第30話 今後の予定の説明と新たな嫁候補
すみません、またタイトル変更させていただきました。
目が覚めると、俺は自分のベッドに寝かされていた。
「あ!ナツキ様気がついたんですね!身体の具合は大丈夫ですか!?」
「ミール?ああそうか、俺は魔力の大量消費でまた倒れたのか」
ベッドから上半身を起こすと、額から濡らした布がポタッと布団の上に落ちる。
「ミールが看病してくれてたのか、ありがとな」
お礼の気持ちを込めミールの頭を撫でる
「いえ、それよりもナツキ様、あまり無茶をして私達を心配させないで下さい」
「あははは、ごめんよ」
ミールの言葉に、俺は苦笑いを浮かべ、謝るしかなかった。
あの後どうなったのかと聞くと、俺が買ってきた奴隷達を連れテレポートで戻ってくるなり、俺は魔力の大量消費による身体への負担で俺は倒れてしまった。
それを見たミリーとアルカにエルージュ、そして連れてきた奴隷達は驚き、慌てふためいていたのだが、タリアだけは冷静に判断をし、皆に指示を出す事でその場の混乱は収まったようだ。
タリアの指示により俺を家の中に運ぶと、意識を失った俺の姿を見たミールが俺の身体を抱えてベッドまで運び、それから今までの間ずっと看病をしていた、ということらしい。
どれ位の間俺は寝ていたのかと聞くと、2時間程との事。
「連れて帰ってきた奴隷の皆さんには、勝手ながら、ノアとシアに湯を用意してもらい、その後男女交代でお風呂に入らせておきました。その際、お風呂に入っていない方には簡単な食事も食べさせておきました。
今はもう皆リビングで待機しいています」
「そうか、皆にも心配掛けてしまったな、謝りに行くか、それに話しもあるし」
布団から出て立ち上がりろうとすると、足に力が入らず経ち崩れてしまう。
どうやら思ったよりも身体に負担が掛かり過ぎていた様だ。
ミールに肩を借りて歩き始め、二人がリビングに入ると、ノアとシアとミリーとの3人が椅子に座り、メイド達やエルージュ、そして他の奴隷達は床に座って寛いでいたのだが、俺とミールを見ると全員が立ち上がる。
「主様気がついたのですね!」
「主様!!」
椅子から立ち上がったノアとシアは、跳びかかる様な勢いで俺へと抱き付いて来る。
そんな二人を見た俺は、ミールを巻き込まないようにと、肩から腕を放し、ノアとシア二人を抱きとめきれず、そのまま後ろに倒れてしまう。
「くっ・・・心配掛けたゴメンな」
倒れた時に背中を打って痛かったが、俺は気がついた事を喜んでくれるノアとシアの二人に謝りながら頭を撫でる。
「まったく、旦那様は危なっかしいんですから、そもそも旦那様一人が全員を運ばなくても、サラ様に半分お願いすれば良かったのではないのでしょうか?」
「「「「あ・・・」」」」
ミリーの一言に気づいてしまった俺と嫁達
「・・・そうだね」
何で俺はそんな簡単な事に気づかなかったのだろうか、まぁ過ぎてしまった事は仕方ないので
今度似た様な事がある場合はそうするとしよう。
膝立ちで両手を床に着き、項垂れる俺
そんな俺の姿をみたミールとノアとシアはミリーに詰め寄り小声で話し始めた。
「(ミリー!そんな事言ったらダメだよ!ナツキ様落ち込んじゃったじゃない!)」
「(そうですよ!そんな事いったらまるで主様がバカみたいじゃないですか!)」
「(ご、ごめんなさい!つい・・・)」
聞こえてるぞミール、ノア、ミリー!お仕置きポイントを加算してやる!
「(ミリーって王女様の時は結構しっかりしてたのに、主様の下に着てから思った事言うようになったよね)」
何を笑ってるんだシア!俺のフォローをしてくれないならシアにもお仕置きポイントを加算だ!
4人とものお仕置きポイントの加算が決定した所で、俺は身体を起こし立ち上がる。
すると後ろのドアが開き、そこからサラがパタパタと飛びながらリビングへと入ると、定位置に着地する。
「ナツキ気がついたんだね、けどナツキもバカだよね~僕が半分テレポートさせてあげようかと思ってたのに、僕には自分で帰れって言うんだもんね~そりゃそんな無理すれば倒れるって言うのにねぇ~アハハハハ!!」
イラッ
そう言えばこいつはあの時「えぇ~、しかたないなぁ~わかったよ~」って言ってたよな!?
つまり何か?俺がサラに自分でテレポートして帰る様に言ったから、俺が倒れると分かりつつもその事言わずに今回の様な事になってしまったと言う事か?
俺が悪かったのか!?くそっ!倒れてしまうって分かってるなら言ってくれれば良いものを!
