第28話 俺は奴隷商のお得意様?
俺の嫁達には序列と言うものが決められており、それは4人共が認めている。
まず序列1番はミール、そして次にノアとシアなのだが、一応お姉さんと言う事で2番がノアとなり、3番がシアとなっている。
そしてミリーは4番となっているのだが、元王女であるミリーが4番目については本人から自分は末席で良いと言いだした事で、ミリーは4番目となった。
現在、俺達は風呂場でミールから順番に3回ずつ絶頂を迎えさせ、それぞれに1回ずつ精を注ぎ、現在、序列4番目のミリーが座位で俺に抱きつきながら3度目の絶頂を向えていた。
「はぁぅっんっ!!だいしゅきです、だんなさまぁ」
愛の言葉を告げながら、幸せそうに余韻に浸っているミリーを、俺は抱き締めながら頭を軽く撫でると幸せそうにしている。
そんな幸せそうなミリーの表情を見て、俺まで幸せを感じてほっこりとしていた。
先程から俺の胸元に自分の頭をスリスリとしている可愛らしいミリーから視線を外すと、ミール達は再び湯船に浸かっていた。
さすがにその風呂の湯、そろそろぬるくなってんじゃないのか?
とりあえずもう一度暖めてやろう、ミリーも身体冷えてしまってるだろうし。
プチファイアボールを再び作り出し、湯を温め直すとミリーを抱えたまま湯に浸かる。
これは余談であるが、夫婦の営みを終えた後、ずっと抱きついてスリスリしているミリーなのだが、この行為は序列最後を自ら選んだミリーの特権になったのだとか。
「さぁ、ミリーもお風呂でもう一度温まっておきな」
「はーい♪」
返事はするものの、なかなか俺の身体にスリスリしているのを止めないミリーを引き剥がし湯船に連れ込む。
そういえばサラの声がずっとしないと思ったら、桶の中にスッポリとハマって眠っていた。
サラがなんだか猫っぽく思えてきた。
その後ゆっくりと湯船に浸かり、冷え始めていた身体を温め直すと、眠っているサラを抱え、皆で風呂を出た。
流石に皆と3回ずつしていたから風呂から出る頃には夜も遅くなっていた。
リビングに明かりがついているのでそちらに皆で向うと、先に出ていたメイド達はリビングの椅子に座りお茶を飲みながらゆっくりしている。
そこへ風呂から出た俺達が入ると、こちらに気づいたタリアが俺達にもお茶を淹れてくれた。
「ありがとうタリアさん」
「いえ、これもメイドの務めですから」
お礼をいうと、スマイルで答えてくれるタリア、これぞプロのメイド!
元の世界にあるメイド喫茶のメイドがくれる、造られた笑顔とは訳が違う。
淹れて貰えたお茶を飲みながらまったりしていると、タリアの向こう側では机に伏せてスヤスヤと眠っている猫耳のメイドのココと、その向かい側では座ったままウトウトと船を漕ぐアルカが居た。
そんなに眠いなら部屋で眠ればいいのに
「タリアさん達も今日は色々とあって疲れただろ、それに今日はもう遅いから先に寝ちゃっていいんだよ?」
「いえ、私達は御主人様より先に眠る訳にはいけません、それにこれくらい平気ですから」
そう言うタリアの表情は、確かに疲れなど感じさせない完璧なメイドスマイルをしているのだが、そこの二人がとても眠そうだ
だが、仕事にまじめなタリアにいくら言っても多分先に眠ったりしない、ならば主である俺がルールを作るとしよう!
「よし!突然だがこの家におけるルールを定める!」
「んにゃ?る~るですかにゃ~?」
俺の声で目を覚ましたココが、まだ眠たい目を擦りながら答える。
「うん、では発表する!」
俺以外のみんなを椅子に座らせ、俺はテーブルの前に立ち、風呂場からずっと抱いていたサラをそっとテーブルの上に降ろし、思い浮かんだ4つのルールを発表する。
一つ!この家に入る時にもいったけど、この家では土足厳禁とする!
二つ!15歳以下の者の仕事は夜10時までとする!
三つ!出来る限り食事は皆一緒にする事!
四つ!人を傷つけるような嘘や隠し事はしない事!
