第31話 大きなカマキリ?
昨日これを書いてる時、途中で寝落ちしてしまい、ハッと気づいたとき、PCがなんか勝手に再起動してやがり、書きかけでまだ保存してなかった部分が丸々消えると言う事があったんです。
その後ふてくされて寝ちゃいました。
と言った理由で自分の予定より1日遅くなってしまいました!
(予定の発表はしていませんが)
手紙の内容を確認すると、タリアは部屋を出て朝食の準備に向う。
俺は今だ布団で眠っている5人を起こそうとベッドの傍にもどると、エルはすでに起きていた。
「おはようございますナツキ様」
「おはようエル、エルはちゃんと起きれて偉いな」
「いえ、昔からこの時間には起きて今したので、どちらかと言うと今日は眠りすぎた位です」
時計を見ると時間は8時を少し過ぎたほどだ。
「早起きなんだな、まったく、この寝てる子達にも見習わせたいものだ」
「ふふふっ」
ここに居る事に慣れ始めたのか、昨日よりも明るい雰囲気になったエルを見て、俺はほっと安心していた。
「なぁエル、この寝てる子達とはおはようのキスをしているんだけど、今日はエルとも挨拶させて貰っていいかい?」
エルの顔を優しく見つめながら問いかける。
「え!あ、あの、その・・・んっ!?」
赤くなった顔で両手を頬にあて、あわわと混乱気味なエルの姿が可愛く、返事を聞くよりも先にその唇を奪ってしまう。
「ごめん、エルの慌てる姿が可愛くて我慢出来なかった」
「あうぅ!」
恥ずかしくなったらしく、エルは朝日を受けて白く輝いている大きな羽を使って自分の顔を隠してしまう。
そんな恥ずかしがる姿が可愛く、暫く見惚れて居たかったが、そろそろミール達を起こさねば。
いつもの様に皆を起こし、顔を洗った後は、朝の楽しみの一つである皆の髪を梳く作業だ。
本日は皆梳くだけでストレートのままにしてみたのだが、断じて面倒だったとかではない!
その後全員でリビングに向かう。
リビングには奴隷達を含めテーブルの上や空いているスペースの床の上など、合わせて22人分の朝食がすでに用意されていた。
俺や嫁達、そしてエルとメイド達がテーブルで食べるのだが、ここでエルの席が無かったので急遽用意する。
残った奴隷達は床に座り、用意された朝食を食べ始めた。
食事も終わると、昨日出来なかった奴隷達のそれぞれの家を造る作業をするため、皆をつれて家の外へと出る。
「家は全部で7軒必要だな、配置をどうすっかな~」
皆の見守る中、そんな事を呟きながら頭の中でまず作ろうとしている村の形を思い浮かべていく。
やはり皆の家から水場が近い方が良いだろうと言う事で、湖を囲むように造っていく事にした。
「よし!ミール、ノア、シアすまないが手伝ってくれ」
「「「はい」」」
ここでハキムが、自分達は何をすればいいか、と訪ねてきたのだが、奴隷達の力では時間が掛かってしまうので、待機させ、家を作り終わった後から始めてもらう農業で頑張ってくれと告げると、ミール、ノア、シアの3人に手伝って貰い、昨日の内に伐採をお願いしていた木を7等分に分けた後、湖に沿う様に配置していった。
その様子を見守っていた奴隷達は、自分より若く、そしてしなやかな体の少女が、自身の倍以上ある大きさの木を軽々と運ぶ姿に絶句していた。
こうしてあっという間に7等分に分け終わったのだが、これでは木が足らないと、俺とミリーは急いで木の伐採を始める。
俺が伐採した木をノアが運び、ミールが伐採した木はシアが運ぶ、こうして直ぐに伐採作業は終わった。
伐採する際に、ミールがヴァルキリー化していたのだが、うん、やはりあの姿は美しいよね!!メイド達や奴隷達、それにエルも見惚れているよ!
