溜め息をこぼす。


「あのな、芋っていうのは根の部分に出来る根菜類なんだぞ」


元々農家に住んでいたわけでもない俺でも知っている、芋についての知識を説明すると、ロムはキョトンとした表情になった。


「え?何をいってるんだ兄さん、芋が地中なんかに出来るわけがないじゃないか」


そうやって、さも当然かの様に言うロム。


仕方ない、俺の話を信じないというのであれば、実際に農作業をしている他の大人から真実を聞かせてやろう。


「ちょっとまってろ、ロムが納得出来る様に他の人から説明をきかせてやるから」


俺は自分から一番近くにいる農作業をしている男を呼び寄せた。


「すまないが、このロムに芋がどうやって出来るかを説明してやってくれ」


「わかりました。いいかロム、芋と言うのは・・・」


男の説明を纏めると、芋というのは()を植え、数日で芽が出てくる。

そしてその芽が成長し、葉のついた蔓となりそれがどんどん伸びると、その蔓の途中に芋の実がなり、大きくなったところで収穫出来る、という内容だった。


話しの冒頭のという単語を訊いたところから何か引っかかるものがあったのだが、説明を聞き終えた俺は、両手を大地につけ項垂れる。


「(そうだったのか!地球と同じ作物の癖に、まさか成長過程が違うとは!異世界の常識は油断ならねぇ!)」


この世界に来た時[ここが異世界である=常識が違う事は十分にありえる]という事は分かっていた。

しかし、この世界に慣れてきた俺はソレを忘れ、自身満々にロムに芋の事を話してしまったと今後悔している。


ここは一つ、初心に戻ってこの世界の常識をもっと知るべきだと、心に刻む。


そして俺は、早速呼び出した男に、現在畑に植えてある作物の事を聞いていく。

すると、どうやらジャガイモは根菜類で俺の知っているものと同じであったのだが、玉ねぎは地上に伸びる葉の先に実をつけていくタイプだった。

葉物系に関しては、流石に俺の知るものと同じだったのだが、根菜類と思っていた幾つかだけは、葉の先に実をつけたり、また、茎の途中から生えたりと、俺の知らない不思議な成長を遂げる様だ。



次回 第72話 増築

今年も残り僅かと鳴りました。

仕事の方も追い込みの如く忙しくなるので、今年はこの71話の投稿で終わりにしようと思います。ごめんなさい!


次回は1月1日か1月2日には投稿しますので、どうか見捨てず次回をお待ちください!

では、少し早いですが良いお年を!


~追伸~

もし誤字や変な文章があった場合の訂正は、見つけ(見つけられ)次第すぐします!

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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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