第66話 面接~その3~
昼食が用意され始めた頃、エルとレイの二人がリビングに入ってくる。。
二人は結局お昼まで寝続けていたのだ。
「おはようエル、レイ、もう大丈夫かい?」
俺のミスで二人を寝不足にさせてしまったので、確認のという意味で尋ねてみた。。
「おはようございます、と言っても、もうお昼なわけでございますが。
えっと、ぐっすり眠らせていただけたので、もう大丈夫です」
寝不足が解消されて何よりである。
まぁ、原因は俺のうっかりだったのだが・・・
エルとレイの二人がテーブルに着くと、玄関に設置されたドアベルの音が鳴る。
そして廊下とリビングを繋ぐ扉が開き、ミール、ノア、シア、ミリーの4人が部屋に入って来た。
「ただいま、ナツキ様」
「ただいま戻りました主様」
「主様、ただいま」
「ただいま、旦那様」
「お帰りミール、ノア、シア、ミリー、丁度さっき昼食の準備が始まった所だよ」
「そうでしたか、それは良かったです。私達お腹ペコペコだったんです」
ミール達も席に着き、昼食の準備が出来るまでの間、皆で他愛の無い話をしていた。
昼食が目の前に並び、皆が席に着くと昼食が始まった。
俺、エル、レイの3人はいつも通りだが、ミール、ノア、シア、ミリーの4人は、よっぽどお腹が空いていたのか、いつもより食べるスピードが速かった気もする。
食事が終わると、アルカ、ココ、サティア、エマルの4人に片付けを頼み、ククリには残った全員に紅茶を淹れて貰う。
テーブルに座っている全員に紅茶が行き届いた後、エルとレイの二人にも合格者の名簿作りを頼むと、二人は快く引き受けてくれた。
その後、面接の事について、皆で最終確認していき、気がつくと時計の針が1時を指していた。
「それじゃそろそろ出発しようか」
少し冷めてしまった残りの紅茶を飲み干し席を立つ。
ふと視界に、自分の寝床でスヤスヤと眠り続けるサラが見えたので、一緒に連れて行く事にした。
「サラ、コレから王都に行くぞ、おきろ~」
「ふわぁ~~」と大きく欠伸をしながら起き上がると、パタパタと飛んで俺の頭へと着地し、垂れモードになったと思いきやムニャムニャと再び眠り始めてしまう。
コレはコレで可愛いので、今日のところは落とさないように気をつけ、このまま連れて行くとしよう。
玄関で靴を履き、外に集まってから王都の元ククリの家へと転移する。
元ククリの家に到着すると、中央広場に向う前に,まず面接時に必要なる物を造っていく。
俺はアイテムボックスから材料である木を取り出し、それらで椅子やテーブル、そして隣同士を仕切る為の板を造っていき、完成した物を一度アイテムボックスの中へと仕舞っておく。
これらの作業は5分もしないうちに終わり、俺達は中央広場へと移動を始めた。
人気の無い裏路地を約5分程歩き中央広場へと抜けると、掲示板の前には沢山の人だかりが出来ていた。
ざっと80人位は居そうだ。
「タリアさん、もしかしてあの人達全員かな?」
「ほぼ間違いなく、あそこにいる全ての人があの募集広告を見て集まった人だと思われます」
俺の予想では30人位だと思っていたのだが、実際にはその上を遥かに越えていた。
「凄い人数ですねナツキ様」
「ああ、まさかこんなに集まってもらえるとは思っていなかったよ」
俺やミールだけではなく、他の嫁達も集まった人達を見て驚いていた。
ただ一人、レイだけは「マスターの書いた募集なのですから当然です」と言っていた。
それを聞いた俺は、心の中で「俺が書いたからって言うのだけじゃ無理だぞ」とツッコミを入れていると、タリアがコレだけの人数が集まってくれた理由を話始めた。
「御主人様の提示した給与は高く、それに対して必要条件が特に厳しくないので、あの数でもまだ少ない方だと思いますが」
「給料設定はそんなに高くしたつもりは無かったんだけどなぁ」
従業員達の分の給料位なら、ちょっと頑張って狩りをし、その素材を売ればすぐに稼げるレベルで設定したつもりだったのだが、タリアに言わせると十分高いものらしい。
「因みに一般の人達が働いてもらえる給料ってどれくらいなの?」
「仕事内容にもよりますが、例えば一般人の人達が利用するお店で働いたとするならば、大体月500コル、多くても700コル程だと思われます。
なるほど、確かにそれだと俺の提示している額は破格の条件となる。
しかも能力給が付けば、最低でも1000コルはあるのだからかなりおいしい仕事と言えるだろう。
「もしあの時、集合の日を数日後にしてたら、これ以上の人が集まったのかな?」
「間違いなくあの人数より多くなっていたと思われます」
「そっか、そうなると流石に大変な事になりそうだったな、アドバイスありがとう、タリアさん」
「いえ、お役に立てて何よりです」
「それじゃそろそろ面接会場の準備を始めようか」
俺達は掲示板から少し離れた場所に移動し、アイテムボックスから先程作った椅子やテーブルを取り出し、それらを横に並べる様に配置していく。
そしてテーブルとテーブルの間には仕切りの板を挟んでいき、テーブル一つ一つに、風の魔法による音漏れを防止するフィールドを展開させる。
これで今日の面接会場は出来上がりである。
面接開始まで残り約30分
皆には頭の中で面接の流れを練習しながら待機してもらうことにする。
次回 第67話 水の国へのご招待?