そのおかげで主である俺の方は誰も見てくれやしなかったな。
あ、別に寂しいという訳ではないよ?頬を水滴が伝っている気がするのだってきっと気のせいだし。
1件当たり25本の木を用意し終わると、ここら一帯の木が殆ど無くなっていた。
そりゃ175本も木を伐採すればこうなるわな・・・
その後、ミールが伐採した時の切り株と、先程二人で伐採しまくったて出来た切り株を片っ端からすべて木材へと作り変え、アイテムボックスへと入れていく。
流石に数が多くて途中2本のマジックポーションを飲む事になったが、考えてみると土地整理がたった1000コル分で片付いたとなると、かなりの出費が抑えれている。
「さて、それじゃサクッと家を造りますか!」
木を運び始めた頃から今迄の作業を見ていた奴隷達やエルは、ずっと驚き固まっていたが、ここで漸くエルが反応した。
「あ、あの、本当に御主人様が家をお建てになるのですか?」
「そうだよ?後、建てるというよりも造るって感じだね」
木材を組み立てる訳じゃないし?
「どういう事でしょうか?」
「まぁ見てて、実際に造って見せるからから」
マジックポーションを片手に集めた木々へと近寄り、触れながら家のイメージをする。
まず部屋は2LDKで、壁には土を使う、その上から木の板を張り付ければ立派な壁の役割になるはずだ。
屋根も土と木を使った物にする、じゃないと木が足りないしな。
自分の家ほどのサイズではないので、この家を建てるには俺の魔力8割ほどで完成した。
完成するとすぐにマジックポーションを飲むのを忘れない。
1軒の家に着きマジックポーション1本、つまり500コルで家が建てれている。
かなり安上がりだ!
「ご、御主人様!?今何をなさったのですか!?」
家を造る所を見ていた奴隷達も目を見開いたままこちらを見ている、きっとエルと同じ事が聞きたいのだろう。
「まぁ、俺のスキルの一つだよ、それより、早く残りも造っちゃおう」
6軒も最初と同じ様に造って行く、建て終わると、見た目も中身も同じになってしまったので、どこが誰の家か分かるように表札を付けていく。
「よし、取りあえずこんな感じでいいかな?」
それぞれの家族に、自分の名前が書いてある家へと入ってもらい、中の確認をし、自分の荷物をお気に行かせる。
その後、タリアはアイテムボックスに入れてある布団を家族毎に必要な枚数だけ配って行く。
奴隷達、いや、もう村の住人と呼ぶべきか?(今更感もあるが)
兎も角、住人達の家が完成したので、次は農業をする場所を造ろうと思うのだが、さて何処にしようかな?
近くにいた兎耳のメイドサティアに「ちょっと良さそうな場所を探して、畑となる広場を作ってくる」と告げた後、近くにはやはり水場が必要だろうと思い、湖にから伸びている川に沿って上流方面へと俺は一人歩いて行く。
200m程進んだ場所で立ち止まり、この辺に畑のスペースを造る事にした。
畑はあまり村から離れ過ぎない場所にしたかったのだ。
場所も決まり、まずは伐採作業から開始する、剣を取り出し、次々と木々を伐採して行く。
伐採した木々は柵に使い、余った分はアイテムボックスにでも入れておけばいいだろう。
こうしてできた畑のスペースは150坪(つまり495㎡程かな?)の広さとなり、周囲は柵で囲われていた。
これだけの広さがあればきっと十分な収穫量が見込めるはずだ。
今後は人が増えて食糧が足り無さそうならその時にまた増やせば良いだけの事だ。
この畑を造る際に使ったマジックポーションは2本、これまた1000コル分
「あ、そういえばタリアさんから受け取った買い物のメモをまだ見てなかったな、今のうちに見ておくか」
ポケットからタリアの書いたメモを取り出して目を通す。
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生活品
布団 200コル×11 2200コル
手ぬぐい 10コル×33 330コル
食器台1セット 25コル×22 550コル
調理セット 50コル×7 350コル
食糧
ジャガイモ1k 6コル×7 42コル
玉ねぎ1k 6コル×7 42コル
パン1斤 5コル×7 35コル
卵10パック 2コル×7 14コル
レタス1玉 3コル×7 21コル
キュウリ3本 2コル×7 14コル
ハム1塊 10コル×7 70コル
計 3668コル
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この世界の物価はまだ分からない所が多々あるのだが、あのタリアが選んで買った物だからきっと安心していい価格なのだろう。
この土地をもらってから、今までの出費を合計してみる。
もちろんマジックポーション1本使用=500コル換算でだ。
奴隷代 310万コル
土地の整地 2000コル
家の建築 4000コル
タリアの買い物 3668コル
奴隷達の衣服代 8500コル
合計すると3118168コルとなった、エルの金額が半分以上を占めているが、整地や家の建築の所でかなりの出費を抑えてるはずだ。
と、その時突然、何かが木を薙ぎ倒すような音が微かに聞こえてきた。
(ん?今のは?)