サラめ!お仕置きポイントの大幅加算だ!
自分が悪いのだが、この悲しみと怒りは嫁達とサラへのお仕置きポイントの加算と言う事で話題の終了にする。
さっきから俺達以外からの視線をヒシヒシと感じているしな。
落ち込んでいた気分を無理やり変えて、視線の元へ向く
「ゴホン、え~と皆さん、いきなりこんな事になって申し訳無い、本当ならココに戻った後、皆さんの寝るための居住スペースを作る予定だったんですが、今日はもう遅いので明日にさせて頂きます。
それではまず、こちらの簡単な自己紹介をさせてもらいます。
俺の名前はナツキ、それで俺の後ろにいるのが俺の嫁になった、狼人族のミール、エルフの双子で姉のノアと妹のシア、そしてこの火の国の元王女ミリーエル=フェーン=フレムストだ」
名前を呼ばれた嫁達はそれぞれが軽く会釈をしていき、最後にミリーエルを紹介すると、皆がこの国の王女が奴隷になって俺の嫁になっていた事に驚いていた。
正確には嫁になった後に、自分から奴隷になると言い出した事も忘れずに説明をしておいた
軽い自己紹介が終わると、現在21時を過ぎた頃となっていた。
連れて帰ってきた奴隷家族の中に6歳の少女サリーがいるのだが、子供にはもう眠たい時間なのだろう、母エイラにもたれ掛かり、うつらうつらと船を漕いでいる。
父ハキムを家族代表として残させ、タリアに指示を出しエイラがサリーを連れメイド達の部屋で寝てもらおうと案内させた。
「御主人様、娘に気を使って頂き有難うございます!」
そう言って頭を下げるハキムに、まだ子供だからしかたないと伝え、頭を上げさせる。
「さて、それでは皆さんにこれからの事について説明させて貰う、ハキムさんは明日にでも奥さんと娘さんに伝えてくれ」
「はい!」
「じゃあまず最初に現在居るこの場所だが、ここは火の国の守護神というか火の精霊王の住んでいたオルリア山の麓だ、俺はこの地を領地として授かったので、ここに町を造ろうと思っている。
まぁいきなり町をなんて無理だから、とりあえずは村にしようと思っている、そこで貴方達には村の住人として発展を手伝って貰う」
そこまで話すとエルージュが聞きたい事があるのだろうか、そっと手を上げる
「ん?エルージュ、何か聞きたい事が?」
「お話の途中に質問をして申し訳ありません、先程の話しで火の精霊王様が住んでいたとおっしゃっておりましたが、今はもうそこに居ないと言う事でしょうか?」
「火の精霊王かい?それならさっきから皆の前にいるよ」
え?と驚きながら回りをキョロキョロ見回した後、エルージュの視線が俺の頭の上へと辿り着く。
「そっ、今はこのサイズのペットの様な姿をしているけど、このサラが火の精霊王だよ」
頭の上にいるサラを持ち上げて、皆に見えやすいように体の前に持ってくる。
「やぁ、ご紹介に預かった、火の精霊王のサラだよ、ナツキと契約した時にサラマンダーって名前をつけてもらったけど、サラって呼ばれてるの、よろしくね~」
すると、サラの正体と、その契約し主になった俺という存在に奴隷達とエルージュが一斉に平伏する。
やっぱりこの世界じゃ精霊王と契約して主になった、なんて知るとこういう事になるのね・・・
「皆頭を上げて、別に平伏しなくて良いですから!」
このままでは話が進まないので、平伏していた皆を立ち上がらせ、今後の話しの続きを始める。
「じゃあ話を戻します、さっきも言った様にこの地にまず村を作るにあたり、貴方達にはそれぞれ仕事をしてもらう事になる、それを今から伝えていきます」
こうして俺は目の前にいる奴隷達に役割を伝えていった。
まず最初にハキムの家族だ、ハキムとエイラの二人には農業による食料の生産を任せた。
次にもう一つの農業を任せる予定の夫婦、夫の名はゴンド、そして妻の名はパムラという。
この夫婦にも農業による食料の生産を任せる。
次に戦闘経験のある女二人と男一人の名を呼び、それぞれにこの村となる場所の警護をするという役割を与えた。
それから素材の解体経験者である男には村での解体屋としての仕事をし、仕事の無い時は農業の手伝いをしてもらう事にする。
商売の経験者として連れて帰った奴隷の夫婦には、解体屋で解体した素材を王都へ売りにいったり、必要な物資を買いに行ったりするという仕事に就かせた。
もちろんこちらの夫婦にも仕事の無い時は農業の手伝いをして貰うと伝えておいた。
「とまぁ、以上が貴方達の明日からの仕事となる、それぞれの住む家や働く場所俺達の方で造るので安心してくれ」
「あ、あの私は何をすれば良いのでしょうか?」
一人役割を貰っていないエルージュがビクビクと怯えるように聞いてくる。
「エルージュには嫁に来て貰おうと思う、返事は今すぐではなくていいし、もちろん嫌なら断ってもいいんだけど、とりあえず暫くは俺の事を知って貰う為にも、俺の側室って事にさせて貰う」
エルージュは突然嫁になって貰おうと言われ驚き、顔を赤く染めていた。
俺としては、ほんの少しの間とはいえ、町を治めていた経験のあるエルージュを傍に置きたいと考えていたのだ。
もちろん可愛いので傍に置きたいという理由もある!
