第226話 消滅確認!そして…
最後の方で誤字、というよりも表記できない文字を使用してしまっていたせいで、[?]になっていた部分を訂正しました。
次回タイトル変更しました。
[世界を蝕む闇]の体を起点に眩い光が広がり、洞窟内は一瞬にして光に埋め尽くされる。
そして次の瞬間、起点となった[世界を蝕む闇]の足元で大爆発が巻き起こり、轟音とそれによる空気の振動が俺達へと襲いかかってきた。
音と空気の振動だけで済んでいるのは、もちろんシルフとディーの二人による結界&ウィンドシールドのおかげだ。
そんな二人の防御魔法のおかげにより、爆発の余波で洞窟内が崩れる事にもならずに済んでいる。
後でお礼を言っておこう。
そんな風に思っていたのだが、聞こえてきたシルフの声で、それどころでは無くなった。
「ナ、ナツっち、ヤバイよ!これ以上この洞窟を守りきるのは無理そうだよ!」
爆裂魔法による影響で洞窟が崩れないよう、周囲にもウィンドシールドを張っていたシルフが限界を告げたのだ。
「ま、待て、もう少しだけ耐えてくれ!」
そう言ってすぐにアイテムボックスからマジックポーションを取り出して一気に飲み干した俺は、急ぎ多めに魔力を込めたウィンドシールドをシルフの張っていたウィンドシールドを覆うようにして張る。
「ふぅ、危なかった」
丁度そのタイミングで魔力の限界が来たのか、シルフはウィンドシールドを解除すると同時に、安堵の溜息が吐きながら地面にペタリと座り込む。
そんなシルフをエルは拾い上げ、両手で抱きかかえていた。
「で?肝心のアイツはどうなったんだ?」
小竜を抱えるエルという、可愛さ満点な絵面から目を離し、ディーの張っていた結界の中を睨む。
結界内で舞い上がっていた土煙はほぼ収まっており、そこには巨大な影どころか、飛び散った肉片等は何一つ残っていなかった。
あるのは、爆裂魔法によって抉られて出来た、直径20m程のクレーターくらいである。
流石にあのとてつもない力を元にして使用したエクスプロージョンを食らっては、体の一部すら残す事は出来なかったのだろう。
そもそもシルフとディーの二人による、ウィンドシールド&結界で閉じ込めており、その内部で爆裂魔法が起こっていたのだから、まず不可能だと思われる。
「どうやら、完全に消滅させる事が出来たようですね」
「みたい、だね」
クレーターを覗き込みながら、ノアとシアはそう言う。
それを聞いた俺は、最後の[世界を蝕む闇]を倒す事が出来たという安心感と、一日に2度も精霊王の力を使った事で襲い掛かって来た反動により、体から力が抜け、そのまま地面に座り込んでしまう。
そしてそれと同時に、俺が張っていたウィンドシールドも解除されてしまう。
するとウィンドシールドによって支えられていた天井の土や岩等が、徐々に崩れ落ち始めてきた。
「ちょ!、ちょっとナツキ!?」
「スマン!流石に力を使いすぎた反動と、アレを倒せた安心感で魔法を維持出来なくなっちまった!」
洞窟が徐々に崩落を始め、すぐにでもここから脱出しなければならない。
しかし、2度に亘る精霊王の力の使用、そして大量の魔力の消費からのマジックポーションによる回復、そして再び大量の魔力の消費という無茶をしたせいなのか、体に力が入らず、動く事が出来ない。
「ディー!俺達をこの洞窟の外まで転移させてくれ!」
「わかりました!皆さん、ナツキさんに摑まって下さい!」
それを聞き、皆が俺の体に摑まったのを確認すると、ディーは即座にテレポートスキルを使用する。
一瞬にして景色が変わり、俺達の目の前には大きな洞窟の入り口がある。
どうやら無事脱出に成功したようだ。
次回 第227話 二人の女神とお礼




