第52話 お義父さん
投稿が遅くなり、申し訳ありません。
更に、かってながら51話での次回予告のタイトルを変更させてもらいました。
理由としましては、このまま書き続けていると、更に投稿が遅くなると判断したためです。
そして、読者の方からの誤字の報告がありましたので、それらを訂正しました。
報告有難うございました。
オルリア村を出発して暫くし、大空からの景色を楽しみながら王都近くの上空までやってくると、そこからさらに南へと向う。
ミールの故郷であるエープ村は、王都から馬車で1日の距離なのだが、今俺達を運んでくれているレイの飛行能力にかかれば、そんな距離も2時間もかからなかった。
通常、馬車の移動は道の状況や天候によりばらつきはあるものの、平均時速は約13kmで、途中休憩を入れても一日の移動距離は大体100kmほど。
しかし、レイはその数倍の速度で大空を飛んでいるのだ。
たまに、スカイファウルという見た目が全長1m程ある大きな鶏のモンスターが飛んでいたりするのだが、ノーブルドラゴンであるレイを見るなり一目散に逃げていく。
ってか鶏の癖に空とか飛んでちゃダメでしょ!
いやまぁ、異世界に俺の常識を当てはめるのもなんだけどさ・・・
因みに、逃げ出す前に見たスカイファウルのステータスはこんな感じだった。
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スカイファウル
LV 4
HP 46
MP 0
STR 29
VIT 27
AGI 30
INT 4
DEX 16
LUK 4
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今、村の約150m程上空に居る俺達が目にしているのは、広がる草原の中に幅5m程の川があり、その近くで石材の壁に囲われた8軒の建物がある村だ。
ココには視界を遮るものは何も無く、村側からも上空にいるレイの姿は当然見えている。
おかげで村人達は腰を抜かしていたり、悲鳴を上げながら逃げ惑っていたりと騒ぎになっている。
「ミールさん、ここがミールさんの故郷で間違いないんですよね?」
「はい、ここで合っていますよ」
レイはミールに確認を取ると、騒ぐ村人達を気にする事無く村のすぐ傍へと着地する。
龍カゴが地に着き、俺達は龍カゴの中から降りていく。
全員が降りた後、とりあえず龍カゴをアイテムボックスへ収納し、村の方へと振り返ると、そこには門の所からこちらを見ている村人達が居た。
「お騒がせしてすみません、こちらのドラゴンは無害なのでご安心ください」
突然のドラゴンに乗っての来訪により、騒ぎになった事を謝罪をしていると、こちらを見ていた一人の村人が俺達へと駆け寄って来た。
「ミール?」
「お義父さん!」
ミールがお義父さんと呼ぶ男は、普通の人族で、見た目に優しそうな表情をし、ちょっと小太りな中年男性だった。
「ミールが居るという事は、こちらの青年がミールの主か?」
お義父さんと呼ばれる男性は、俺の方を向き、ジッと見ている。
「こちらは、私の御主人様であり、そ、その、だ、旦那様でもあるナツキ様です」
「旦那様!?」
俺の横に立ち、少し恥らうように俺の紹介をするミールの一言に反応する男性
「そしてこちらが私を育ててくれた、お義父さん」
「ドトルと申します、ささっ、こんなところで立ち話もなんですので、我が家へどうぞ」
そう言って俺達は村の中へと入ろうとしたのだが、俺達についてこようと、レイが人の姿へ変身したのを、門の所からこちらを見ていた村人達が目撃し、驚いていた。
俺は驚いている村人達に、レイの擬人化は火の精霊王であるサラと契約した事で、配下になったモンスターが出来る様になった、という風に嘘の説明をする。
以前、サラが精霊王と契約出来る人間なんて居ないと言っていたので、ばれる事は無いだろう。
そんなこんなで、門の前で一騒ぎ起こった後、ドトルに案内され、俺達は村の一番奥にあった家へとやって来た。
目の前にある木造の建物は、二人で住んでいたと言うには、少し大きめの家だった。
横開きに戸を開けると、左側にはテーブルがあるだけの6畳ほどのスペースがあり、右側には4畳程の調理場があった。
まるでテレビで見ていた江戸時代のような家の造りだ。
そして部屋の奥には扉が二つ、多分あのどちらかがミールの暮らしていた部屋なのだろう。
