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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第27話 そうだ!|住人《奴隷》を買おう

メイド達の部屋のそばにある青い暖簾が掛かった扉の先、そこにはまるで銭湯にあるような10畳程ある広さの脱衣所となっていた。

ここには10人分の棚があり、どの棚にも脱いだ服を入れる篭が設置してある。

俺の後ろをついて着ている皆がこの脱衣所をみて、珍しいタイプだと辺りを見渡していた。


「じゃあこれから風呂の準備をしたいと思う!ノア、すまないが手伝ってくれ」


「はい、何を致しましょう?」


「とりあえず風呂場の方に来てくれ」


呼ばれたノアは俺の後から風呂場へ続く扉をくぐり、その後ろから残りの皆もゾロゾロと付いて来た。

この風呂場は石材の壁と地面はタイルで作ってあり、この室内の中央には直径4mの木材で造った風呂がある、この世界に檜が無いので、檜風呂では無いのが残念なところである。

そしてこの風呂場の壁際には10人分の身体を洗うスペースがあった。


「ノア、そこの中へ水魔法をつかって水をいっぱいまで入れる事はできるか?」


「可能です、お任せください」


そう言うとノアは風呂の傍に立ち、ウォータという魔法で蛇口を限界まで捻った程の勢いで水を出し、風呂の中に溜め始めた。


「すごいの、ノアお嬢様のウォータの魔法でお水がどんどん溜まっていくの」


「それよりもノアお嬢様の魔法のコントロールがすごいにゃ、本来のウォータはもっと勢いよく水が跳ぶ魔法のはずにゃ」


奴隷商で二人を買うときシアが言っていた様に、今のノアは器用に魔法の威力をコントロールしているらしい。

ココが言う様に、本来のウォータはもっと水圧が高く、ちょっとした的くらいなら簡単に破壊する程の威力があるのらしいのだが、今回ノアが使っているウォータは加減して使っている。

そんなノアの魔法のおかげで、風呂の中いっぱいにするのにそれ程時間は掛からなかった。


「これでよろしかったでしょうか?」


一仕事終えたノアの額に汗が滲んでいる、魔法のコントロールにかなり集中していたのだろう。


「うん、ありがとなノア」


お礼を言いながら俺はノアの右耳を摩ってやると、ノアは表情を赤くし、悦に浸っていた。

それを見ていたシアが羨ましそうにしていたので、風呂場でじっくりと摩ってあげようかな。


「さて、次は俺の番だな、この風呂いっぱいに張った水に・・・」


そう言いながら、俺は右手に直径30cmほどの火の玉を作り出し、それをノアの入れてくれた水の中へと入れる、するとたちまち水は温度を上げ、少し熱めな所で魔法を止める。

俺もこの程度なら調節は可能だが、いつかノア位器用に調節出来るようになりたいと思っている。


「よし!これで風呂の準備完了だ!」


「お疲れ様ですナツキ様、それにノアもお疲れ様」


「ささっ旦那様、早く皆でお風呂に入りましょう、もちろんメイドの皆さんもですよ?」


「わ、私達もでございますか?」


「ええ、皆で一緒に入り私達とメイドの皆さんの親睦を深めましょう」


「分かりました、ではお風呂を御一緒させて頂きます」


こうしてミリーの提案により、ここに居る全員が一緒に入る事が決まった。


風呂の準備が終わり、俺達は一旦脱衣所に戻り、各自服を脱ぐと、設置してあるカゴの中へと服を入れ、脱ぎ終わった人は再び風呂場へと入って行ってもらう事にする。

俺は直ぐに脱ぎ終わり一番最初に風呂場へと入ると、まず掛け湯をし、その温度の確認をしていた。


「うん、良い湯加減、これなら気持ちよさそうだ」


そう言ってって俺は風呂の中へと入っていく。

丁度そこへ服を脱ぎ終えた皆が風呂場へと入ってきたようだ。

俺はそんな皆の生まれたままの姿を見ようとするが、大量の湯気が邪魔をしやがる。

チクショウ!換気扇を作るべきだったか!?


