第55話 サラとの交渉
1日の内の殆どを眠って過ごすのは何時振りだろうか?
サラを抱き枕にして眠っていた俺が目覚めたのは、20時を過ぎた頃だった。
腕の中にいたサラは、いつの間にか人化をやめ、いつもの子犬サイズのドラゴンの姿で俺の腕に顎を乗せ眠っていた。
サラの顎のしたからゆっくりと腕を引き抜き、ベッドから身体を起こして大きく伸びをしていると、眠っていたサラも目を冷ましたようだ。
「なつき~おはよ~」
まだ若干寝ぼけている様だが・・・
「今は夜の8時だ、おはようって時間じゃないぞ」
「あれ、そうなのぉ?ふわぁ~~」
大きく欠伸をしたサラはムニャムニャと言いながら前足で目を擦っている。
こう見ていると、ホントに可愛いらしいものだ。
「とりあえず腹減ったし、リビングにいくぞ」
「ん」
サラはそれだけ言うと|俺の頭の上で垂れモード《いつもの場所でいつもの様に》になり、俺達二人はリビングへと向う。
リビングの扉を開くと、そこにはロムと孤児院に住んでいる、孤児の男の子が二人がリビングの床に座って暇そうにしていた。
「あれ?お前達どうしたんだ?」
「この家の兄さん以外の人と孤児院に住まわせてもらっている女の子達が今風呂に入ってるんだ、それでその間俺達はこうしてここで皆出てくるの待ってるってわけ」
「へぇ、それじゃ皆が出たら、俺達も一緒に入るか」
「うん!」
皆が出るまでの間に、空腹を訴える腹に何かを入れようと、ロム達を置いて俺は調理場へと入る。
調理場にはパンと干し肉があり、それでサンドイッチを作る事にした。
作り方は簡単、干し肉を火の魔法を極限まで加減した火力で炙り、それをパンで挟むだけ!
では、いただきます!
んぐんぐんぐ・・・うまい!・・・が、タリアがよく作ってくれていたサンドイッチには程遠い味だ。
一体何が足りないのだろうか?
今度作り方教えてもらうとしよう。
当然サンドイッチ一つでは足りず、もう一つ同じように作りって食べる。
多少腹を満たす事が出来た俺がリビングへ戻ると、俺とほぼ同じタイミングで、風呂から出てきた女性達がリビングへと戻ってきた。
「あ、ナツキ様!起きていたんですね」
リビングに最初に入ってきたミールがそう言うと、ミールの後ろからシアが除かせる。
「ホントだ、主様ようやく起きたんだね」
「ああ、そんなに寝るつもりは無かったんだがな、気づいたらこんな時間だった。
おかげで夜が寝られないかもしれないな」
冗談混じりに言うと、悲しそうな表情をしたミリーが俺の所までやってきて、俺の耳元で囁く。
「今夜、やっと私の番なのにお預けなんですか?」
心配と悲しさが入り混じった声にドキッとした俺は、きっとSっ気があるのだろう。
いや、今はそんな事よりもミリーのフォローをしなければ!