「もし、そのお話をお断りした場合、私はどうなるのでしょうか?」
「もし断られたからって、酷い事したりもしないし奴隷商に売ったりもしない、普通にこれから作っていく町で住人として過ごして貰う」
「分かりました、お答え頂き有難うございます、少し考えさせて頂きます」
「とまぁ、勝手に話を進めちゃってるけど、皆もそう言う事だけど、良いかな?」
相談もなく勝手に決めた事でミール達に不満がないかと、念の為確認する。
「はい、私は何も問題ありません!」
「ノアとシアもいいかな?」
「私も問題ありません、寧ろエルージュさんとは仲良くしてさせて頂きたいです」
「ボクも姉さんと同じだよ、仲良くしてねエルージュちゃん!」
「ミリーは?」
「はい、私も皆さんと同じです、よろしくお願い致しますエルージュさん」」
4人とも笑顔で答えるところを見るに、不満は無さそうだ、寧ろ好意を持っている様でよかった。
「それとエルージュ、これからは俺の事を御主人様じゃなく名前で呼んでくれ」
「は、はい、分かりました、ではナツキ様とお呼びさせて頂きます。私の事はエルとお呼びください。」
「ああ、分かったよエル、これからよろしくな」
そう言いながら、俺はエルの頭を撫でた。
エルージュの件は取りあえず話が纏まり、次に守ってもらいたいルールについて話し始めた。
「さてと、次に皆に守ってもらいたいルールを伝える!」
一つ!家では土足厳禁とする!
二つ!15歳以下の者の仕事は夜10時までとする!
三つ!人を傷つけるような嘘や隠し事はしない事!
四つ!犯罪行為をした場合、内容を吟味した上で犯した行為に対する罰則を設ける!
以上、これら4つがこれから作られる町のルールとなった。
「以上のルールを守って、いい町を一緒に作っていこう!」
はい!とここにいる全員が声を揃えて返事をしたところで話は終わり、今日は皆この家で眠る事となった。
もちろん俺と嫁達とエルは俺のベッドでだ、そして先に眠っているサリーとエイラの二人はメイド達の部屋でそのまま眠り、メイド達も自分のベッドで眠る。
それ以外の奴隷達は少し狭くなるのだが、このリビングで雑魚寝をしてもらう事となった。
サラを頭から下ろし、ミールに預けると、先に部屋に戻っておいてとミール達とエルに伝え、俺は眠る前に身体を拭こうと一人風呂場へと向かった。
残り湯で布を濡らし、体を拭き終わり、部屋へと戻ると、ベッドの上に、背中の羽をこちらに向けたエルを取り囲むように座っていた5人が何やら楽しそうに話をしていた。
「早速仲良くなってるみたいだね」
「あ、ナツキ様お帰りなさい」
ただいまと言いながら、俺も5人の輪の中に入る。
「そうだミリー、ミリーにはエルの教育係を頼む、歳も近いし話し安いだろ」
「分かりました、では私がエルがりっぱな旦那様の嫁の一員となれる様、教育させて頂きます!」
まだ嫁になると決まった訳じゃ無いのだが、張り切るミリーにツッコむのは止めておく。
「さぁ、今日はもう寝ようか、明日は朝から一仕事しなきゃな」
大きなキングサイズのベッドの上で布団に潜り込む俺達、今日の抱き枕はシアの番なので、抱きしめつつ耳の先にキスをし、唇同士でもお休みのキスをし、眠りへとついたのだ。
翌朝、ドアがノックされ、目が覚めた。
「なんだ?」
ガチャッとドアが開き、入ってきたタリアから1通の手紙が手渡された。
今朝早く手紙を届ける依頼を受けた冒険者が持ってとの事。
なぜこの家の場所が?と聞くと、王都に行った時にタリアとアルカが王とギルドにはこの場所を知らせておいたようだ。
中を開いて読むと、そこには簡潔な文章が書いてあったのだ。
『ナツキ殿へモンスター討伐の指名依頼を頼みたい、本日中に王都の冒険者ギルドへ御出で願いたい』と・・・
次回 第31話 大きなカマキリ?
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ナツキのメモ帖
現在のお仕置きポイント
ミール 2P
ノア 3P
シア 3P
ミリー 2P
サラ 5P
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気が付けばPVが10万突破していました!
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