音の聞こえた森の奥を気にしながら探知スキルを使用すると、モンスターの大きな反応が1つと小さな反応が3つあった。
大きな反応のから小さな反応が逃げて居るような感じで、徐々にこちらへと向ってきている。
そして森の中から姿を現した小さな反応の正体はボアだった。
大きな反応の方は俺のいる場所から少しだけ離れた所で動きが止まっている、こちらに気付いたのかな?
とりあえず食料に出来るのであっさりと3匹を斬り伏せ、久しぶりな気がするアブソープを使っていく。
残った死体も分解スキルで肉塊へと変えアイテムボックスにポイ!
ボアの処理が終わったのだが、未だに森の中で動かない大きな反応、やはりこちらに気付いて警戒しているのだろう。
俺はダマスカスの剣を片手に森の中を慎重に進み、反応のある方へと近づき、そしてその姿を捉えた。
体長は約2m半程あり、緑色をした身体は木々の間から差す太陽の光を受けて光沢を放っており、2本の前脚は鎌の形をしていた。
そう、つまりカマキリのデカいバージョンだ。
姿が見えるとすぐさま敵の情報を完全解析スキルで確認する。
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アーマーマンティス
LV56
HP 858
MP 253
STR 592
VIT 820
AGI 462
DEX 302
INT 213
LUK 100
風魔法LV1
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ゴブリンジェネラル程ではないが、それでもかなり強い部類のモンスターの様だ。
まぁ、それはあくまでも一般的に、である。
「こんなのがこの付近に居たんじゃ村に危険が及ぶな、倒しておくか」
抜き身の剣の腹の部分を肩に当てるように担いでアーマーマンティスの姿を見ていると、じっとこちらを見ていたアーマーマンティスが突然前脚の鎌を振りかぶり、一気に振り下ろす。
しかし俺にはその動きがゆっくりに見え、振り下ろされた鎌を軽々と剣で弾くとアーマーマンティスの首元へと跳び上がり、その首をスパッと切り落とした。
頭を失った緑の巨体は、力なく地面へと崩れ落ちて行く。
自分のステータスの凄さに少し呆れつつも、何事にも対応出来るよう、更なる強さを求めアブソープを使う。
そして残るはこの死体だ、さてどうしたものか?と少しの間考え込む。
(ボアの方はさっさと片付けるためにスキルで素材にしたけど、こいつはどうしよう?せっかく連れてきた住人に解体させるべきか?それともこいつも分解スキルで素材にしてしまうか・・・って、あ!そういや解体するための道具がないな!今日冒険者ギルド言った後にでも手に入れておこう、とりあえず今回は分解スキルで決定だ)
という事で今回は分解のスキルで解体する、そして手に入った素材は・・・
アーマーマンティスの鎌×2
アーマーマンティスの羽×4
アーマーマンティスの触覚×2
以上3種類だった。
素材をアイテムボックスに入れ、俺は家へと歩き始めた。
次回 第32話 み~つけた




