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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第60話 準備

「ナツキ様!こっちに沢山生えてますよ」


「おう!けどこっちもまだ結構あるから、そっちのはミールとレイの二人で頼む!」


「はーい」

「お任せください」



水の国の使者の御一行と別れた後、人型に変身していたレイと合流した俺達は龍カゴを片付けた後、本来の目的であるアツナメ草を求め、山の中腹にある森を探索していた。

そして探索を始めてから10分程経った頃、俺達はアツナメ草が群生する場所を見つけ採取していた。


採取を始めて5分経った頃、俺の周りにあったアツナメ草を採り終わったのだが、レイとミールの二人は未だ採取中のようだ。

コッチで見つけたのより量が多かったのだろう。

俺は二人のもとへと向い、手伝う事にする。


3人で他愛のない会話をしながらも採取し続ける事数分、十分だとだと思われる量が採れたのでそろそろ戻るとしよう。


「それじゃそろそろ城に戻ろっか、レイ頼むわ」


「お任せください」


そう答えたレイの身体が光に包まれ、その姿を変えていく。

俺もアイテムボックスから龍カゴを取り出し、それをレイが首から下げたところで、俺達も龍カゴに乗り込んだところで帰路についた。



帰りは、行きよりもゆっくりと飛んでもらうが、それでも15分程で王都上空まで戻って来た。


「レイ、このままお城の方へ向かってくれ」


「分かりました」


俺の指示に従い、レイは王都上空を通り真っ直ぐにお城の方へ向かう。

町の人々がノワールドラゴン(レイ)の姿を目にすることになるが、すでに王都や近辺の村にはレイという存在の事は伝わっているのでたいして騒ぎになってはいない様だ。




「お帰りなさい旦那様」

「お帰りなさいませ主様」

「おかえり~主様」


「お帰りなさいませ、なつき様」


「お帰りなさいませ、御主人様」


中庭に降りた俺達は、ドラゴンの姿を間近に見ようと集まって来た兵士たちと挨拶を交わしながら城の入り口の方に回り込むと、ノア、シア、ミリーの3人に続くように、エルとタリアも出迎えてくれる。


「ただいま、ミリーは両親と話しは出来たか?それに求人の件はどうだった?」


「はい!先程までお父様達と紅茶を頂きながらお話してしました。

ただ、お話の内容のほとんどが子供はまだか?と煩かったですけど。

あ、あと求人の件については直接旦那様とお話ししたいそうですよ?」


「わかった。それと子供の件についてはある程度落ち着いて、そしてミリーの心の準備が出来た時にな」


軽く笑い流しながらも、俺はミリーの頭を撫でてやる。

いつもなら撫でられていると嬉しそうな表情をするのだが、なぜか今回は何か引っかかる物があるといった様な表情だ。


そしてその引っかかりの正体に気づいたのか、ミリーは俺の耳元で囁き始める。


「あの、旦那様に愛してもらっている限り、いつ子供が出来てもおかしくないと思っていましたが、先程の旦那様の言葉だと、今は子供が出来ないようになってるって事になりますよね?」


ミリーの質問の内容を聞き、これを機に他の嫁である皆にもサラから受け取ったスキルとその内容について話そうと思い、嫁である4人と、今後そこに加わるはずであるエルを連れ、ミリーの自室へと向かう事にした。

部屋に向かう途中、後から追いかけてきたレイも共に部屋に入り、俺はミリーのベッドに腰かけた。


「さてと、さっきミリーから質問があったから、これを機に皆にもその事を話そうと思う」


「あのナツキ様?その事っていうのは?」


「ミールやノアとシアは兎も角、俺と同じ人族であるミリーが今日まで俺と行為を続けてきたわけだが、実は今までのように抱いていたとしても、子供は絶対に出来る事は無いんだ」


この言葉に、ミール、ノア、シア、エル、レイの5人は驚き、その理由を考え始めた。

そのまま考えたところで正解には辿り着くことはないだろうと、俺は説明を始める。


「ミール、ノア、シア、ミリーは覚えてるだろ?ダークドラゴンを倒した後、魔力を使い切って倒れた俺はこの城の一室に運ばれた時のことを」


「マスター、ダークドラゴンという種族を私はしらないのですが?」


「あ~それは後でまた説明してあげる」


レイの質問に答えていては話がそれてしまうので、一先ず後でと約束し、話を続けた。

あの時サラから聞き、その後に受け取ったスキルの事を。



説明を聞き終ると、何時でも子供を作る事が出来ると知った6人(・・)は一斉に俺に飛びつき、俺は布団の上へと押し倒された。


まさかレイまで俺との子供を欲しがるとは・・・

そもそも人の姿に変身しているとはいっても相手は純粋なドラゴン種、子供なんて出来るのだろうか?


俺がそんな疑問に頭を悩ませていると、俺の上から離れた6人は、俺を挟むようにベッドの縁に腰かける。

俺の左側にミールが、そしてその向こう側にノア、シアと座り、俺の右側にはミリーが座りその向こうにエル、レイといった配置だ。


そんな俺を中心に挟むように座った6人は、誰が最初に子供を作るかと相談し始めた。


「あ~、相談するのはいいが、今はまだ作らないからな?もう一度言っておくが、オルリア村の発展が落ち着いてからだぞ?」


念のため注意をするが、「はーい」と声をそろえて答えた女性陣は、尚も相談を続けている。

まだはっきりと嫁になると返事をもらっていないエルも楽しそうに会話に交じっている。


この様子だと、ここにいる全員…といってもレイに至っては出来るかどうか分からないのだが、そう遠くない未来には皆子供を宿す事になるだろう。



相談は30分に渡り続き、ようやく順番も決まったところで、俺達はベッドから立ち上がりミリーの自室を出る。

ミリーの部屋を出ると、そこにはタリアが控えており、求人の件について聞くためアルベルト王の元へと向かった。


向かう道中、子供を作るにあたり必要となる準備について、気が早いと思いつつも考えていた。


次回 第61話 ギルド支部



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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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