第34話 小さな盗人
題名を少し変えました、盗賊→盗人
あと、今回はいつもの文字数が半分位と言う短さになってしまってます。
どうにも書くのが間に合わず、短くなってしまいた orz
第32話にて最後の方の主人公のステータス表示の所
アーマーマンティス倒したときの経験値でのレベルアップをいれていなかったので修正しました。
8月7日
一部誤字の訂正をしました。
尚、35話作成で凄く手こずり、書き直しという結果に陥り、アップが遅れています、今夜中にはどうにか・・・
村の名前を決める話し合い中、住人の大人達は身体を休ませる事が出来たのか、再び畑を耕す作業へと戻り始めた。
俺は作業に戻ろうとする住人達の中から本来、護衛役であるロヴィオ、イリナ、アマンダの3人を呼びとめ、今日買って来た武器と防具を与える。
3人はこんなに良い物を使って良いのでしょうか?と言ってたのだが、村を守るためには必要だと納得させて受け取らせ、今日出る前に渡した中古のダマスカスソードは返して貰った。
中古を使わせても良かったかもしれないが、どうせなら新品の方がやる気も違ってくるだろうと思った。
武具を渡し終えると、すでに作業を再開していた皆に、夕方には今日の作業を終わらせて家に戻るようにと伝え、残りの俺達は家の方へと戻る。
まだ子供であるサリーは、大人達が仕事をしている間うちで預かる事にした。
家の前に到着すると、増築して一部増えた場所にミールが気づいた。
「ナツキ様、あの場所って私達の部屋の隣ですよね?一体何の部屋を造ったのですか?」
「あそこは俺の寝室として増築したんだよ(流石にエルの前でする訳にもいかないでしょ?)」
後半、ミールの耳元で囁くように話すと、ミールは顔を赤くして俯いてしまうが、ふさふさの尻尾の方は大きく揺れていた。
そんなミールの姿を見た嫁達とメイド達、流石に皆が本当の理由に気づいた様で顔がやや赤くなっている。
一人まだ子供のサリーだけは訳がわからず、頭の上に?を浮かべて首を傾けている。
少し気まずい感じになってきたので早急に話を切り替えようと、今夜連れてくるコロンの事について話すことにしよう。
「そうだタリアさん、今夜人を連れてくるから、その人の分の食事もお願いします。」
「か、畏まりました」
「主様、誰連れてくるの?」
シアの声にそちらの方へと振り向くと、
シアはノアの背後から抱き付き、ノアの肩に顎を乗せてこちらを見ていた。
「冒険者ギルドの受付にコロンさんって居ただろ?彼女に罰を与えるために今夜ここに来てもらう事にしたんだよ」
「何故コロンさんは主様から罰を受けるのですか?」
抱きついているシアを引き離そうと頑張っているノアに、今日のギルドに行った時に見聞きした事を話す。
コロンが口にした会話を一字一句間違いなくだ。
説明している途中、自分の記憶力の良さにはホントに驚いた。
と言うのも、この世界に来る前の俺では考えられない程に、自分に起こった出来事やその時に聞いた言葉を一字一句鮮明に思い出す事が出来るのだ。
もしかしてステータスのINTがこの記憶力に関係があるのだろうか?
「まぁそんな訳で、ハスマさんに許可を貰い、明日一日この村で働いてもらう事にした、仕事内容としては、朝と夜はメイドとして、昼は畑仕事の手伝いかなと考えてる」
「けど主様、コロンさんに畑仕事って大丈夫かな?普段は机仕事だから体力そんなに無いんじゃ?」
「まぁきついだろうね、だけど今回は罰を与える為に呼んだのだし、精々頑張ってもらうよ」
きっとこの時の俺は悪代官の様な顔をしていたに違いない。
だがよくよく考えてみると、あの噂の内容は間違ってもいない気もしてくる。
ミール、ノア、シア、の4人は奴隷として買い、好きになり、そして結婚しているのだから。
エルにしてもそうだ、まだ嫁になった訳では無いのだが、多分なって貰えるだろう(と俺は信じている)
しかし!認めるわけにはいけない!もしこれを認めてしまうと、いずれ俺の下にはとてつもなく大きなハーレムが出来てしまうだろう。
だからこそ!だからこそあの噂は断固否定する!