俺はミリーの耳元に近づき、優しく囁く。
「夜寝れないなら、その間ずっとミリーを可愛がってやる」
ミリーは顔を赤らめ、右手を口元に、そして左手は胸元の服を握りしめて、身体はモジモジとさせている。
取りあえずこの様子だと、安心してもらえただろう。
「さて、それじゃ次は俺とロム達で風呂に入るか」
「おう!」
「「お~」」
ロム達の返事を聞くと、俺はミリーの耳元で再び囁く。
「それじゃ風呂行って来るから、後でな」
「はい」
それだけを伝え、俺はロム達を連れリビングから出る、そして脱衣所に入った俺達は服を脱ぎ、そのまま風呂場へと入って行く。
「お前達、まずは掛け湯、そして先に身体をあらえよ」
「「「はーい」」」
洗い場に座った俺達4人は、各自自分の身体を洗っていく。
そして手の届かない背中は、ペアとなって洗い合う。
俺のペアはもちろんロムだ。
そうしてお互いが洗い終わると、お湯で洗い流し、湯船に浸かり身体を温める。
十分に温まった俺達は、風呂から上がるとリビングへと戻る。
そこへタリアが飲み水を用意してくれたので、俺達4人はそれをグイッと飲み干し喉を潤した。
時間は夜の9時半、子供はもう寝る時間だ。
子供達を連れロムは孤児院へ戻っていく。
個人は我が家からすぐ近くにあるから孤児院に戻るまでに何か起こる事はありえないのだが、一応玄関の外まで出て、ロム達が孤児院へと入っていくのを見届けておく。
当たり前なのだが、無事に入った事を確認すると、俺はリビングにいるメイド達に今日はもう休んで良いからと伝え、自室へと向う。
自室に入る為、まずは嫁達の寝室へと入るのだが、そこにはミリーの姿は無かった。
つまり、もう俺の部屋にいるという事だろう。
とりあえず寝室にいる嫁達に「おやすみ」ち一言伝えて、自室へと入ると、ベットでミリーが座って待っていた。
「おまたせミリー」
「今夜はたっぷり可愛がってくださいね旦那様」
一日中眠っていたおかげでまったく眠気を感じていなかった俺は、その夜、甘えて来るミリーが気を失うまで可愛がり続けたのであった。
翌朝
ペチペチと柔らかな感触で頬を叩かれ、俺は目を冷ました。
目を開けると、目の前にはちょこんと座っているサラがいた。
どうやらあの柔らかな感触は肉きゅうだったのだろう。
俺は大きく欠伸をした俺は、俺の睡眠を邪魔した目の前のペットのような存在に問う。
「こんな朝から何の用だ?」
「おはようナツキ、今日はついてきて欲しいところがあるんだ」
昨日サラが言っていた件の事らしいのだが、現在、時計の針は6時半の所を指している。
なにもこんな時間に起さなくてもいいんじゃないだろうか?
俺の隣では未だにミリーがスヤスヤと眠っている。
そんなミリーを起こさぬよう、そっと布団から抜け出し、服を着て出かける準備をする。
着替えが終わると、アイテムボックスからメモ帖を取り出し、その中の一枚を破り、起きたミリーへの伝言を残す。
「それじゃナツキ、目的地までテレポートでいくよ?」
「わかった」
サラが俺の頭に乗ると、目の前の風景が自室から森の中へと一瞬にして変わる。
どうやらここがサラの言う目的地らしい。
「で?ここは何処なんだ?」
「ナツキ、その前に一つ取引をしようよ」
「取引?」
一体サラは俺と何の取引をするつもりなのだろうか?
「ナツキのメモ帖にある僕のポイントを無くしてくれるなら、オルリア村を発展させる事の出来る情報を提供してあげる」
ポイント?もしかしてお仕置きポイントの事だろうか?
もしそうだとするなら、何故サラがそれの事を知っているんだ?
「内容にもよっては無くしてやるが、その前に何でサラがその事を知っているんだ?
|お仕置きポイントを書いたメモ《アレ》は俺のアイテムボックスの中に入れているんだぞ?」
書いているところも、書いた内容についても、誰にも見せていないのに何故だ
そんな俺の疑問に、サラはさも当然のように答える。
「前にも行ったじゃないか、僕はナツキと同じスキルが使えるようになってるって、つまり、ナツキのアイテムボックスの中身は僕も取り出せって事」
「え!?アイテムボックスの中身ってサラもだせたのか!」
確かに俺と同じスキルが使える用になったのは聞いていたが、まさかアイテムボックスが俺とサラが共有状態になっていたとは思わなかった。
という事は今後秘密を書いたメモ帖はどこか別の所に隠すようにしなければ。
「ふふ~ん、で、どうする?僕の話しを聞く?」
いつの間にか俺の頭上から離れていたサラは、俺の目の前でパタパタと飛びながらも、両方の前足を腰に当て、ドン!と胸を張りながら聞いてくる。
そんなサラの姿にイラッと来る。
「さっきも言ったが、内容によるな」
俺の返事に、サラは胸を張った状態のまま、首を傾げて少し考え込む。
そして、5秒ほどして、再び胸を張りなおした。
「分かった、ナツキならこの話しを聞いたら、きっとポイントを消さざるを得ない位に喜ぶはずだしね!」
「それほど自信のある情報なのか」
「うん!!とりあえず、こっちについて来て」
サラはパタパタと飛び始め、俺はその後を追って、森の先へと進んでいく。
次回 第56話 罰を言い渡す!
ゲームを始めてしまうと、作業が進まない!
もっとゲームの時間と執筆の時間をちゃんと決めてやらないと!




