第23話 日曜大工のノリで
前話から3日目となった今日、早く続き書いて投稿しなきゃ!という
脅迫観念のようなものに駆られてました・・・なぜでしょうか・・・
食事が終わった後、部屋に戻るとタリアがオルリア山へ行くための馬車を用意してきますと言い出した。
そんなタリアに、移動は俺のテレポートで行くから馬車はいらないという事と、俺たちが出かけてる間に各自の着替えや、必要だと思える私物を纏めておいてと言い残し、俺は、ミール、ノア、シア、ミリーの4人と俺のペット・・・じゃなかった精霊王のサラを頭に乗せ、町の道具屋へと向かった。
というのも今回、俺はオルリア山で大量の魔力を消費する予定なので、それなりに数のマジックポーションを確保しなければならない。
とりあえずマジックポーションは、30本と少し多めに購入する事にし、ついでに必要だと思い料理道具も一式買う事にした。
こうしてこの店で掛かった費用は8000コルとなり、支払いを済ませた後、受け取った商品を纏めてをアイテムボックスへ放り込み、道具やを後にする。
次に俺達は奴隷商ドルトルの店へとやってきた。
昨日ノア達と約束した新しい奴隷用の首輪の調達と、自分も俺の奴隷になるとか言い出した困った嫁の為だ。
「おお、ようこそいらっしゃましたナツキ様、本日はどのような奴隷をお求めでしょうか?」
いつみてもピンクと白の縞々模様の服を着せたくなるドルトルが手もみをしながら店の中から出てきた。
「奴隷も近いうちに買いに来る予定だけど今日は違うんだ、ミール、ノア、シアの3人の新しい奴隷契約の首輪が欲しいのと、こっちのミリーと奴隷契約をしたい」
ドルトルはミリーと呼ばれた少女をみて驚いた。
それもそのはず、そこには先日、町の中央で盛大な結婚式を挙げたばかりの王女様が居たのだ、しかもあろうことかその夫である俺と奴隷契約をするなんて言っているのだから驚くのも当然だと言える。
「ミリーエル王女様とナツキ様がですか!?」
「ああ、ミリーが一緒に嫁となった他の3人と同じ立場になる為だって言い出したんだ、しかも親である王と王妃の許可も出たんだよ、まぁそんな訳でとりあえず頼むわ」
「どうなれば、王様と王妃様の許可がでるのやら、しかし、それよりも気になるのは正規の手続きなしで奴隷契約の首輪が取れたことですが・・・」
「眷属契約っていうのをする時に取れたんだ」
「眷属契約とはいったい・・・?」
「旦那様はこの国の守護者である火の精霊王様と契約し、主となった旦那様は自分の奴隷であるミールさん、ノアさん、シアさんと眷属契約をしようとしたその時に、奴隷の証である首輪が取れたのです」
ドルトルの疑問に、ミリーが代わりに答えてくれたのだが、そういう事って簡単に話していいものだろうか?
「なるほど、ということはきっと眷属契約をするために障害となる為に外れたのだと推測されます」
「あ~なるほどな、まぁ兎も角この3人が首輪が無いと困るらしいから、新しいのを頼む、それに今日はミリーとも契約もしなきゃならないしな」
俺の言葉に、ドルトルは最高の営業スマイルでズズっと距離を縮めてきた。
「そういう事でしたらナツキ様、最近水の国でも人気が出てきた、各ランクの奴隷専用の首輪やチョーカーを入荷いたしましたので、そちらの方など如何でございましょう?