「以上!今後、またルールが増える事もあるだろうが、今の所これだけだ、もし守れないようなら、それなりの罰則を覚悟するように!」
「御主人様、二つ目のルールなのですが、本当によろしいのでしょうか?」
「ああ、この世界じゃ15歳で成人と認められるが、俺からすればやっぱりまだ子供なんだ、だから夜遅くまで働かせたくない」
元居た世界じゃ15と言えばまだ中学生だぞ、そんな年齢の子に無理してまで働かせたく無い。
「現在15歳以下の人は手を上げてくれ」
そっと手を上げた人物は二人居た、まず見た目にも幼すぎる用に見えるアルカだ、本人に年齢を聞いて見ると現在14歳とのこと
そしてもう一人は可愛い猫耳のココだ、年齢は現在15らしい。
「よし、じゃあ明日から二人の仕事は夜10時までとする、いいね?」
「はいなの!」
「はいにゃ」
「ああそれと朝だけど、俺達を起こしに来なくてもいいからね」
「分かりました、では朝食の方は何時頃にご用意すればよろしいでしょうか?」
「朝食は毎朝8時で頼むよ」
「8時でございますね、分かりました。明日からその様に致します」
朝8時なら、メイドの皆も早くから起きなくて済むはずだ。
こうして我が家の4つのルールが決まり、今夜は解散となり、それぞれが眠る部屋へと向う。
部屋に戻った俺達は、すぐに眠りにつかず、キングサイズのベッドの上で全員と1度ずつ愛し合い、その夜はノアに抱きつきながら俺は眠ろうとしていたのだが、そこでふと疑問が浮かぶ。
そう言えばこの布団とかさっき飲んだお茶ってココに来る時なかったと思うが、一体何処にあったのか??と・・・
少しの間、ノアの身体の抱き心地を堪能しながら考えたが、さっぱり分からず、気づけば俺は眠りについてしまっていた。
翌朝目が覚めると、腕の中には昨日眠るときに抱き締めていたノアだが、今は逆にこちらに抱きつき、ピッタリと身体同士をくっついたまま眠っており、俺達の横ではミリーをミールとシアが抱き締めながら眠っていた。
ベッドの横に置いておいた時計を見ると、時間は7時40分、もうすぐ朝食の時間である。
取りあえず腕の中で眠っているノアを起こそうと、肩を揺すりながら声をかける。
「ノア、朝だぞ、起きな」
身体を揺さぶられ、まだ意識が覚めきらないノアが身体を起こす。
「ん・・・おはようございます、主様、ふゎ~」
可愛らしい小さな欠伸をしたノアと、朝の挨拶であるおはようのキスをし、まだ眠りについている残りの3人を起こしてやる。
というか、ミリー以外って奴隷として主人より先に目覚めるという習慣とかないものかね?
まぁ、そんな事俺は気にしないけどね。
「ミール、シア、ミリー、朝だぞ~」
呼ばれて目を覚ましていく3人の嫁達が身体を起こしていく。
ミール、ノア、ミリーの順番におはようのキスをし、服を着始める。
朝の挨拶であるキスの順序は、夜に抱いて寝た人がまず最初で、その後が、序列順にキスをしていくというルールとなっていて、夜に抱く順番も序列順で交代制となっている。
といっても、これのルールは俺が勝手に決めているものだが、それに何も言わず従っているから、多分ミール達もわかってはいるだろう。
着替えが終わり、今日も俺の楽しみの一つである皆の髪を梳くと作業に入るとしよう。
まず最初はミールだ、ミールの場合は可愛い犬のような耳を途中で触ってみたり、尻尾のブラッシングもしていく。
ノアとシアの二人はそれぞれのブラッシングを終えた後、エルフ特有の長い耳の先に優しくキスをする。
最後にミリーだが、ミリーは人間なので、種族の特徴というものが特にない。
そこでミリーにはギュッと抱擁をしながら頭を撫でる事にする。
今日の髪型は、ミールはゆったりと編んだ三つ編み、ノアはポニーテール シアはストレート ミリーは両の横髪を三つ編みにして、他はストレートにしたままといった髪型にした。
髪のセットも終わり、俺達はそろってリビングに向かうと、そこには食事の用意を済ませてあり、テーブルの横でメイド達は整列して立っていた。
「おはようございます、御主人様、お嬢様」
「おはようございます」
「おはようございますにゃ」
「おはようございますなの」
リビングに俺達5人が入るなり、タリアが挨拶をし頭を下げると、それに続きサティア、ココ、アルカ、エマルが一斉に頭を下げながら挨拶をするという光景に、ミリー以外がたじたじとなる。
「お、おはよう皆、えと、わざわざそうやって整列して待ってたの?」
「先程朝食の準備が終わりましたので、そろそろ起きてく来られる頃だと思い、皆を待機させておりました」
「なるほど、えとタリアさん、もっとこう堅苦しいのは無しで気楽にお願いします」
「気楽に、でございますか?分かりました、御主人様がそう望まれるのでしたら、その様にさせて頂きます」
メイドとしてそんな事は出来ません!なんていった事も無く、あっさりと要望に答えてくれる様で嬉しい限りだ。
こうして、早速ルールに一つ、あまり堅苦しいことは無しという項目を付け加える事となり、ミール達もそれぞれ「おはようございます」と挨拶をしながら席に座る。
その際にメイド達が俺達の椅子を引こうとしてくれたが、それもしなくていいよと伝えるが、これだけはさせて下さいとお願いされてしまった。
まぁこれくらいは俺達が慣れる事にしようと思い許可を出す。
それぞれが席に着き、朝食を頂きはじめる。
今朝のメニューは、パンとサラダ、そしてスクランブルエッグだった。
・・・あれ?こんな食料あったか?