しかし、この考えはそう遠くない未来に崩れ去る事を俺はまだ知る由もない。
とりあえず家の前で話してても何なので、皆で家の中に入る事にする。
全員がリビングへと入ると、俺達は椅子に座り、サティアとアルカの二人がお茶を淹れる為にと調理室へと入っていく。
「そうだタリアさん、俺の新しい部屋の布団を買いたいからあとで一緒に町へ来て欲しい、俺は場所を知らないからね」
「畏まりました、では行く前にでもお呼び下さい」
その後、サティアとアルカがお茶を淹れて運んで来ると、お茶を頂きながら他愛ない話しをしつつまったりと過ごしていた。
会話の途中、俺はエルの誕生日をまだ知らない事に気づいて、聞いてみると2月27日との事。
現在の日付は10月20日だ。
因みにこの世界の日付けと時間は俺の居た世界と同じなのだが、元の世界とこの世界では日付にずれがあるのだ。
なんせ俺が死んだあの日は11月15日だったはずだから。
まぁいくら日付がずれていようと俺は気にしない、ただ、自分の嫁の誕生日だけはしっかりと知っておいて祝ってあげたい
エル以外の4人は、俺の秘密を話す時に聞いてある。
ミールは7月2日
ノアとシアは9月10日
ミリーは結婚記念日の3日ほど前の10月13日だ
これで嫁達の誕生日はちゃんと知る事ができた、ついでにとメイド達の誕生日も聞いてみると。
「私は6月4日です」
「私は4月13日なの!」
「私は6月19日にゃ」
「私は12月1日ですよ~」
「私は1月7日」
タリア、アルカ、ココ、サティア、エマルの順である。
「ってことは次に誕生日が来るのはサティアさんか、せっかく教えてもらったし、皆でお祝いしないとな」
「あらあら、私の様なメイドの為にお祝いして頂けるなんて、私、楽しみにしちゃいますよ?」
「是非楽しみにして置いてください」
ここでふと時計を見ると18時まであと20分ほどとなっていた。
タリアに「そろそろ出発しましょう」と声を掛け、出発しようとすると、ねぐらに何かを取りに行っていたサラが戻ってきた。
「ただいま~ってナツキ、どこかいくの?」
「ああ、これからちょっと王都まで人を迎えに行ってくる、ついでに買い物もあるしね」
「じゃあ僕も付いていくよ~」
パタパタとサラは俺に向って飛んで来ると、そのまま頭に着地する。
「それじゃちょっと行ってくる、家の方は頼んだよ」
そう言って俺とサラとタリアの3人は王都の城壁の外から少しだけ離れた場所にテレポートする。
一瞬で周りの風景が変わり、あっという間に目的地に到着。
俺達はいつもどおり門番の兵に顔パスで通してもらい、タリアの案内で布団を売っているお店へと向う。
お店は西の商業区を4分ほど歩いたところにあった。
一応俺の造ったベッドのサイズの物が在るかどうか探して見るが、やはり売ってはいない。
そこで本来の予定である、シングルとダブルの布団を1組ずつ、それと今後のお客さま用としてダブルサイズを2組購入し、それらをアイテムボックスへと入れ、支払いを済ませた。
買い物は直ぐに終わり、約束の時間まではまだ余裕はあるので、商業区をぶらぶらと歩く事にした。
まだ行った事のない店などを見て周り、時間を潰していると、何やら商業区の西側の方から男の声が聞こえてきた。
「まてこらーー!今日こそは捕まえて兵に突き出してやる!」
見た感じ体つきも良いその男は、自分の少し前を走る一人の女の子を追いかけて居るようだ。
姿をハッキリとみたわけではないが、多分あれは可愛い女の子だと俺の勘が告げている。
なぜ俺の勘がそんな事を告げているのか分からないのだが…
少ししてからその少女は大人の入れないような家と家の間へと逃げ込んで行った
「くそう!今日こそはと思ったのに!」
見た感じ、あの体つきの良い男からあの子供が何かを盗んだってところだろうか?
俺とタリアは子供の入って行った細い隙間を見ていた。
次回 第35話 孤児院
全話の後書きでも書いた通り、明日の朝から次の日の夜まで、仕事関係で家に居ないので、次の話は日曜日の夜から書き始めます、少し間が開いてしまい、本当にすみません。
また戻り次第35話から頑張って書いて行きたいと思います。




