第2話 冒険者になるために
訂正と変更
アブソープの初使用の箇所の文章を少し変更しました
アブソープの説明が変更し忘れていたので
そちらも変更しました。
「とりあえず助かったが、このままだと危ないし少し離れるか」
猪のような生き物から何とか生き延びた俺は、ひとまずその場から離れ、距離をとった所でモイラがいってた説明書とやらを見ようと、アイテムボックスを開いて見る事にする。
「たしか念じればいいだけだったな」
(オープン!)
突如目の前に透明のプレートが出現し、そこには中に入っているアイテムの名前が浮かび上がっていた、
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ボックス収納限界なし
説明書X1
財布(104649C)
ショートソードX1
肉まんX1
水1リットル
メモ帖X∞
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メモ帖の個数∞ってなんだよ・・・あとなんでお金はこんなに中途半端な数字に・・・
とりあえず女神様が言ってた説明書を取り出してみるとしよう
その説明書というのは一枚の紙切れで、そこにはこう書かれていた。
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其の1 この国の通貨はCコルといいます
1コル=100円だと思ってくださいね
其の2 基本的にスキルは念じることで発動できます
楽でいいでしょ?♪
其の3 最初は自分のステータスの確認をする事
これも簡単、ステータスと念じるだけよ
最初だけスキルの説明が出るようにして置きました
其の4 目的地の王都は北を目指せば辿り着けます。
あ、方向音痴にならないスキルを授けておきました
其の5 魔法は慣れるまで念じただけじゃダメよ
以上です。後は自分で頑張って下さいね♪
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うわ、なんかすごくサラッっと書いただけのような説明書だなこれ!
「ま、まぁ、ステータスの確認してみるか」
(ステータス!)
目の前に透明のプレートが現れ、そこにステータスが表示された
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加賀 奈津希 男 20歳
LV1
HP 30
MP 30
STR 10
VIT 10
AGI 10
INT 10
DEX 10
LUK 10
スキル
ステータス&スキル隠蔽(レベルの平均的な数字に変換されます)
アブソープ(倒した敵の最大ステータスとスキルを吸収できる。
対象を指定する際、有効範囲は5mまで)
完全解析(あらゆるものを鑑定可能)
融合と分解(物や魔法を融合したり分解することができる)
言語マスター(アルカレイドの世界の言語全てを扱える)
テイムマスター(ただし自分より強い敵は不可能)
癒しの加護(使う魔力により回復効果上昇 状態異常を直すことも可能)
創造(説明と注意事項は説明書の裏を参照)
方向感覚マスター(これで貴方は迷子になる事は無い・・・はず)
探知マスター(周囲の生き物を探知する事ができる、但し距離はDEXに依存)
時空魔法 LV5 (魔法の種類は時空魔法って意識すれば見えます)
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ステータスALL10ってどうなんだよこれ!?
あ、けどアブソープってスキルで自分を強くしていけるって事か・・・
ってか方向感覚マスターの説明!はずってなんだよ!はずって!
ん?創造の説明は説明書の裏?
手に持っている説明書を裏返すと、そこに文字が浮かび上がる
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創造
創る物に必要な物質とそれに必要なだけの質量があれば
その物質の姿を変更する事が可能、使用方法としては変えたい物をイメージし
スキルを発動させるだけ、但し対象への質量に応じて必要魔力が増減する
注意事項:硬貨を創る事は出来ない用になっています
また、硬貨を得るために創る事もできません
創った物を部外者への譲渡と確認した場合消滅します。
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なるほど、使いようによってはこれほど便利な物は無いかもしれない
さてと、創造は置いといて、次は時空魔法だな
時空魔法って何があるんだろ?
時空魔法の項目に意識を傾けた瞬間、頭にずらりと魔法の一覧が表示された。
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時空魔法
クイック(対象のスピードを使用する魔力量により加速させることが出来る)
スロー (対象のスピードを半減させることが出来るが、
相手より魔力量が必要となる)
テレポート(一度訪れた場所や視界範囲なら瞬時に移動可能
距離や質量によって必要魔力が変わる)
アイテムボックス(異空間にアイテムなどを収納できる)
アイテムボックス強化(容量の限界が無くなる、更に取り出したいアイテム
を念じるだけで取り出せるようになる)
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くそう!もっと早くクイックとスローの存在を知りたかった!
そうすりゃあの猪見たいな奴からもっと楽に逃げれたはずなのに!
でもまぁ今更だな・・・さて、次はお金を見ておくか、こういった異世界だと硬貨の種類があるだろうし、その辺を確認しておくか
(オープン!財布!)
アイテムボックス強化の性能を早速使い、財布と念じ財布、というよりも皮で出来た袋の中を取り出し確認して行く。
袋の中には入っていたのは
金貨10枚
大銀貨4枚
小銀貨6枚
大銅貨4枚
小銅貨9枚
「たしかアイテムボックスのリストの時に104649って数字があったな
って事は、金貨が1枚10000コルってことか、でこのちょっと大きな銀貨、大銀貨でいいのかな?これが1000コルってことか・・・
で次に小銀貨、これが100コルで、大銅貨が10コル、最後に小銅貨が1コルってことになるのか。」
しかしなんで4649コルなんだよ、洒落のつもりなのかな?
