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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第172話 アルカ,一日のはじまり

この話はアルベルト王とコーネリア王妃が[恵みの湯]に宿泊した次の日の朝の事です。



次回のタイトルを少し変更しました。


「ん……ふゎぁ~」


 もうすぐ外が明るくなりきる前の時間、私はいつもの様に目を覚ましまして欠伸をする。

 まだ眠たい目を擦りながらもベッドから起き上がり、顔を洗う為に調理場へ。


「おはようございますティリアさん」


「おはようございます」


 調理場に入ると、既に起きてメイド服に着替えていたティリアさんが顔を洗っていました。

 私達メイドは、調理場の隅に用意してある桶に水を貯め、それで毎朝顔を洗っています。


「っ!今日のお水はとても冷たいのです」


 桶に張った水はとても冷たく、お陰で目もすぐに覚める程です。


「私は今日お風呂掃除担当なので、今から掃除しに行ってまいりますね」


「はいなのです」


 しっかりと目を覚ませる事が出来た私はティリアさんと別れ、隣の部屋に戻ってメイド服へと着替え始めます。

  そして着替えが終わると、次はまだ寝ているサティアさんとコロンさんを起こし始めなければなりません。

 

 サティアさんとコロンさんは、朝、自分で起きるのが苦手らしく、いつも最初に起きるタリアさんに起こされていました。

 けれどそんなタリアさんは今、従業員さん達のサポートをする為に[恵みの湯]へと残ったままなのでここにはいません。


 なので、今日は私がお二人を起こすしかないのです。

 

 そんな訳で、私は隣の部屋へと戻って行った訳ですが、結局お二人を起こすのに、10分少々の時間を要してしまいました。

 まだ私ではタリアさんの様にあのお二人をパッと起こす事は出来そうにないのです。




「それじゃあアルカさんはそちらの野菜をお願いできるかしら?コロンさんはお鍋でお湯を沸かしておいてください」


「「はい」」


 お二人を起こし終えた後、サティアさんが指揮の元、朝食の支度が始まりました。

 今朝のメニューはパンにサラダに玉ねぎスープ、それから昨日レイさんが産んだばかりの卵とボア肉のベーコンを使った、ベーコンエッグです。


 私達の調理は進んでいき、全ての調理が終わったのは、朝の7時半でした。

 朝食の準備が終わった後、食卓の準備を整えている途中でご主人様がリビングにやってきちゃいました。


 その時コロンさんがご主人様についた匂いに反応してたけど、それってつまり、昨夜ついにエル様が抱かれたって事なのかな?

 後でお祝い申し上げにいかなきゃ!

 

 そんな事を考えながら、私は急いで残りの料理をとりに調理場へともどっていき、全ての準備が整った後、遅れて来たミール様達が揃うのを待った後、朝食を頂き始めました。

 ホントなら私達メイドがご主人様と一緒に食卓につく事などありえない事だけど、この家ではこれが当たり前の風景なのです。


 


 朝食を真っ先に食べ終えたご主人様は、この後国王様と王妃様を王都へと送りに行くと言い席を立ち、そのままお出かけになられました。

 私達はまだ食べている途中なのでそのまま食事を続けていると……


「アルカさん、今日も卵が産まれちゃいそうなんで、後でご一緒に来ていただけますか?」


「はい!ありがとうございます、なのです!」


 我が家で使用している卵は、全てレイさんの産んだ卵なのです。

 ドラゴンの卵は最高級食材であり、本来なら大貴族でも人生で1度か2度くらいしか口にする事が出来ないものなのですが、まだご主人様に魔力を注いで頂く予定がないからと、こうしていつも(・・・)私に食材として提供してくださっているのです。


 因みにドラゴンの卵は、番の相手に魔力を注いで貰う事により、初めて子供が生まれる卵になるって、以前レイさんから聞いたことがあります。


 そんな事は兎も角、これでまたご主人様に喜んでもらえるような美味しい卵料理が作れるのです!   


「あ、でも今日はいくつか産まれる気がするので、サティアさんとコロンさんにも来てもらった方がいいかもしれませんね」


 複数の卵と聞き、 私一人じゃ運べないと分かったサティアさんとコロンさんが、運ぶのを快く引き受けてくれました。

 そんな私たちのやり取りを聞いていたミール様達もレイさんの産卵に同行したいと言う事で、食事が終わって片づけをした後、レイさんのいつもの産卵場所へと向かう予定となりました。


「そうだ!」


 そう言って席を立つと、私はリビングの隅にあるサラ様とディー様の寝床へと向かいます。

 ところで以前にご主人様がこの寝床を見て[きゃっとたわー]みたいだって言ってたけど、[きゃっとたわー]って何なのかな?


 そんな疑問を抱きつつ、私はその寝床で横になっているお二人に声をかける事に。


「サラ様とディー様も、レイさんが卵を産みに行くのをご一緒しませんか?」


 普段寝てばかり、ではなく、精神体となって遠くへ出かけてばかりのお二人にそう尋ねてみたのですが、帰って来た返事は……


「ごめんよ、今日はディーと一緒に風の精霊王の所に行く予定なんだ」 


 どうやらお二人にはご予定があるようです。


 結局、私、サティアさん、コロンさん、ミール様、ノア様、シア様、エル様の7人がレイさんについて行く事となったのです。

 最高級食材が手に入る事に喜び、ご主人様の為にどんな料理を作ろうかと考えながら、朝食を再開するのです。



次回 第173話 [恵みの湯]の正式オープンに向けて


ただ何となくアルカ視点を書きたくて書いただけなのですが。

書き終わってから思いました。


全く必要のない話だ! と。


なのでせめてもと思い、ドラゴンの卵が無精卵的なモノから有精卵的なモノになるため説明を入れ込んでみました。

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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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