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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第18話 火の国の英雄

サラとシアは自分のことを「ぼく」と呼ぶことになってるので

サラのほうを僕

シアのほうをボク

といったふうに違いをつけています。

城の入り口前に転移すると、そこから見える町の中央の方では。煙が上がっており、建物がモンスター達の襲撃で破壊されているのがあちこちに目立つ


「くそっ、すでに結構な被害が出てしまってるようだな・・・」


目の前に広がる状況を確認していると、隣にいたミールは町にいるモンスターに違和感を感じていた。


「そうですね、それになんだか町の中にいるモンスターの様子も少しおかしな気がします」


見える範囲にボアや、一角ラビット、それにゴブリンなどがいるのだが、

どのモンスターも、あきらかに今まで戦ってたような強さではないようにみえる

どうみても、少し前まで森で戦っていたときよりも凶暴化しているのだ


「確かに、今まで戦ってた奴らとは少し様子が違うな・・・ノアとシアはどう思う?」


二人の意見を聞こうと振り返る、そこには、まず俺の斜め後ろにはミールとサラがいる、その後ろにはミリー王女や兵士でその左ノア右にシアが立っていたのだが

転移による突然の視界の変化に、俺とミール、サラの3人以外全員が驚き戸惑っていた。

それを見たサラ曰く、テレポートなんていうスキルが使えるのは俺くらいだろうとのこと、

なのでテレポートする体験というのは、人生の中でまず体験する事のないレアな魔法なので、ああなるのは仕方無いんじゃないかな?ということらしい。

そういえば、ミールも初めて俺がテレポート使ったとき、驚いた表情してたな・・・

あれ・・・そういえばサラはなぜ、俺のテレポートスキルを知っていたのだろうか?


「なぁサラ、なんで俺がテレポートスキル持ってるの知ってるんだ?」


「ああ、それは簡単だよ、僕がナツキの従者になった事で、僕はナツキのステータスを見れるし、使う事だって出来るよ。

ところでさ・・・ナツキのステータスって、人間とは思えないレベルだね、下位のドラゴンくらい圧倒出来そうだよ・・・」


まぁ、こんなステータス普通あり得ないもんな、などと思いながらも俺は苦笑いで答える。


「あははは、でもまぁ、強さ云々の事だが、出来ればもっと強くなっておきたいんだけどね・・・」


俺とサラの会話に、ミリー王女とその護衛の兵士が、今度は目が点になって口をポカーンと空けていた。

うむ、開いた口が塞がらないというやつかもしれないな!

取りあえず、今の彼女らは見なかった事にしてあげよう。


「って、こんな事してる場合じゃないな、とりあえず、町にいるモンスターを倒しつつ、あいつの元へ急ごう!」


「ちょっとまってナツキ、ミールちゃんの言うとおり、やっぱりこの町に入ってきているモンスター達は普通じゃないよ、解析スキルで見てごらんよ!」


サラに言われ、俺は噴水広場につながる道で冒険者が戦っている一匹のボアに完全解析を使う。


____________________


ボア(闇憑き)


LV1


HP 15(+300)

MP 0


STR 10(+100)

VIT 12(+100)

AGI 13(+100)

INT 3(+100)

DEX 5(+100)

LUK 1(+100)


____________________


なんとボアのステータスを見ると、通常の強さに補正らしき数字がついていた

しかも名前の横には(闇憑き)などという文字が見える。

この文字から、きっとあの精霊王の所で逃がしてしまった、あの〔世界を蝕む闇〕 とかいう奴の影響なのだと考えられる。


「なぁサラ、やっぱりアレってやっぱりあの闇の影響だよな?」


「だろうね、まぁ今のキミはもちろん、ミールちゃんやノアちゃん、それにシアちゃんなら楽勝のはずだよ、あいつ僕の寝床で受けてたダメージでかなり弱くなってた様だし」


そう言われ、気になったので3人のステータスを視てみると


____________________


ミール 人狼族♀


奴隷

主人 ナツキ


眷属

主 ナツキ


LV 31


HP 310(+1685)

MP 93(+481)


STR 301(+1172)

VIT 215(+1041)

AGI 308(+928)

DEX 217(+516)

INT 170(+721)

LUK 124(+331)



スキル

片手剣LV1

短剣(双剣)LV 2

自己強化用精霊魔法(火)LV 3


____________________



ノア エルフ族17歳♀


奴隷

主人 ナツキ


眷属

主 ナツキ


LV 7


HP 87(+1685)