まぁ考えても仕方ないようなどうでもいいことなので、とりあえず放置!
「しかし・・・10万ってことは、1コルが100円って書いてたから日本円にすると1千万かよ!!」
突如お金持ちになったような気分だがこれはきっと、生活の基盤に必要なレベルの金額なのだと自分を納得させお金を袋に戻す。
とりあえず、必要そうな確認は全て終わったので方角を確認して、とりあえず説明書通りこの森の北へ向かう事にした。
ただこの位置から北に行くと、先ほどの猪のような生き物の方へと戻らなければならないが、せっかくなので先程の猪、スローやクイックを使って倒しておこう。
そう思っていたのだが、大岩の所へ戻ってみると猪のような生き物はまだ気絶していた。
せっかくなので完全解析をしてみる
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ボア ♂
状態(気絶)
LV1
HP 15
MP 0
STR 10
VIT 12
AGI 13
INT 3
DEX 5
LUK 1
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(ボアって言うのかこいつ、とりあえず今のうちに倒してステータスを頂こう)
とりあえず保険として相手にスローを使い、アイテムボックスからショートソードを取り出しボアの眉間辺りに突き刺すと、ボアは起きる事無くそのまま倒す事が出来た。
次はアブソープを使いボアのステータスを吸収して見るとしよう、
まずは対象を指定、そしてスキル発動
(アブソープ!)
スキルを使った瞬間、体内に力が流れ込んでくる感覚があった。
すぐさま自分のステータスを確認すると
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加賀 奈津希 男 20歳
LV1
HP 45
MP 30
STR 20
VIT 22
AGI 23
INT 13
DEX 15
LUK 11
スキル
ステータス&スキル隠蔽
アブソープ
完全解析
融合と分解
言語マスター
テイムマスター
癒しの加護
創造
方向感覚マスター
探知マスター
時空魔法 LV5
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どうやらうまくボアのステータスを吸収することに成功したようだ。
(よし、これでボアとなら少しはまともに戦える気がするな)
次に倒したボアに分解のスキルを使って見ると、ボアの肉体が砕け散り、生の肉塊となった。
なるほどな、ボアの素材というのがこの肉なのか、非常食用に取っておく
そして、無事ボアの処理が完了し、更に北へと向っていると、現在地より東の方角に探知のスキルが反応した。
そちらにいった見ると・・・
身長120cmくらいで緑の肌をしていて、腰には茶色い布を巻きつけ、手にはこん棒をもった生き物がいた。
どうやらまだこちらに気づいていないようなので、今のうちに相手のステータスを視る
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ゴブリン♂
LV2
HP 20
MP 0
STR 20
VIT 18
AGI 11
DEX 9
INT 4
LUK 4
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コレなら倒せる気がするのだが・・・それは相手が1匹の場合である。
というのも、目の前のゴブリンの奥に大量の反応が在るのだ。
俺は危険だと判断し、ゆっくりとそして静かにその場からゆっくりと立ち去ることにした。
無駄に危険なことに突っ込む必要もないからね!
さらに北へと向かっていると町の城壁に辿り着き、その城壁から町の中へつながる門の前には二人の兵士がたっていた。
「すみません、町に入りたいのですが」
「ん?見かけない顔だな、身分証明出来る物を見せてもらおうか」
身分証明書か・・・困ったな、何も無い
そう悩んでいると、兵士からもう一つの選択肢が出てきた
「どうした?無いのか?無いのなら有効期限付き身分証明書を300コルで発行出来るぞ?」
俺は300コルを兵に支払い、有効期限付き身分証明書を受け取ると、兵士が注意事項を話し始めた。
「王都の中にはいったら、とりあえず身分証明になる物を3日以内に作ること、それ以上になるとその通行所は無効になる、もし無効になったまま身分証明できる物を持っていなければ容赦なく捕まえるからな、気をつけろよ。
次に、この王都では身分証明できる物は3種類ある、まず最初は冒険者のギルドカードだな、登録すればすぐにもらえるぞ。
そして次は役場で発行されるこの王都の住人としての身分証明書だ、これは受け取るのに1日かかるから気をつけろよ、後一つは、家紋入りのエンブレムだな」
「えと、俺は冒険者になりたくてこの町に来たんです、なので出来れば場所を教えていただけますか?」
「ああ、冒険者ギルドか、それならこの道をまっすぐ進んでいくと噴水のある広場にでる、そこまで行って周りを見渡せば看板が見える筈だ」
「ありがとうございます、では早速いってみます」
「ああ、頑張って立派な冒険者になれよ」
こうして俺は無事王都の中に入る事が出来た。
この王都の町並みは中世のヨーロッパに近い感じがする。
町の入り口から続いている今いる大通りの左右は住宅がずら~っと道なりに並び建っていた。
とりあえず先程の兵士に聞いた通り、道なりにまっすぐ進みながら噴水のある広場を目指して歩いていると、多種多様な種族とすれ違うっていく。
うん、やっぱりいいねファンタジー世界最高!犬耳をした小さな女の子や猫耳のスレンダーな女性
それに向こうの方から歩いて来ているのはウサギの耳のおっとりした感じの女性!あ、あっちには狐の耳の子もいる!