疑問に思い、タリアに聞くと、どうやらタリアがアイテムボックス持ちとの事で、昨夜と今に浮かんだ疑問が同時に解決した。
「ところで御主人様、一つ決めていただきたい事がございます」
「ん?何を決めるんだ?」
「メイド長を指名して頂きたいのです、現在はメイド歴が一番長い私が仮のメイド長をさせて頂いておりますが、やはり御主人様にちゃんとしたメイド長を私達の中から指名して頂きたいのです」
俺としてはタリアが風格からもメイド長としてピッタリだと思うのだが、とりあえず他の人の意見聞いて見たいと思い、サティア、ココ、アルカ、エマルの4人にも聞いて見る。
「俺はタリアさんがメイド長で言いと思うよ?他の4人はどう思う?」
「私はタリアさんがいいと思いますわ」
「私もタリアがメイド長で良いと思うにゃ」
「私もタリアさんが良いと思うの~」
「・・・タリアさんが良いかと・・・」
結果、見事に全員がタリアを指名したのだった。
「と言う事でタリアさんを仮ではなく、ちゃんとしたメイド長として指名します!」
「有難うございます、皆様からの指名にお答えできるよう誠心誠意努力させて頂きます」
ここに真のメイド長として就任したタリアは頭を下げ礼を述べる。
その後朝食も終わり、メイド達が片付けを終えると、王都へ出かけるための準備をする。
王都へ一緒に行くのは昨日決めた通り、俺、ミリー、タリア、アルカの4人だ。
「それじゃ、俺達は王都へ行って来るから、ミール、木の伐採よろしくね」
「はい、頑張って伐採しておきますね!」
両手を胸の前でグッっと握り、任せてください!とその瞳からも伝わってくる。
「それからノアとシアはここをモンスターから守ってくれ」
「はい、お任せください主様」
「任せてよ!主様が居ない間私達がしっかりここを守るから!」
二人とも自信を持って返事をする、この二人になら任せても大丈夫だろう。
「サティア、ココ、エマルの3人は何か会ったらすぐにノアとシアに言ってくれ」
「はい」
「はいにゃ」
「はい、マスター」
「ナツキ~ボクも付いて行く~」
そう言いながらこちらに向って飛んで来るサラを受け止め、頭に載せる。
「じゃあ行って来るな」
「「「いってらっしゃい」」」
「「いってらっしゃいませ」」
「いってらっしゃいにゃ~」
こうして俺、ミリー、タリア、アルカの4人とサラ1匹は俺のテレポートで王都の門の前へと転移する。
町の中へ直接しないのは、一応このスキルの事を知られたく無いからである。
町に入るため門番の兵の下へいくと、ミリーを見た兵が敬礼をする。
「ミリーエル王女様!?どうぞ!お通り下さい!」
「あの~私は今はもう王女では無いですよ?旦那様の奴隷でございますから、そんなに畏まらないで下さい」
笑顔で自分は奴隷だと言うミリーに、俺は苦笑いを浮かべる。
「は、はぁ・・・いえ!しかしナツキ様の奥様でもありますので!」
そんなやり取りをしていたせいか、町に入る前から少し疲れた気がするが、とりあえず今日の目的の為、俺達は奴隷商へと今日も向う。
「いらっしゃいませナツキ様!昨日に引き続き今日もご来店頂けるとは!して、今日のご用件はどういった事でございましょうか?」
手揉みをしながら俺達を向かえたのはこの店の店主であるドルトルだった。
「ああ、実はドルトルさんに水色と白の縞々の服を着てもら・・・いや、違う!」
「水色と白の縞々でございますか?」
いけない、以前から思っていた事を口に出してしまった。
「すまない今のは忘れてくれ、そうじゃなくて、今回私は領地を頂いたので町を造る事になりまして、その町で働く人材が欲しいのです。
なのでドルトルさんの所にいる奴隷の人達を一通り見せて頂けませんか?」