MP 104(+481)


STR 40(+1172)

VIT 41(+1041)

AGI 65(+928)

DEX 104(+516)

INT 94(+721)

LUK 42(+331)


スキル

水魔法LV 1

風魔法LV 2

精霊魔法(火)LV 3



____________________


シア エルフ族 17歳♀


奴隷

主人 ナツキ


眷属

主 ナツキ


LV 7


HP 76(+1685)

MP 120(+481)


STR 36(+1172)

VIT 40(+1041)

AGI 73(+928)

DEX 85(+516)

INT 102(+721)

LUK 42(+331)


スキル


精霊魔法(火)LV 3

土魔法LV 1


____________________


「なっ・・・ええっ!?」


なんか皆のステータスにすごい補正がかかっていた、それを見て俺が驚き、そんな俺を見たミール達も自分のステータスを確認して驚いていた。


「ちょっ、サラ!?なんか3人のステータスが偉い事に・・・」


「それが眷属になった恩恵だよ、主人のステータスの3分の1が眷属のステータスに補正として付くんだ」


「た、確かに眷属にしていただいた時、すごい力が流れ込んできた用に思えましたが、これほどの補正が付いていたなんて・・・それにホントに私も火の魔法が使えるようになってるなんて」


「って事は、姉さんこれで3属性持ちになったんだね!いいなぁ」


シアはノアをとても羨ましそうに見ていた。


「なぁシア?3属性持ちになるのってそんなにすごいのか?」


俺のそんな疑問にシアが説明をしてくれる。

この世界では、普通は2属性まで、3属性操る事ができるのは世界中でも、ほんの一握りだけらしい。

そして4属性操れるのは賢者と呼ばれ、現在世界に2人だけだそうだ。

因みに特殊属性、時空魔法なんてものがある俺は異質だとか・・・知るかそんなもん!

まぁ兎に角だ、いつまでもここで話していては町の被害が大きくなるだけだ、先にやるべきことをやろう

元凶を探そうと探知スキルを使うと、噴水広場の方に一際大きな存在があった、それがきっと元凶に違いない。


「とりあえず、目に付いたモンスターを倒しつつ、噴水広場の方へ急ぐか、どうやら元凶もそこにいるみたいだ」


「主様、元凶とはいったい・・・?」


あの戦いの場にいなかったノアやシアは俺が元凶と呼ぶものを知らない、といっても俺自身も情報なんてほとんどないようなものだった


「ああ、そうかノア達は奴を見てないから知らないんだよな、まぁ俺も詳しくは解らないんだが・・・

とりあえず今あいつの事で分かっているのは2つ、まず一つは、元凶の名前は〔世界を蝕む闇〕といって、見た目はサラの竜の姿を黒くした感じだ、まぁダークドラゴンって所だな、それとあいつのステータスは見る事が出来なかった事。

そして2つめ、ヤツは精霊魔法でしか倒せないって事だけだ」


「世界を蝕む闇・・・いったいなんなのでしょうか・・・」


「解らない、けどあいつを倒す手段はもう手に入れたんだ、ならば今は早くあいつを倒してしまおう」


「そうですね!」


どうせ今もてる情報だけでは考えても無駄な気がする、それならば、今は出来る事を優先すればいいだろう。

話が纏り、今すべき事は決まった、そこで驚き終わったのか、静かに俺達の話しを聞いていたミリー王女に声を掛ける


「ということで、ミリー王女?ここは危ないですのでミリー王女達は早く城の中に居て下さい」


「解りましたナツキ様、どうかご無事で、お父様には私から報告しておきます。

それと、この件が済みましたら色々とお話をお聞かせ下さいね?」


ニッコリと笑顔でそう言うと、ミリー王女は護衛の兵士達と城の中へと入っていった。

ミリー王女にも俺が異世界から来たって事を知られてしまったからには、きっと王様の耳にも入ってしまうのだろう。

だがまぁ今は気にしないでいっか、とりあえず早くあいつを倒す事に集中だ!