例えば、その3人の奴隷はランクB、戦闘用でござましたね?なのでこちらの戦闘用奴隷専用の首輪やチョーカーは如何でしょうか?まぁお値段もそれなりにしますが、多少ならお安くも出来ますよ?」
「それぞれどれくらいの値段だ?」
「はい、まず愛玩用のは安いやつで5000コル、高いやつだと2万コル程となりますね、次に戦闘用の首輪やチョーカーですと、安くて4000コル、高くて1万コルです、そして最後に性奴隷用、こちらは安いので3000コル、高くて5000コルです。
まぁ、取りあえず現物を見てから決めて頂ければと」
そういってドルトルの用意したのは、首輪というよりも色とりどりなチョーカーだった。
因みにドルトル曰く、愛玩用には皮製の首を隠しきるほどの太さの首輪や、戦闘用がつけるのとは違い、宝石が取り付けられたチョーカーがあるそうだ。
そして性奴隷用、こちらはミール達が最初に着けていた黒い皮製の首輪か、犬や猫に着けるような首輪だけだった。
「へ~結構3人に似合いそうだな。
よし、それじゃミール、ノア、シア、3人はこのチョーカーの中から好きなのを選んでくれ」
「ホントにいいんですかナツキ様!わ~、どれにしようかな~」
「ありがとうございます主様、では私も選んできますね」
「ボク達のためにありがとう主様!それじゃボクも選んでくるよ」
それぞれ一言ずつお礼を告げ、自分用のチョーカーを探しに向かう、そしてその間にドルトルに俺とミリーの契約をしてもらう事にする。
「さて、最後の確認をさせて頂きます。ミリーエル王女様、本当によろしいのですね?」
「はい、お願いします。」
「ではナツキ様、ミリーエル王女様に付ける奴隷の証を選んでください」
ドルトルに言われ、俺は愛玩用奴隷専用で、ミリーの瞳と同じ色の少す大きめのエメラルドが取り付けられたチョーカーを選んだ。
「そちらのチョーカーと言う事は、ミリーエル王女様は愛玩用奴隷となりますがよろしいですかな?」
「ああ、さすがにミリーに戦闘はさせられないしな」
「わかりました、ではそのチョーカーをナツキ様の手でミリーエル王女様の首へ取り付けて下さい」
俺はミリーの前に立ち、ミリーの首へとチョーカーを取り付ける。
「最後に、その宝石にナツキ様の血を一適でいいので垂らして頂ければ、それで契約は完了いたします」
ドルトルからナイフを受け取り、人差し指の先をナイフの先端でチクリと刺すと、血がプクッと出てくる、それをミリーの首で光を受けて輝いているエメラルドの宝石に垂らした。
するとエメラルドが一瞬輝き、その宝石の内部に所有者ナツキと刻み込まれていた。
相変わらずどういう原理でこうなるのかサッパリ解らないが、これもファンタジーの一言で片付けておくとしよう。
「これでミリーエル王女・・・いえミリーエルはランクA奴隷、つまり愛玩用奴隷としてナツキ様と契約が完了しました」
「これで私は旦那様の妻であり奴隷になれたのですね。ふふっ、どうかこれからもよろしくお願いしますね、ご・しゅ・じ・ん・さ・ま♪」
「ミリー、ご主人様は禁止、せめて今まで通り旦那様のにしなさい」
「はーい♪」
俺の注意に笑顔で答えるミリー、その表情はとても嬉しそうだった。
自ら奴隷になってここまではしゃぐのは、この世界でもミリー位だろう・・・
「あ、ミリー、ナツキ様と契約終わったんですね、それにそのチョーカーに付いている宝石、ミリーの瞳と同じでとても綺麗」
「ありがとうミール姉様♪ミール姉様はそのチョーカーにするのですね、よく似合いそうです」
ミールの手には、真っ赤で光沢を放っているチョーカーが載っていた。
「ミリー、ボクはこの色にしようと思うんだけど、似合うと思う?」
「ミリー、私はこちらの色なのですがどうでしょうか?」
シアが持ってきたのはシルバーのチョーカー、そしてノアが持ってきたのはゴールドのチョーカーだった。
ミールとノアとシアが持ってきているのはランクB用奴隷の分でミリーの物とは違って、チョーカーの前面には、宝石ではなくネームタグがついていた。