「町を、でございますか?なるほど分かりました。
では此方へどうぞ」
ドルトルに着いて行くと、店の地下へと続く階段を下りて行く。
そこには幾つもの牢屋の様な部屋があり、一つ一つに何人かの奴隷達が入っていた。
「ナツキ様、今回お選びになる奴隷のご要望はございますか?」
「ああ、まず農業の出来る人、それから捕ってきた獲物の解体が出来る人、後は商売の経験がある人だな、ああ、それと町の警護の為、ある程度戦える人が欲しい」」
「わかりました、ではまず戦闘用奴隷から御案内致しましょう、此方へどうぞ」
そう言って奥へと歩いて行くドルトルについていくと、一つの部屋に辿り着いた。
ドルトルの話ではこの部屋に居るのは、元冒険者の男女や他国の元兵士等らしい。
解析スキルで一人ずつ確認して行くと、3人ほど気になる人物を見つけた。
「えと、まずあそこに居る女性、それとあちらの女性、それからあの隅にいる男性とがよさそうですね」
「分かりました、一度上に戻って面接をしますか?」
「いえ、他の人を選んでから、後で纏めて話しをします」
「分かりました、では次は獲物の解体の出来る者と商売の経験がある者ですね、どうぞこちらへ」
選んだ3人を連れ、俺達は次の部屋へと付いて行く、そこは、今居た部屋から3つ隣の場所にある部屋だった
ドルトルはその中から二人の男を呼び出した。
「こちらの男は以前ギルドの素材屋で解体作業をしていた経験のある者で、こちらの男が商売の経験がある者でございます」
「じゃあその二人をお願いします」
「畏まりました、では最後に農業をしていた者達の所へ御案内致します」
商売と解体の経験のある二人はあっさりと決まり、その二人も連れ俺達は次の部屋へと歩いていく。
「ここから入り口の場所までの4部屋が全て農業をしていた者達です」
「えと、ここの中に一家族、もしくは後ろの5人の家族はいますか?」
「はい、もちろん居りますとも、連れて参りますので少々お待ちください」
そう言うとドルトルは、今居る部屋の隣から、30歳位の夫婦と6歳くらいの少女といった家族を、そしてさらにその向こうの部屋の中からは、50歳くらいの夫婦選び、最後に入り口に最も近い部屋の中から商売経験者の妻を連れて来る。
「この者達がナツキ様の条件に合う者達でございます。
これでナツキ様の要望は一通り揃ったかと思います。
ところでナツキ様、昨日ナツキ様のお帰りになった後に、珍しい奴隷がウチに来ましたのでご覧になって行きませんか?」
ドルトルが進めてくる珍しい奴隷というのが気になり、その奴隷を見せて貰おうと、先程選んだ奴隷達とミリー、タリア、アルカの3人には面接用の部屋で待っていて貰う事にし、呼び出された店の従業員と共に上へと向うのを見届け、俺とドルトルの二人は、件の奴隷が居るという、一番奥の特別な部屋へと向った。
例の部屋へと向う途中、ドルトルが「本来あのような奴隷は表に出さないのですが、ナツキ様はもうお得意様なので、是非ご覧になって頂きたいのです」と言い出した。
1度目の来店はミールを買った時、2度目にこの店に来たのはノア、シアの二人を買った時、そして3度目は3人の新しい首輪の変わり探し、ついでにミリーとの奴隷契約をする為に来ている。
そして本日で4度目となり、ドルトルとしては、もう俺はお得意様扱いになっているらしい。
次回 第29話 ナツキの新たなる噂
土曜日、日曜日と空いた時間にこの1話を書いていたのですが
文字を見続けていると凄く眠たくなって、寝落ちする事が度々・・・
おかげで全然作業が進んで無い!
そういった事もあり、更新が遅くなってすみません!!!
どうでもいいかもしれませんが、訂正するところに気づいて直してたら、地震発生してビックリ!




