第58話 変わり始めるオルリア村
途中、グダグダになったところを消した結果凄く短くなってしまいました。
しかも、その結果タイトルと違うようになってしまったので、今回またまたタイトルを変えさせてもらいました。
ホントすみません!
1月18日追記
ハキムとエイラとサリーの家族の設定が、商売経験者の家族となっていたので訂正しました。
現在この村には、俺を除き大人と子供合わせて32人に加え、火の精霊王のサラ、そして俺の配下となった、ノーブルドラゴンのレイの2頭が暮らしている。
時刻は夕方の4時、我が家の前にその32人と2頭に集まっていた。
大人達は静かに俺の方を見ており、子供達は何だろ?といった感じの表情だ。
「皆さん、集まってもらってすまない、実は今朝この村の近くで温泉が出るという情報があり、俺とサラの二人でその地に温泉旅館、つまり温泉つきの宿を作ってきました」
これを聞いた村人達は「流石ナツキ様だ!」だの「たった半日で旅館を!?」等とざわついているが、俺は話を続ける。
「そこで、皆さんの中から数名、その旅館の方で明日から働いてもらいたいと思いますので、今から指名する人は前に出てください」
そう言って俺は村の住人の中から女性4名と男性2人をそして指名し、前に出てきてもらう。
指名したのはハキムとエイラ、そしてその子供のサリーの一家族に、元兵士の男性、それから元冒険者の女性二人の計6人だ。
「以上です、それでは指名した皆さんには後で話しますので、あちらに集まっておいてください」
指名した6人には横に避けてもらい、先に残った人達に向け別の用件を伝える。
「指名されて居ない皆さんには、畑で新しく育てて欲しいモノがありますので、そちらをお願いしようと思います」
俺はアイテムボックスの中から、あの沼地で手に居れた稲を取り出した。
「その育てて欲しいというのはこちらの植物ですが、育て方を知っている人っていたりしますか?」
米というものが知られて居ないこの世界だが、この植物が存在するという事は知られて居るので一応聞いてみたのだが、やはり誰も知らなかった。
そこで俺は、ミール達にも話したように、その栽培方法や食べ方を一通り説明する。
流石に一度の説明では全てを理解する事が出来そうも無かったので、近い内に栽培方法などの説明を書いた物を用意すると伝え、とりあえず明日から稲を植える為の田んぼを作り始めてくれとお願いしておいた。
「というわけで、子供達も畑で大人達の手伝いをしてくれ」
先程まで農作業の話しでつまらなさそうにしていた子供達だが、俺がお願いしてみると、皆が「はーい」と良い返事をしてくれた。
良い子達ばかりで助かる。
「ロム、お前も暫く畑で作業しながら子供達の面倒を見てやってくれ」
「わかったよ兄さん」
ロムも俺の所有奴隷となっているのだが、普段は孤児院で子供達に文字を教えたり、遊ぶ時に危ない事をしないかと見張りをしたりしている。
要は面倒を見ていたのだ。
因みにロムはココに来て数日の間、空いた時間にタリアからみっちりと文字や計算の勉強をしていた。
「では以上で皆さんへのお話は終わりですので、最初に指名した6人以外は解散してください」
村人達は皆と家へと戻って行き、この場には俺と指名した6人だけとなった。
ミール達も残ろうとしていたが、明日からの事を簡単に説明するだけなので、先に家に戻ってもらう事にした。
「さて、お待たせしました。それでは貴方達の役割なのですが・・・」
その後それぞれに役割を伝えて行く。
元兵士の男には旅館に作った門の前での警備を、元冒険者の女性二人には旅館内の警備を任せる。
次に、ハキムには旅館の運営を任せ、その妻であるエイラには従業員となってもらう。
二人の子供であるサリーちゃんは、まだ6歳ではあるのだが、結構しっかり者なのでお母さんのお手伝いをお願いしておいた。
もちろん子供が出来るような簡単な事限定でだ。
「皆さんの家を旅館の近くに造っておきますので、明日からはそっちで生活して頂きます。
皆さんの荷物の運搬もこちらでやっておきますので、安心してください。
何か質問はありますか?」
それぞれ質問が無いかと考えていたようだが、少しの間待っていても質問が出てこなかったのでまた聞きたい事が出来た時にまた言ってくれと伝え、この場は解散となった。
明日は王都で従業員の募集やら買出しやらしなければと考えながら、俺も我が家へと戻った。
次回 第59話 水の国の使者




