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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第191話 アレはお金です!

気づいたらいつもよりすこーーしだけ長くなってた。

(初期に比べたら短いですが)


次回のタイトル変更しました。



 出発直後、エキナの持っていた地図で行き先を確認した俺達は、オルリア村から真っ直ぐ西へと向かい大空を進んでいた。

 目的地までの距離は約400㎞程度と言ったところだろう。


 普通ならば馬車で移動となり、片道4日程はかかるところだが、現在の俺達は、大空を時速300km程で進んでいるため、1時間と少しで到着出来るだろう。

 まぁ、これでもレイにとってはゆっくりと飛んでいるらしいのだが…


 因みにレイが本気を出せば、これの3倍くらいは出せるらしい。

 つまり時速900㎞、マッハ0.9と言う事になる。


 元の世界で言うなれば、ジェット旅客機並の速度だ。


 今度背中に直接乗せてもらった時、その速度を体験させてもらおうかと思っている。   


「あ!見えてきました。あの森です」


 オルリア村を出発して1時間と少し経った頃、エキナは前方に見える森に向かい、指を差しながらそう口にした。


 このまま村のある辺りの上空へと差し掛かると、そこに居る人々を驚かせてしまう。

 そんな訳で、俺はレイに森の入口に降りて欲しいと伝え、俺達は地上へと降りた。




「まだこの森を離れてから半年も経ってないのに、なんだか懐かしい気がするよ」


「そうね。私も懐かしく思うわ」」


 背の高い木々が立ち並ぶ森を進む中、エキナ、ボード、シルバの3人の後ろを歩くノアとシアは、周りの景色を見ながら懐かしんでいた。

 そんな5人の更に後ろを、俺、ミール、ミリー、レイの4人は散歩気分でついて行く。


 そして歩き始めてから20分弱、俺達はノア達の故郷へと辿り着いた。

 そこは、森に囲まれた村であり、視界には20程のログハウスに似た建物があった。


 正直、そのどれもが我が家よりも出来の良い感じがし、俺は今度家を創りなおそうかなと考えた。


 まぁ、どの道我が家の人口も多くなってきたので、丁度良いだろう。


 そんな事を考えていると、ノアとシアからこの村、もとい、この森に棲むエルフはここ以外にもいるという情報が追加された。

 なんでも、ここより更に森を進んだ先に、ここ同じような村が数ヵ所あるらしい。


 ノアとシアによる追加情報に、なるほど、と答えていると、俺から見てノアとシアの後ろに居るエキナが、村に向かい大声を出した。


「みんなー!ノアとシアが戻って来たよ!」


 エキナの声、そしてその内容をが村の人達に届いたらしく、20近くある建物や、周囲の森の中から多数のエルフが次々と姿を見せる。

 その誰もから、「うそ!?」「ホントか!?」「ノアちゃんにシアちゃんが戻って来たって!?」といった、様々な声が聞こえてくる。


 あちこちから出て来たエルフ達は、あっという間に俺達、と言うよりもノアとシアを囲い込み、礼や感謝の言葉を口にしていた。


 数か月振りに会った故郷の人たちに囲まれるノアとシアの様子を見て、俺、ミール、ミリー、エル、レイの5人はちょっとアウェーな感じになっていたのだが、ノアとシアが俺やミール達の事を紹介した事により、今度は俺達がエルフの集団に囲まれ、前後左右から話しかけられる事となる。


 一応周囲から聞こえてくる言葉は、そのどれもが俺達を歓迎してくれているようだったので、ひとまず安心だ。

 もしこれで歓迎されていなかったら…いや、事実こうして歓迎されているのだから、もし、なんていう事を考えるのはやめておくとしよう。


 とりあえず、この状況から助けて欲しいと思い、エキナの姿を探すが、いつの間にか居なくなっていた。


「あれ?エキナさんとボードさんは?」


「エキナとボードなら、今のうちに引っ越しの準備をしてくるって、家に戻っていったよ」


 シルバが俺の疑問にそう答えると、その会話を聞いていた住人達が再び俺達を囲い込み、エキナの引っ越しについて一斉に訪ねて来た。


 気持ちは分かるのだが、とりあえず一斉に話しかけるのはやめて欲しい。

 

 そう思いつつ、俺は皆に落ち着くよう声を掛け、エキナの引っ越しが決まった時の事を話した。


 そうして話をし終えると、一人男エルフが「エキナはノアとシアの事、自分の娘のように思ってたしな」と、感慨深く口にすると、他のエルフ達もそのエルフの言葉に同調していた。


 その後、エルフ達からエキナがノアとシアの事をどれだけ大切にしていたかという話を聞かせてもらった。

 俺達と一緒にその話を聞いていたノアとシアは、なんだか嬉しそうであり、同時に少し恥ずかしそうな表情をしていた。


「おまたせ。こっちは準備出来たわよ」


 エルフ達に囲まれ、話を聞く事約30分、俺の知らないノアとシアの小さい頃の話を聞いている途中で、身長約165㎝程であるエキナが、自分の半分くらいのサイズのリュックを背負って戻って来た。


「え?もう準備終わったんですか?というか、なんだか引っ越しをする割に荷物は少ない様だけど」


「必要な物しか持って行かないだけよ」」


 必要なモノと言うのが何なのかわからないが、エキナが良いというのだから俺がとやかく言っても仕方がない。

 そもそも、足りない物があった時は、またココに連れて来れば良いだけだ。

 問題は無い。

 

 その後、俺達は村の人達と挨拶を済ませ、森の外へと向かう。

 流石にこの森の中や村の中でと敏達準備をするには、ちょいとばかり狭い過ぎるのだ。


 森の外に到着し、そこからは行きと同様に、龍籠に乗り込んだ俺達を、元の姿に戻ったレイにオルリア村まで運んでもらう。

 これで後は村に戻り、家を住める状態にすれば引っ越しの完了となる....はずだった。 

 

 空の移動を始めてからそろそろ1時間が経とうと言う頃、俺達はそろそろオルリア村が見えて来るであろう場所まで戻って来たのだが、突然レイが速度を落とし始め、すぐに停止した。


「どうしたんだレイ?」


『マスター、村の中に盗賊が来ているようです』


「盗賊?」


『はい。盗賊は全部で8人で、どうやら孤児院の子供達と、ククリさんが人質されているようです』


 レイから伝えられた村の様子に、俺の表情は、所謂悪い顔と言うものになっていた。


「主様?レイさんはなんとおっしゃっていたのですか?それに盗賊とは?」


 若干引いている様子のノアは、恐る恐るといった様子で俺に訪ねて来る。

 そんなレイに対し、俺は笑顔で答える。


「いやな、レイが言うには今、オルリア村に盗賊(お金の元)が来てるらしいんだ。だからさっさと換金…じゃなかった捕まえなきゃね」


 盗賊とは、捕まえて王都の騎士団に差し出せば、それなりの報奨金が出るという話を以前に聞いた事がある。

 だからだろうか、今の俺にはオルリア村に居る盗賊が全てお金の元に見えている。 


「…ねぇミール、ボクには今、盗賊って言葉に変なルビがついているように聞こえたんだけど、気のせいかな?」

 

「多分気のせいじゃないですね」


 シアとミールのそんな会話をしている中、俺は盗賊(アレ)等をどうやって捕まえようかと、思考を巡らしていた。



次回 第193話 お仕置きと紹介


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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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