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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第37話 村の発展~その1~

毎度のやり取りをした後、ククリとロムと少年少女達、計7人の服を1セットずつ買い終えると時間は19時を少し過ぎた頃だった。

本当ならこの後に古着を買いに行きたかったのだが、流石に時間が掛かるだろうと今日の所は断念した。

因みにロムの服はククリに選んでもらった。


約束の時間まで残り1時間を切ってしまっているので、少し早いが7人の孤児達を連れたまま冒険者ギルドへと向う。


「あら、ナツキ様じゃないですか、約束のお時間は8時じゃなかったのですか?それに後ろにいる子供達は、奴隷、ではないですね?孤児達ですか?」


ギルドに到着し、孤児達をゾロゾロと引き連れたまま受付へと行くと、そこに居たのは、今日の午前中、ギルドに来た時にコロンの話を聞いていた女性で、ミオが話しかけてきた。


「いや、ちょっと買い物等をしていたのですが、ちょっと時間が中途半端になってしまったので、早めにこちら来たのです。

まぁついでに何か依頼がないかと確認して置こうかと思いましてね。


「それなら丁度ナツキ様に頼んだ方が言いかもしれない依頼があります」


突然背後から聞き覚えのある男の声がし、振り向くと鉄製の防具を着た男がいた


「あ、コーラルさんじゃないですか、今日はお一人なんですか?というか、様なんてつけて呼ぶの辞めてください、普通に呼んでくれたのでいいですから」


「ハハッ、大公様になった上に姫様と結婚までした御方を敬称無しで呼べと言いますか、まぁ分かった、というより、私もあまり仰々しいのは得意では無いので助かる、ああ、あと仲間は先に宿に戻って休ませている」


「そうでしたか、ところで俺に丁度いい依頼ってなんですか?内容を聞かせてください」


「とりあえずあっちの椅子に座って話そう、ここに居ると受付の邪魔になってしまいますからね」


ククリ達に邪魔にならない所で待っていてもらい、俺とコーラルは受付に向かって右手側にあるテーブルへと移動し、俺はコーラルと向き合うように座る。


「では聞かせてください、どんな内容の依頼なのでしょう?」


「今日俺達は依頼でこの町の西の山へと行ってたんだが、依頼を終えが戻る時に行商人に会ったんだ、その行商人はフレムストでの行商を終えアクルーンへと向かう予定だったらしいのだが、フレムストとアクルーンの境の山でドラゴンが出没したらしく、通行は危険だと判断した行商人は、フレムストへと引き返している途中だったらしい。

そして、その行商人はこの町に戻ったらドラゴンの討伐の依頼を出すつもりらしい」


「ドラゴン退治となると、その行商人は結構な依頼料を出さないといけなくなるんじゃない?」


「え?ぷっ、アハハハハ!」


俺の疑問を聞いたコーラルは驚いたと思っていたら、次は笑い始めた。

何がおかしかったのだろうか?


「いやぁ~すまない、しかしさすが一閃のナツキだ、普通ドラゴンが出たと聞くと驚くものだが、まさか依頼料を気にするとはな」


確かにドラゴンと言えばファンタジーな世界に付き物で、かつ強いというイメージがある。

俺はまだ普通の(・・・)ドラゴンのステータスを見ていないのでどれ程の強さなのか分からない。

とりあえず目の前の人物に参考程度に聞いてみようかな


「で?そのドラゴンってどれくらいの強さなんです?」


「中型系ならランクAの4人以上のパーティーって感じと聞いたことがあるな、大型系になるとランクSが一人以上とランクAの3パーティーは必要だと聞いた」


大型種でランクSが一人は必要なのか、ところでランクSってどれくらいの強さなのだろうか?

そもそもこの国にランクSの人って居るのかな?今の所見た事無いが


「ん~悪いが、それだけじゃ予想が出来ないなぁ、所で、その出没したドラゴンって中型と大型、どっち?」


「大型だ、しかも翼竜型らしい」


多分コーラルの言い方からすると翼竜というタイプは大型のなかでも更に強い、もしくは厄介な部類という事だろう。


「まぁ、何にせよ行商の人がこの町に到着するのは明日だそうだ、だから依頼が出るのは明日だろう」


「そうですか、なら明日ギルドにもう一度来て見ます」


「ああ、さて、俺はこの事をハスマ様にも伝えておかねば」


そう言って椅子から立ち上がるコーラルに続き、俺も立ち上がり、俺は待たせていたククリ達の所へと戻り、ミオのいる受付の後ろの壁にある時計を見た。

現時刻は7時40分、あと20分程でコロンが来るはず、そう思っていると、タリアが冒険者ギルドに到着し、タリアの後ろからロムもギルド内へと入り、二人は俺達の所へと歩いてくる。

ロムの姿を見たククリ達はロムの下へと走りより、ククリはロムを抱き締める。


「ロムおかえり」


「ただいま姉ちゃん」


ククリに抱き付き返すロムの首には奴隷の証である首輪が付けられていた。

盗みを働いた罪により奴隷になった証だ。

タリアに詳細を聞いて見ると、ロムは俺の下で、3年間の奉仕作業をする事で奴隷の身分から解放されると言う事になったらしい。


ロムに付いての話を聞き終わり、俺とタリアはククリに反省するように言い聞かせられているロムの姿を見ていると、冒険者ギルドの扉が開かれた.