「シアお姉ちゃんとノアお姉様もお似合いだと思います!シアお姉ちゃんのは明るくて元気なイメージが、ノアお姉様は利発的なイメージといった感じがします」
「えへへ~ありがとうミリー」
「ミリーにそう行っていただけると嬉しいですわ」
3人の会話はまさに女同士で買い物に行った時その物って感じがする。
とても仲睦まじそうでよきかなよきかな。
「さぁ、ミール、ノア、シア、こっちにおいで、皆の選んだチョーカーを着けて上げるから」
「「「はーい」」」
「ほっほっほ、ナツキ様達ホント仲がよろしいですな」
その後、俺は各自の手に持ったチョーカーを受け取り、それぞれの首へと取り付け、ネームタグへと血を一適ずつ垂らして行き、俺達は無事契約を済ませてる事が出来た。
こうして奴隷商での用事も終わり、さっさと今回の支払いを終わらせて、店を出て行った。
因みにここの店で使った金額はチョーカー代4つで4万5000コルとなったが、それでもまだ手持ちには2030万コル以上あるからまだまだ余裕だ、問題ない。
さて、次は食料の買い足しをしておこうと、俺達は前にも来た、八百屋らしき店〔山の幸〕へとやってきた。
とりあえず、ジャガイモ、玉ねぎ、ニンジンの3点を多めに購入しておく。
ここでの出費は610コルとなったが、纏めて買ったので店の亭主が600コルとおまけしてくれた。
買い取った野菜もアイテムボックスに放り込み、こうして買い物等の用事は終わり、俺達は城へと戻ってきた。
俺達がミリーの部屋へと戻ると、タリア、アルカ、ココ、サティア、エマルの5人が部屋へと入ってきた。
「さぁ、これで必要な物は揃った、タリアさん達の方も準備出来ましたか?
「はい、こちらも準備は整っております」
「よし、それじゃオルリア山へと行こうか」
出発の準備が整った事を確認し、俺はこの部屋に居る全員を纏めてオルリア山の登山口へとテレポートした。
そうしてオルリア山に到着した瞬間、さすがに消費が大きすぎるため、ものすごい脱力感が俺の身体を襲ってきた。
すぐさま1本目のマジックポーションを飲み干し、魔力を回復させる。
この世界のマジックポーションは、ゲーム等で出てくる物と違い、1本飲むと全回復するという優れものなのだ。
まだ最大MPが少なかった時は最大まで回復する事に違和感が無かったが、さすがに1000を超えるMPが1本で全回復するのに驚いたものだ。
「うっし、んじゃとりあえず仮拠点となる場所を選ぼう、サラ、どこかお勧めはないか?」
「ん~そうだねぇ、たしかあっちに小さいけど湖があったはず、そことかどうかな?」
「よし、んじゃそこに案内してくれ」
「は~い」
「ということで、皆出発・・・・」
サラに案内を頼み、いざ出発!と言おうと思い後ろを振り向くと、そこに居た5人のメイド達が、つい最近見た事あるような事になっていた。
そう、ダークドラゴンを追っかけて城の入り口にテレポートした時のミリー達と同じなのだ。
「あ~、ゴホン!」
わざとらしく咳きをすると、メイド達が我にかえる
「す、すみません!テレポートというスキルの凄さに驚きが隠せませんでした」
「わ、わたしもなの・・・ホント凄いスキルなの・・・」
「あらあら、私とした事が驚きのあまり固まってしまったのですね、申し訳ありませんご主人様」
「一瞬で景色が変わったってびっくりしたにゃ」
「マスター凄い」
上からタリア、アルカ、サティア、ココ、エマルだ
そう言えばこの5人「はい」という返事以外の言葉を聞いたのはこれが始めてだ。
「んじゃ改まって、出発だ!」
サラを先頭に、俺とミールがミリーを間に挟むように歩き、その後ろに5人のメイド達、その後ろをノアとシアの双子という形で森の中を進んで行くと、森の中に小川の水が流れ込んでいる直径20M程の湖があった。
湖は俺の腰くらいの深さに見える。
そう、この湖は底が見えるほど綺麗で透き通っており、何匹か川魚が見えている。