そんな事を考えていると、小さな人影がこちらに向って来ていた。

人影が近くにきて、それがミリーだと分かる。

何度か見ている生まれたままの姿のミリーをみて、ムスコが元気になっていたのだが、気づかれて無いはずだ。


目の前にきたミリーはその手に持っていた布で俺の目を隠そうとする。


「旦那様、すみませんがメイドの皆さんの為にも、今回は目隠しさせて頂きますね」


「ああ、そういうことね、まぁ仕方ない事だしいいよ」


「ありがとうございます」


そういってミリーはチュッと触れ合う程度のキスをした後、入り口辺りに待機していた皆を準備ができましたと声を掛けた後、俺の隣へと入ってきた。

そしてミリーの声を聞いた入り口辺りに居る皆がこちらにやってきて次々と風呂の中へと入る。

俺は今、目隠しはしているがなんとなく皆のいる位置は分かる、これは探知スキルのおかげなのかな?

今この風呂には、俺の右側にミール、そのさらに向こうにノアで、俺の左側にミリー、その向こうにはシアが入り、俺の向かい側には左から、サティア、エマル、タリア、ココ、アルカの順で座っている様だ。


「気持ち良すぎて身体がとけちゃいそうです」


「ボクもうお風呂無しじゃ生きてけなくなりそうだよ~」


目隠しをしていて見えないが、どうやらミールとシアはとても気持ち良さそうだ。


「ミールもシアも大袈裟ですよ、ミリーを見習ったらどうですか?」


「そんなこと言ったって姉さん、ミリーも気持ち良さそうだよ?」


「あうぅ~お城にあるお風呂より気持ちいい」


どうやら、ミリーにもこの風呂を気に入ってくれているみたいだ。

でも確かにとても気持ちが良い、城で入った時も久しぶりのお風呂で気持ち良かったのだが、この風呂はそれ以上に気持ち良く感じるのはなぜだろうか?


「なんだか、さっきまでの疲れが嘘の様です、この様な素晴らしいお風呂にご一緒させて頂ける事、ご主人様に感謝します」


「タリアさんの言う通りなの~このお風呂すっごく癒されるの~」


「そりゃそうだよ~ナツキの精霊魔法で温めたお湯だから。癒しの効果があるんだよ~」


突然頭上からサラの声がしたと思ったら、俺の頭の上に乗っかる。


「え、そうなのか!?」


「精霊達が言うには、ナツキがこのお風呂の水に精霊魔法使って温度調節した時、疲れが取れる気持ちの良いお風呂にしたいって考えてたでしょ、だからそれが主の命令と思った精霊達はその力をこのお風呂に混ぜたらしく、このお風呂には癒しの効果がついたみたいだよ」


こうして俺達は、精霊の力というものの凄さを改めて知る事となったお風呂となり、暫く俺達はこのお風呂で癒しの効果を味わい続けながら、今後の事について話し始めた。


「ところで旦那様、明日からはどうしますか?」


「とりあえず明日は奴隷商の所に行こうと思っているんだ、そしてこの地で農業をする奴隷を買いたいと思う。

あとは、警備用に戦える奴隷もほしい所だな」


まだこの地には何も無い、そしていつモンスターが周りの森から出てくるとも限らないので

まずはそこをどうにかすべきだと俺は考えていた。


「それから、必要な物も買い揃えたいと思っているので、風呂からでたらそれぞれ必要だと思う物があれば言ってくれ」


「ではナツキ様、明日はナツキ様と一緒に王都へ出かける人と、その間ココを守る人を決めておきましょう」


「そうだな、まず俺と一緒に町に行くメンバーだが、ミリーとタリアさん、それにアルカの3人について来て貰おう、残りの人はココで留守を頼む」


もし買い物チームがいない間にモンスターが出た場合を考え、戦えなさそうなメンバーを買い物チームに選ぶ事にした。


「わかりました、ナツキ様の留守の間、ここは全力でお守りします!」


まぁ今のミールやノア、シアが入ればまず大抵のザコがいくら来ようと問題は無いだろう。


「ああ、頼むよミール、それにノアとシアも頑張ってくれ、それとミールにはもう一つ仕事を頼みたい」


「何ですか?」


「買ってくる奴隷達が住む家の為に木を切っておいてくれ、流石に野宿させる訳にはいかんから、簡易的な家でも造ろうと思うんだ」


「えと、どれ位の木が必要ですか?」


ミールに言われ、少し俺は考え、必要な量を計算していく。


「ざっと60本~70本の木を頼む」


「分かりました」


こうして明日の予定も決まった所で話し合いが終わると、メイド達は寝床の用意をする為に先に風呂を出て行き、俺は、目隠しを外してもらえ、肌色のパラダイスを見ることが出来、俺達のイチャイチャタイムが始まったのである。



次回 第28話 俺は奴隷商のお得意様?

すみません、火曜日から熱が出てて、物語が全然書けず遅くなりました。

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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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