「ナ、ナツキ様!?もう来てたのですか!?お待たせしてしまってすみません!!」


こうしてコロンとも合流出来、俺はミオに挨拶を済ませると、予定より10分程早くギルドを出発し、人気のなかったククリ達の小屋へと向う。

皆には行き先を言ってはいないのだが、ククリ達は理由は解らないまでも向かっている場所は解ったようだ、それとは逆に、全く解らないコロンが「どうして門の方へ行かないの?」と聞いてくるので、少し脅かしてみようと思う。


「それはね、コロンさん、貴方を消す為だ!!!」


怖い話でありがちな、「それはおまえだー!!」的なノリだ。


「ヒィ!」


「御主人様、あまりコロンさんを苛めないようにしてください。

子供達まで怯えてしまってますよ?」


言われて子供達の方をみると、全員がくっつきあって震えている。


「え!?ゴ、ゴメン!冗談だからね!?俺そんなことしないから!」


タリアにやんわりと怒られてしまいました。

ちょっとした出来心だったんです。


コロンやククリ、それにロムや他の子供達から誤解を解きながら歩いていると、俺達はククリ達の小屋と到着する。


「さて、これからすることは、絶対に人に話しちゃダメだからね?特にコロンさん!わかった?」


一番喋りそうなコロンには念を押しておかないとね


「因みに喋った場合はどうなっちゃうんでしょうか?」


「奴隷ランクCになってもらい行動の全てを制限させてもらうかも(・・)しれません」


脅しの為に少し大げさに言ってみると、またまたコロンと子供達が怯え始めてしまった。

だけど・・・あれ?今回はタリアが何も言わない?どうして?


「あの、タリアさん?どうして今度は何も言わないの?」


「どうして?と聞かれましても、御主人様のおっしゃる通りですので」


「え!?そうなの!?」


脅かし程度で言ったつもりだったのだが、ホントに奴隷ランクCになっちゃうみたいです。


「御主人様は事実上、この国で最高位の御方なのですよ?その様な御主人様の秘密は国家機密の様なもの、となれば御主人様の秘密を漏らすという事は国家機密を漏らすと同意なのです、なので秘密を漏らした者は罪人として奴隷の身分への降格と同時に国の管理下に、聞いた者に関しても何らかの対処が施される事になるでしょう」」


あ、コロンの腰が抜けてしまったようです。

ペタンと女の子座りでガタガタと震えてしまっていた。


「コロンさん、別に誰にも話さなければ大丈夫ですから、だから落ち着いて下さい」


とりあえずコロンを落ち着かせていると、その後ろではククリがロムや他の子供達に「絶対に言っちゃダメですよ!」と言い聞かせていた。

後でタリアに聞いたのだが、今の所(・・・)そのような罰はないが、俺が望めば本当に俺の秘密は国家機密扱いになっちゃうそうで、今回は絶対に人に話さないようにする為に話を合わせてくれていた様だ。


「とにかく、人に言わない様に気をつけてね!んじゃ村に戻るからね!」


今回のテレポートは自分をいれて10人、|村の住人様奴隷を買った時《あの時》よりは少ないし、少しだけとはいえ、アーマーマンティスを倒したときに魔力も増えたので多分大丈夫だろう。

俺はまずマジックポーションを飲み、王都へ来た時に消費した分とククリの治療に使用した分の魔力を回復させていると、タリアが傍に来て耳元で言う。


「ところで御主人様、今回は10人ですが大丈夫でしょうか?」


「前回よりも魔力が上がってる、それに人数も少ないから倒れるまではいかないはずだ、後は村に着いて直ぐマジックポーションを飲めば大丈夫だよ」


「・・・分かりました」


心配そうに俺を見るタリアだったが、「無茶だけはしないで下さい」と言い、そっと一歩後ろに下がった。

俺はそんなタリアにニコッっと笑顔を向けた後、オルリア村へテレポートを使用した。




次回 第38話 村の発展~その2~


[遅くなってすみませんでした!!!!] orz

                 





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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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