「おお、とってもいい所じゃないか!ナイスだサラ」
良い場所を紹介してくれたサラを胸に抱き、頭を撫でてやる。
こうしてると、ホントにこのサラが精霊王なのか疑わしく思えて仕方ないが、本人も撫でられているのが心地よさそうだから気にする必要は無いだろう。
サラを一通り褒め、ふと周りを見ると、全員がこちらを羨ましそうに見ていた。
もちろんメイド達も含んでの全員がだ。
「あ~ゴホン!よし!それじゃこの場所に開拓して行く為に拠点を作ろうと思う!」
「ナツキ様、私達は何をすればいいでしょうか?」
「ミールは俺と一緒にこの湖周辺の木を切ってくれ、メイドの皆は食事の準備を、道具は買い揃えてあるからソレを使ってくれ。
ノアはメイドの皆を手伝いながら、周囲の警戒を頼む、モンスターが襲ってこないとも限らないからな、シアとミリーはノア達の姿が見える範囲で、焚き木に使えそうな枝を集めてくれ」
「あれ?ナツキ、僕は?」
「サラは適当にその辺で寝てていいぞ、んじゃ皆、張り切って行こう!」
「「「「はい!(うん!)」」」」
「「「「「お任せくださいご主人様」」」」」
俺の嫁達もだが、メイド達も息ピッタリだな。
俺はアイテムボックスから料理道具を一式取り出しメイド達へと渡す、ミールもその間に、ヴァルキリー化(自己強化を俺が勝手にそう名づけている)し、俺達二人はとりあえず目の前に生えている木を出来るだけ根元の所からバッサリと切り倒し始めた。
今の俺とミールならではの伐採行為だ。
黙々と伐採を進めていると、湖周辺の木はあらかた切り倒し終えた。
こうして拠点予定となる湖周辺、約100M四方の見渡しも良くなった。
だが、まだ切り倒した木の後に切り株が残っているので、それらは創造で地面より高い部分だけを使った、幅20cm、長さ1M、厚さ5cm程の板へと作り変えていった。
地面より下の部分まで使うとこの辺り一帯が穴だらけになってしまうしな。
切り倒した木を俺がメイド達のいる場所まで運び、ミールはその間に俺が創造で作った板を集めて運んで行く。
「よしミール、次は少し大きめの岩を集めるぞ」
「は~い♪」
いくらステータスが高くても女の子には重労働かな?と思えたが、ミールの返事から察するに、きっとこの作業を楽しんでいるのだろう。
ミールの元気の良い返事の後、俺達二人は拠点となる場所から少し離れ、岩を探し始める。
この世界では家に入るにも靴を脱いだりはしないのだが、俺の作る家は土足厳禁の予定なのだ、なので玄関で靴を脱ぐ場所は必要となる。
俺としてはその玄関はどうしても石系の素材で作りたいのだ。
ミールと二人で少しの間探していると、直径1m程あろうかという、少し大きな岩を発見した。
俺はそれをテレポートで湖の傍に集めた木のすぐ近くへと運び、素材集めは完了となった。
「よーし、それじゃ家を建て・・・いや、造りますか!」
俺は集められた木と岩に手を掲げ、造る家の構造をイメージで固めて行く。
まず最初に家の外見だが、これはログハウス風がいいだろう、外見が決まると次は内装だ。
まずは玄関、そこの地面は石材で作り、靴箱を設置する事としよう、そして次は部屋数だ、俺達は同じ部屋としてメイド達も5人で1部屋で我慢してもらおう。
そして簡易的ではあるがキッチンもいるな、あとこれだけは譲れない!そう、風呂だ!俺達5人が一緒に入れる程度の広さは欲しい!
後はトイレもいるな、これは人数も多いので、2つは作っておこう。
よし、とりあえずこれで家のイメージは完成だ!
こうして俺はイメージした家を創造を使い、半分ほど造ったとこで魔力が尽き、本日2本目のマジックポーションを飲み、残りの半分も完成させた。
こうして俺達の拠点となる家は空が茜色に染まる頃にアッサリと完成したのであった。
そして丁度その頃、ノアとシアそれにミリーやメイド達が準備してくれた食事が出来たので美味しく頂き、食事が終わると、俺は、今夜早速風呂に入ろうと準備を始めた。
次回 第24話 姉