「さてと、それじゃ4人とも行こうか!」


「ちょっとまって!その前にミールちゃん、今のうちに自己強化を使っておいた方がいいよ!」


「あ、はい!わかりました!」


ミールは意識を集中する、するとミールの身体を輝く炎が包み込みこんだ。

するとそこにいたミールの姿は、髪や耳、そして尻尾の毛色は燃えるような赤色になり、足の付け根辺りから前面が二手に分かれた白いドレスの上に、紅をベースに白銀の装飾が施された胸当てが装備してあり、腰は白銀をベースに紅の装飾の腰鎧を付け、足は白銀のグリーブを装備していた。

そして、ミールのその腰には先程まで持っていたたダガーナイフではなく白銀の鞘に納まった一振りの剣が輝いていた。

その姿はまるで、戦乙女ヴァルキリーと思わせるような姿で、俺やノアとシアはそんなミールの神々しい姿に見とれていた。


「すごい・・・これが精霊魔法による自己強化ですか・・・先程よりもさらに力が溢れてくる感じです」


ミールの声に俺達は我に帰る、いつまでも見惚れているわけにも行かない


「ミールちゃんのその武器なら精霊の力が宿っているからあいつにもダメージを与えれるはずだ、けど今はまだ使い慣れてない力だから、身体に異変を感じたらすぐにその状態を解いてね」


「はい、サラ様!」


「よし、それじゃ今度こそ行くぞ!」


気持ちを切り替え、俺達は噴水広場へと駆けて行く

城から噴水広場までは大通りをまっすぐに進むだけなのだが、その途中には10を軽く超えるほどの数のモンスターがいた。

奴の影響により、凶暴化し、ステータスの補正もされていたが、サラの言うように今の俺達の敵ではない。

前方からの敵は、自己強化したミールが燃えるような赤い髪をなびかせながら、美しく舞うように全て切り伏せていき、左右の物陰から飛び出してくるモンスターにはノアとシアによる二人の精霊魔法によるフレイムアローが襲い掛かる。

因みにサラは、ただ俺の横を飛びながら着いてきていただけだ、っていうか飛べるんだ、流石精霊だな

兎も角そんな3人の活躍のおかげで、俺達は程なくして噴水広場に着く。

するとそこには、愛用の斧をダークドラゴンへと振り下ろすハスマの姿があった。


「うぉりゃぁ!」


ハスマの斧はダークドラゴンの頭へと叩き込まれ、頭が叩き割ると、すぐにバックステップで距離をとる、だがやはりダークドラゴンの頭がすぐに再生されていき、元に戻ると、今度はダークドラゴンの口から黒い炎の玉が放たれた。


「なっ!」


ハスマはその驚異的な再生に驚き、反応が遅れ直撃すると思われた、しかしダークドラゴンの放った炎はハスマの元に届く事無く爆散する。


「ハスマさん無事ですか!」


間一髪、俺の放ったフレイムランスが黒い炎の玉を直撃する前に爆散させる事で、ハスマへの直撃を防ぐ事ができた。


「ナツキか!?すまん助かった、お蔭でこの通りワシは無事だ」


「間に合ってよかった、すみませんがハスマさん、ここは俺達に任せて他のモンスターをお願いします!」


そう言いながら、俺はダークドラゴンと睨み合う、ハスマを助ける為、クイックを使い先に来ていた俺に後の4人が追いついて来ると、ミールとサラは俺の両サイドに、そして俺達の後ろにノアとシアが立つ。

すると、ノアとシアの更にその後ろにいるハスマから声が聞こえてくる。


「また新しい仲間が増えてるみたいだな、それに、ミールちゃんそっくりの顔をした娘までいるようだが・・・」


「ええ、この子はミールですよ、自己強化魔法で姿が少し変わってるだけですよ」


「ほう、しかしナツキよ、奴の頭を叩き潰してもすぐに再生してしまったが、そんなバケモノを倒せるのか?」


「大丈夫です、俺達ならヤツを倒す事ができますから!だからハスマさんは町の中に入り込んだ他のモンスター達をお願いします!」


ダークドラゴンにはミールのような精霊の力の宿った武器による攻撃以外では傷つける事も倒す事もできない、ならば、ハスマに町のモンスター討伐に向かってもらったほうが、危険も少なく、少しでも被害を抑えれるだろう。


