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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第4.5話 ミールのご主人様

今回は短いです

依頼を終えてて王都へと買える途中、森の中を流れる小川を見つけ、休憩する事にした。


「なぁミール、ちょっと聞いていいかな?」


「なんですか?」


小川で武器に付いたボアの血を洗い流していたミールだが、その手を止めてこちらを向く


「いやな、ミールってなんで奴隷になったのかなぁ~って、しかも奴隷ランクCも選べるようになってたみたいだし……

あ!でも無理には話さなくてもいいよ!?」


「いえ、大丈夫です、あれはナツキ様に買って頂く一月ほど前の事です・・・・」


そう言いながら、ミールは武器の手入れを再び始めた





--- ミール視点 ---



私の育った村は王都の南に馬車で1日ほどの所にある、エープという小さな村です

村には20人ほどしか住んでいませんが、そこに住む人達は皆裕福とはいえないけど、食べる物には困るらない程度で、それなりに幸せに過ごしていました。

私はその頃両親を幼い内になくし、村の長の元で本当の娘のように育てて頂いていました。

そんなある日の事、その日は一日雨が降り続き、夜になる頃にはさらに雨が酷くなってきたのです。 

そして村の人達が眠り始めた頃、村から少し離れた川の上流の方からのすごい音で私を含む村人の皆が起き、川の方へと行ってみると、

そこにあったはずの村の皆で大切に育てていた畑があふれ出た川に流され、作物がすべてダメになってしまいました。


次の日、村の皆が集まりこれからどうするかを話し合いました、幸い畑に植える種は無事でしたので、畑はまた作ればいいだけですが、

問題はその作物が再び育つまでの事です。

村にも少しくらいは蓄えがありましたが、それでは到底足りません、かといってどこかからお金を借りようとも、私達の様な小さな村では返せる当てもなく、

結局考えても答えは出ませんでした。

いえ、もしかしたら多分、何人かの人はその事に気づいていたのかもしれませんが、誰もソレを口にはしません。

ですが、その方法なら村の皆を助ける事が出来るはずなのです、だから私は誰も口にしなかったソレを提案しました。


「私を奴隷として売って村を助けるためのお金を作ってください」


その時(お義父さん)に怒られちゃいましたが、私一人を売れば村を救う事が可能になるのです。

それにその~、自分で言うのもなんですが、この村では私が一番高く売れると思っていました。

なので私は皆さんにお願いをしたのです。


「私は幼い内に両親を失いました、ですが、そんな私を今日まで本当の娘のように育ててくれたお義父さんや、私に優しくしてくれた村の皆さんにとても感謝しています、だから私に恩返しをさせてください」


これを聞いた村の皆さんや(お義父さん)も最初は反対してくれてましたけど、他に方法が思い付かなかった事や、私には本当の両親がもういない事もあり

説得を続けた結果、村に週に1度やってくる商人に王都の奴隷商へ手紙を届けてもらい、更にその2日後、奴隷商のドルトルさんが護衛の冒険者を連れて村へやって来たのです。


その時に私は直接ドルトルさんにお願いして、お客さまの要望次第では奴隷ランクCに、つまり性奴隷にもなる事を了承し、元より少し高く買いとって貰えました。


その後村の皆さん、それに今まで育ててくれた(お義父さん)とお別れをし、私はドルトルさんが用意していた奴隷用の服へ着替えた後、馬車の荷台にある檻の中に入り、護衛の人達に守られながら王都へと出発したのです。

ですが、村をでて暫く進んだ頃、檻の中でこれから自分はどうなるんだろうと考えていると、今まで平気だったはずなのに段々と怖くなり、私は静かに泣いてました。


すると急に荷台の外が騒がしくなり、どうしたのかと思った瞬間、突如何かにぶつかったような衝撃があり、馬車の荷台が倒れ、檻の中に居た私は体叩きつけられ動けなくなっていたのですが、その時にようやく、騒ぎの原因が解りました、私達はゴブリンの群れに襲われていたようです。

本来ゴブリン自体はそれほど強くないのですが、この時は数が多すぎました、しかし護衛の人も冒険者としてそれなりに強い人だったようです。

飛びかかるゴブリン達を剣で切り伏せ、次々と倒して行きました、しかしその時、私は辺り一面血の匂いがしていたのと、その冒険者の方ばかり見ていて自分の背後にいたゴブリンに気づいていませんでした。