「どうぞ、入ってそちらにお掛けください」
ドトルに促され、俺はテーブルの傍に腰を降ろすと、ミールは調理場へと向う。
他の嫁達とレイは俺の後で横並びに座り、俺の頭から降ろしたサラはミリーに抱かれ眠っている。
テーブルを挟みドトルが腰掛けると、調理場から戻ってきたミールは、俺とドトルの二人の前に飲み水の入ったコップを置き、俺の隣の座る。
「さて、先程ミールが言っていた、主であり旦那様と言うのは・・・?」
ドトルの質問に、俺はミールとの出会いから今日までの事を掻い摘んで説明する。
もちろん俺の秘密に関する事や、それに繋がる事は避けてだ。
・・・・
・・・
・・
「そうでしたか。ミール、私はお前が良い旦那様と出会え、今が幸せそうで私は安心だ、これからも旦那様を大事にな」
「はい!お義父さん」
話しが一区切りし、ふと窓の外を見ると空が夕焼け色となっていた。
「さて、そろそろ暗くなってくるので、俺達は帰るとしましょう」
「おや、もうそんな時間でしたか、何も無いところですが泊まって言ってはいかがでしょう?」
「すみません、家に居る者が帰らないと心配するといけないので、折角ですが今日の所は帰ります。
また今度、ミールと一緒にきますので、その時にでもゆっくりさせて下さい」
「そうですか、分かりました」
そう言って俺達は立ち上がり家を出る、一緒に出てきたドトルに見送られ、俺達は村の門までやってくると、丁度そこへ王都で出会ったバームが戻ってきていた。
「ナツキ様!?それにミールちゃんと他の方々まで!?」
王都で別れ、急ぎこの村へと向っていたバームより早く来ていた俺達を見て驚いている。
「いったいどうやって俺より早く村に?というか大丈夫だったのか?」
「大丈夫って何がです?」
何がと聞き返すミールに、バームはココに戻る途中、上空を過ぎ去っていくドラゴンを見たと言う。
「すみません、それは俺達です」
「へ?」
呆気にとられているバームを残し、俺はレイに向いお願いする。
「レイ、帰る準備を頼むよ」
「はい、マイマスター」
答えるレイは、門の外へと歩き、その姿をドラゴンへ変化させ、それを見て驚くバームは、その場で腰を抜かしてしまう。
俺は、そんなバームにレイの変身出来る事について説明する。
もちろん、ドトルに話したように嘘の内容の方だ。
「さ、さすが王都で噂になったナツキ様だ」
一体バームは王都でどんな噂を聞いたのだろうか?
少し気になるが、これ以上話をしていたら家に着くのが遅くなってしまうので、止めておこう。
遅くなるのならばテレポートを使えばいいのでは?と思われそうだが、この場で使う事は出来ない。
ただでさえ隠れる場所も、姿を遮る物も無いのに加え、バームにレイの説明をしていると中から段々と集まってきた村人達が門の前まで見送りに来てくれているからだ。
それに、ココからオルリア村まで全員を連れて転移するほどの魔力量はない、せめて王都付近まで戻ってからでなければならない。
「それじゃ帰ろうか」
俺はアイテムボックスから龍カゴを取り出し、レイの首から提げてもらい、俺達は龍カゴへと乗りこんだ。
レイは俺達が乗ったのを確認すると、ゆっくり空へ上がっていく。
「皆さん、お元気で~」
籠から身を乗り出し、見送りに来てくれている人達に手を振るミール
それに答える村人達から「またいつでもこいよ~」等という返事が帰ってきている。
このエープ村に住む村人は、ミールの話しでも聞いていた通り、優しい人達なんだなと思いながら、手を振ってくれている村人達を眺めていた。
村人達の姿がハッキリと見えない高さに到達した後、レイに王都付近までで良いと伝えると、行きの時より早い時間で王都付近へと辿り着いた。
この距離ならば家までテレポートを使う事が可能なので、近くの降りられそうな場所を見つけそこへと降りてもらう。
地面に降りると、レイには人の姿に変身してもらい、俺は龍カゴをアイテムボックスへと片づける。
辺りはもう暗くなっているのだが、念のため回りに人がいないかを探知スキルで確かめ、俺達は我が家へと転移した。
次回 第53話 ミールのお礼
気づけばこの作品の総合評価が1200越えていました。
これがどのレベルなのか分かりませんが、個人的にはかなり嬉しいです。
みなさん本当に有難うございます!
誤字訂正に戻った時、ちらりと見えたのですが、ブックマーク数が500ピッタリになってた!