え?女ばかりで男はいないのかって?いやいるよ?いるけど、見ないだけ!
あれ?俺は誰にいってるんだろ?まぁいいか
そんな観察をしながら歩いていると噴水のある広場(以後噴水広場でいいや)が見えてきた。
噴水の周りにはベンチが四方に設置してあり、休憩出来そうなスペースとなっていた。
広場で周りを見回していると剣の刃の部分が交差した絵の下に冒険者ギルドと書かれた看板を見つけ、早速登録しようと中へと入って行く。
中に入ると、そこは銀行の様な造りで、受付の窓口だと思われる物が3つほどあり、その向かい側の大きな木のボードには依頼の張り紙がいくつか張られていた。
兎にも角にも登録しないといけないので、今の時間はあまり利用する人がいないのだろう、開いている受付の窓口へと近づいて行くとそこには、
猫耳で茶色のショートヘアのかわいらしい女性のがいた。
「すみません、冒険者登録したいんですが」
「は~い、ようこそ冒険者ギルドへ、冒険者登録ですね?ではこちらに記入をお願いします。」
一枚の紙を渡されるとそこに名前と年齢、得意武器や手持ちスキルを記入する項目があった。
(名前は、加賀奈津希だけど、こう言うところだとファーストネームとラストネームって逆になるんだよな?ってことはナツキ・カガ?
ん~でもまぁこういう世界だとラストネームって貴族とかが使うんだろうから、フルネームで書く必要ないな、年齢は20歳と・・・得意武器は片手剣でいいか、スキルは・・・書かなくていいか)
必要項目を書き終え、受付の女性に渡すと確認のためにステータスを見せてくださいと言われ、とっさにステータス&スキル隠蔽を発動させステータス見せる
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ナツキ 男 20歳
LV1
HP 33
MP 10
STR 18
VIT 14
AGI 13
INT 11
DEX 14
LUK 10
スキル
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「はい、確認できましたのでギルドカードを発行しますね、少々お待ち下さい。」
そういって奥の部屋に入って行き、数分待っていると戻ってきた。
「どうぞ、こちらがナツキさんの冒険者ギルドカードになります。
ナツキさんは今日から冒険者になるのでランクFスタートになります、ランクはFからSSまでがあります、まぁSSなんてあってないような物なのですが・・・
まぁ兎に角ですね、ランクは一定の数の依頼をこなすと上げていく事が出来ますので頑張って下さいね。
依頼を受けたいときはあちらのボードに貼ってある依頼書をもってこちらの受付に持ってきて、受けていい物かどうかを確認した後受理されます。
あ、そうそう、依頼は今のランクの一つ上までしか受ける事が出来ません。
依頼に失敗、もしくは依頼放棄などをするとペナルティとして賠償金が発生したりします、もし失敗などが繰り返されるとランクが一つ下がったりもします。
もし最低ランクのFで失敗を重ねると、最悪ギルド会員の剥奪となります。
それと依頼に失敗して賠償金が払えない場合、その人は奴隷として自分を売らなければならなくなりますので、お気をつけ下さい。
依頼料なども依頼書に書いてあるので確認して下さいね、また誰かとパーティーを登録する時や解散する時はこちらで受付をしてますので、その時は申し出て下さい。
最後に手に入れた素材などはあちらの受付で買取をしています、以上何かご質問はありますか?」
ふむ、大体は小説やゲームに出てくるものと一緒だな、とりあえずパーティーの事だけ聞いておくか。
「パーティーを組む人ってどこで募集したりできますかね?」
そう聞いて見ると、この世界での冒険者達のパーティーは大体2種類に分かれているらしい
まず一つ目は奴隷を買ってパーティーを作る
これのメリットとしては手に入ったアイテムをすべてが主人の物になる
もうひとつのメリットが奴隷は主人を裏切れないので安心できるという事らしい
デメリットとしては奴隷を買うのに結構なお金がいるというくらいだ。
二つ目は知り合いや、ギルドで仲間を募集して作られるパーティーだ
メリットとして、ランクの高い人と組めば、より安全に依頼をこなせる
デメリットは手に入ったアイテムや依頼料の分配で喧嘩になることがよくあるそうだ
他には、とくに聞いておきたいことが思いつかなかったので「後は大丈夫です」と答えておいた。
「では、あまり無茶をせず、がんばってくださいね。
また何かわからない事が出てきたらいつでも冒険者ギルドを尋ねてください。」
「はい、ありがとうございました。」
こうして俺は冒険者になったのだ
次回:第3話 奴隷購入!
日曜日までに6話分以上は進めて行こうと思います。