「ふむ、解った、ではここはお前達に任せたぞ!」


そういってハスマは愛用の斧を肩に置き、町の入り口の方へ向かいながら、目に付いたモンスターを薙ぎ払っていく。

さすがはギルドマスター、強いな、それに理解が早くて助かった。


「さて、それじゃ一気にやるぞ!ミールはヤツの翼を切り落とせ!」


「はい、ナツキ様!」


「ノアとシアはミールを援護だ!」


「「はい!(うん!)」」


シアは精霊魔法によって強化されたフレイムアローを幾つも作り出し、それを放つ。

そしてノアは火の精霊魔法ではなく、風属性魔法を使いダークドラゴンの態勢を崩しにかかった。

そこへ、ミールは白銀に輝く剣を持ち、ダークドラゴンの翼へと斬りかかる、今のミールは眷属契約による恩恵と自己強化によって、最初よりも弱体化しているダークドラゴンよりもスピードは勝っていた。


「ハァッ!」


ミールは白銀に輝く刀身に炎を纏わせダークドラゴンの翼へと振り下ろし、ダークドラゴンの片翼を切り落とした。


『グヮァァァァ!!!』


ダークドラゴンは精霊の力によるダメージに悲鳴をあげた。

そしてミールが切り落とした翼の部分は再生されず、片翼を失ったままとなり、その身体は体勢がうまく取れないようだ。

これを好機と、俺は一気にたたみかける。


「よし今だ!ノア、シア全力で精霊魔法を叩き込め!ミールは下がるんだ!」


「「「はい!(うん!)」」」


シアは大きな火球をいくつも作り出し、ソレをダークドラゴンに向けて投げるように放つ


「ファイアボール!!乱れ射ち!」


ダークドラゴンに命中し、いくつもの爆発が起こった、そこへすかさずノアが火と相性のよい風の魔法を使いその爆発した際の炎が竜巻のように燃え上がっていく

二人による協力魔法で、その威力は凄まじいものだった


『グギャァァァ!!』


再びダークドラゴンから悲鳴のような鳴き声があがった

そんな光景を見て、俺は呟いた。


「すげぇ・・・炎の竜巻、ファイアストームって感じだな」


「ではこの合体魔法はファイアストームと名づけましょう、シアもそれでいい?」


「うん、いいと思うよ!」


そんな話をして居ると炎の渦が納まり、そこにはダークドラゴンがまだ立っていたのだが、その姿は片方の前足や尻尾の半分から先がなくなり、胴体のあちこちが切り刻まれたようなボロボロな姿だった

ノアとシアの二人掛かりによる精霊魔法では、倒すには威力が足りなかったようだが、かなりのダメージを負わせる事が出来たようだった。


「あれだけステータス補正のかかった二人の合体魔法を受けても、まだ倒せなかったか・・・」


「さぁナツキ、ぼさっと見てないで!ナツキの全力の魔法で今の内に奴に止めをさすんだ!」


「全力でって・・・そんな事すると町に被害がでるぞ」


「大丈夫、そこは僕に任せて、周りに被害が広がらないようにしてあげるから!」


「そうか?なら分かった、行くぞ!」


俺は持てる魔力を全て込め、巨大な火球を作り出した。

さきほどシアが使っていた物だが、俺の持つ魔力を全て込めたものであるが故に、直径3mほどのとても巨大な物だ、それはもうすでにシアの使っていたものとは別の魔法扱いできるものだった。

この世界における魔法とは魔力を込めたイメージで出来ている、そしてそこに込められた魔力の大きさで威力が大きく変るのだ。

そして俺はこの魔法にこう名づける


「フレイムストライク!!!」


巨大な火球が凄まじい速度でダークドラゴンへと飛んで行く

その巨大な火球がダークドラゴンに触れる瞬間、サラはダークドラゴンの周囲を結界で覆い尽くす。

そして俺の全力の魔力と精霊の力が混ざり合って作られた巨大な火球はダークドラゴンに命中し結界内で爆風が吹き荒れ、少しすると結解内の炎が落ち着き、そこに居たはずのダークドラゴンは跡形無く消え去っていた。


「倒せた、みたいだ、な」


ダークドラゴンの消滅を見届けると同時に、全ての魔力を込めたせいで全身の力が抜け、俺の身体は地面へと倒れた。



「「ナツキ様!!((主様!!))」」


ミール達がこちらに駆け寄って来るのが見える、しかし俺はそこで意識を遠のいていった。



次回 第19話 英雄への恩賞

書き直してて気づいたのですが。

書き直す前は、ここまでの話の中で幾つか矛盾のようなものがあありましたが、今回の書き直しでその辺が直せてよかった!


さすがにもう無いと思いますが、もし何か設定上の矛盾など発見した場合、コメントなどで、ご連絡ください。

それ以外にも感想などでもあれば嬉しいです。

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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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