私はその背後に居たゴブリンに切りつけられ、左腕に大きな傷が出来てしまったのです。


なんとかゴブリンの集団を倒し、私はドルトルさんの簡易的な治療をしてもらい、痛みと傷口は治ったのですが、左腕を動かす事は出来なくなってしまっていました。


その後、倒れていた馬車を起こし、私達は王都へとようやく辿り着けたのですが

護衛の人は私が傷ついてしまった事により、依頼は失敗扱いになり、下がってしまった私の価値と村で支払ったお金の差額が請求されたそうです。


ドルトルさんのお店に着いてから3週間経ち、私は奴隷としての知識とマナーを学び終えた所で私はナツキ様と出会う事ができたのです。



・・・・

・・・

・・


ナツキ様と向かい合うように座り、出会うまでの経緯を話し終えた私に

「よし、それじゃ今度そのエープって村に行こうか」と言ってくれた。


ああ、この方は私をどこまで幸せにしてくれるおつもりなのでしょうか?

ナツキ様と出会ってから今日でまだ2日目だというのに、私はどうしようもないほどナツキ様の事が好きになってしまっている。


私を買って下さったナツキ様は、私を奴隷ランクCではなく奴隷ランクBで登録しました。

その時私は左腕が仕えないのに何で戦闘用奴隷にしたのだろうと思っていましたが、聞く事など出来ませんでした、そしてそのままわたしはドルトルさんの店をでるたあと、道具屋でナツキ様が幾つかのアイテムを買っていました。


そして次に向ったのは服屋さんでした、あろうことか、ナツキ様は奴隷である私に服を買ってくださりました、しかも古着ではなく新品の綺麗な物をです。


平民の身分でも古着を買うのが普通なのに、それ以下の奴隷の私に新品の物って・・・私奴隷になってからのほうが元の暮らし以上のすごい生活をしてしまってます!

ですが、この時の私はこれだけの扱いをしてくれるのは何か裏があるんじゃないのかなって・・・


しかしそんな風に疑っていた私はその日の夕方、宿に戻り、ナツキ様の行動に、私はナツキ様を疑っていた自分を叱りたくなりました。


ナツキ様に言われ、服を脱いでベッドにうつ伏せになりました、表面上堂々とはしてましたが、内心はすごく恥ずかしかったですがナツキ様には秘密にしておこう。


その後ナツキ様は私の傍にくると、自分の傍には道具屋でかったマジックポーションを並べると、ナツキ様のが治療を始めてくれたのです、しかもMPがつきそうになるとマジックポーションをのみほし、さらに

また治療を続けるを繰り返し、マジックポーションの5本目を飲む前に、私の左腕は再び動かせるようになったのです!


無茶な治療をしてまで私の腕を治してくれた姿に、私はナツキ様への感謝してもしきれません!

治療が終わり、ナツキ様が落ち着いたところで、私はナツキ様自身の秘密を聞かせて頂けたのです、なんとナツキ様はこことは違う、別の世界で死んでしまい、このアルカレイドの世界にへやってきたそうです。


そいった秘密をナツキ様は奴隷への命令ではなく、私個人を信頼して、誰にも話さないようにお願いされました。


そんな風に信頼してもらえ、もうこの時には私はナツキ様の事が好きになってしまってました。


そして、その夜、私は大胆にも、ナツキ様に御寵愛を求め、抱いて頂けました。


あ~昨夜の事は思い出しただけでも恥ずかしいです、理性がほとんど無くなり私はひたすらにナツキ様を求めていた気がします。


そして今朝、目が覚めたら目の前で私を見ていたナツキ様がいて、昨夜のナツキ様との事を思い出してしまうような匂いがして、驚きと恥ずかしさでつい布団の中に隠れてしまいました、ごめんなさい!


でもあの時、ナツキ様に求められた朝の挨拶、ちょっと恥ずかしかったけど、とても嬉しかった!

これからも毎朝求めてくれるかな?


あ~ほんと私はどんどんナツキ様の事が好きになってる

今日一緒に戦ってた時も、ナツキ様が強くなっていく様子に、私もドキドキしてしまってます。


そう言えば小さい頃お母さんが言っていた気がする、人狼族の女は本能的に強い男性を好きになりやすいって・・・


ナツキ様に信用してもらえた上に、強くなっていくナツキ様、ステキです、私はどこまでもナツキ様に付いていく覚悟は出来てます!


と、その時、私と向いあわせで座っていたナツキ様が何かに気づき、立ち上がり、警戒し始めたのを見て、私も匂いを頼りに周囲を探ると、先程まで戦っていたボアに似た匂いだったが、ナツキ様のあの様子からただのボアではない気がしていた




次回 第5話 常識ブレイカー

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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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