第67話 水の国へのご招待?
投稿する途中で寝落ちしてしまってた!
予定の時間である2時になり、俺は集まってくれた人達の元へと向う。
集まった人々は、近づいてくる俺に気づくと、こちらに注目する。
俺はそのまま掲示板の前まで移動し、集まる人達と向かい合う。
「皆さん、今日はお集まりいただき有難うございます。
これから皆さんにはあちらで担当事に別れて面接を受けてもらいます。
そしてそれに合格した人には、温泉旅館で働いて頂く事になりますので、皆さん頑張ってください」
ここまで聞いた人達が再びざわつき始めたが、俺は説明を続ける。
「力に自信のある人はあちらに見える面接会場の一番手前の俺の所に、魔力に自信がある人はその隣にあるエルフの姉妹がいるテーブルに、料理に自信がある方は更にその奥のメイドの居るテーブルに並んで下さい。
そして、もしそこで不合格になっても、別枠としてもう一度面接を受ける事が出来ますので、そちらを希望される方は狼人族の女性とミリーエル王女の居るテーブルへ並んで下さい。
念の為に言っておきますが、もし面接に合格出来なかったからと言って、騒ぎを起こすような事だけは無い様にお願いします。
それでは皆さん、心の準備が出来た人から自分にあった担当の人の所へ移動して下さい」
説明を終え、俺はすぐさま自分の担当するテーブルへと戻り、応募者が来るのを待っていると、集まっていた人々は徐々にそれぞれの場所へと移動を始めていく。
最初に俺の元へとやって来たのはガッチリとした体格に丸い獣耳のついた男だった。
まずは自己紹介をしてもらい、その後、必要条件の3つをクリアしてるかどうかを確認して行く。
まずは4桁の簡単な計算を数問出し、それに答えていってもらい、それが終わると次は自分の名前や俺が指示した文章を聞き取りながらメモ帖に書いていってもらう。
指示した文章は「何号室の○○さんに○○を届ける」といった感じで、仕事内容に関する事である。
契約書的な物では断じて無い!
次に犯罪履歴の有無についてだが、一度捕まった者や指名手配者の名を記した控えはすべて城にあると、最終確認の時にタリアから聞いていたので、それについてはエルとレイに頼んで作ってもらう合格者リストを持って後日、纏めて調べに行く事にした。
最後に自分の出来る力仕事へのアピールをしてもらいつつ、コッソリと完全解析スキルでステータスを覗かせてもらう。
今俺の前にいる男は熊人族という種族らしく、ステータスはSTRが一般人よりも少し高めだった。
基本、町にいる一般の成人男性のレベルは1~5で、種族によってそのステータスは多少違ってくるが、LV1でのSTRは大体9前後だ。
それに比べ、この熊人族の男はLV1でSTRが15もある。
計算も文字の読み書きも出来るようだし、これはもう合格で良いだろう。
その後、次々と面接をしていくのだが、最初の男のステータスが優秀すぎて少し見劣りしてしまい合格基準に達する人はいなかった。
途中、STRは12と少し高かったのだが、VITが6しかないという体力面の残念で不合格になった者もいる。
不合格者が続く中、7人目になんと小柄な女の子がやって来た。
茶色のショートボブに黒い瞳、身長140cm程で見た目は14歳か15歳といった感じの若くて可愛いらしい女の子。
ここは力に自信が有る人の面接なので凄く場違いな感じである。
とりあえず見た目だけで判断するわけには行かないので、面接を始めることにする。
「どうぞ、椅子に座ってください」
女の子は「よろしくお願いします」といい、椅子へと座る。
「まずは自己紹介を頼めるかな?」
「私の名前はアニータ。種族はドワーフ族です」
自己紹介を聞きながら、俺はアニータと名乗る少女のステータスを完全解析スキルで覗いてみる。
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アニータ ドワーフ族♀
19歳
LV 12
HP 197
MP 35
STR 132
VIT 127
AGI 68
DEX 97
INT 81
LUK 24
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見た目に、少し幼さが残っている感じではあるが、実際は19歳で、俺と1つしか違わない。
自己紹介の後、計算や文字の読み書きを確認してみるが、まったくもって問題は無い。
ステータスもレベルが他の人より高いおかげでまったく問題は無し、これはもう合格で良いだろう。
それに可愛いしな!
その後も次々と面接をしていき、21人目にして俺の前に並ぶ列が終了し、合格者はその内の7名となった。
魔力に自信がある人の列や料理に自信のある人の列はまだ終わって居ないようだったので、少し休憩ついでにエルとレイの所へ行ってみる。
現在の所、どれくらいの合格者が居るのかを確認して見ると、力に自信がある人が7人、魔力に自信がある人が5人、料理に自信がある人が5人、雑用が7人の計24人の名前が書き記されていた。
「ミールとミリーの所はまだあんなに人が居るのに、もう7人決まっちゃってるのか」
「はい、それに比べ、タリアさんの所はもう少しで終わりそうなのに、まだ5人しか合格者が出ておりません」
「まぁ、それだけタリアさんの合格基準に入れる人が居ないんだろうな」
俺とエルとレイの3人は、次の合格者が来るのを待ちつつ、まだ並んでいる人達の方を眺めていた。
「ナツキ殿、ちょっとよいか?」
突然名前を呼ばれ振り向くと、ギルドマスターであるハスマが立っていた。
「あ、こんにちはハスマさん、どうかしましたか?」
「うむ、実は先程まで城の方に水の国からの使者が来ておってな、ワシもそこへ呼ばれておったのだ」
「なるほど、で、それをなぜ俺に?」
まぁ、ハスマがこうして俺の所に来たという事は、まず間違いなく俺に関係する話があったという事なのだろうが・・・
「それがな、水の国の使者が言うには、水の国の巫女がナツキ殿に水の国へ来て欲しいという事らしい」
水の国の巫女が俺を?一体どういう事だろうか。
「多分それって水の精霊王が水の国の巫女にナツキを呼ぶように伝えたんじゃない?」
ずっと頭の上で垂れモード状態で静かにしていたサラは、そのまま俺の頭の上にお座り状態になった。
「水の精霊王が俺を?なんでだ?」
「さぁなんでだろう?それは僕にも分からないよ」
ごもっともである。
「とにかく、そういうことでナツキ殿、明日の午後1時に城に来て欲しいとアルベルト王から伝言を預かって来たのだ」
「明日の午後1時ですか、分かりました。どの道俺もお城には用がありますしね」
「うむ、では確かに伝えたぞ」
伝言を伝え終えたハスマは、そのままギルドの方に去って行く。
俺とハスマとの話が終わる頃、タリアの方も面接が終了したらしく。俺達の所へとやってくる。
残りはノアとシアが担当する魔力に自信がある人達と、雑用係のミールとミリーの列だけとなり、俺達はそれらが終わるまでの間、面接の様子を見ながら待ち続けていた。
次回 第68話 水の国の使者と再び




