第169話 まさかの入手ルートに俺は……
次回タイトルの一部を変更しました。
チラシ→広告
アルベルト王とコーネリア王妃を送り届けた後、俺はオルリア村にある我が家へと戻って来た。
玄関を潜り、靴を脱いで正面の扉を潜りリビングへと入ると、そこには椅子に座ってお茶を飲んでいるタリア、エマル、ココ、ククリの4人の姿があった。
「皆お疲れ様。今日はもう温泉にでも入って疲れを癒した後、ゆっくり眠ると良い」
「ありがとうございます。コレを飲み終えましたら入らせていただきます」
4人を代表してそう答えたタリアの声は、若干疲れているような様子が感じられる。
それになんだか眠そうに見える。
きっと何事にもすぐに対応出来るようにと、4人共ずっと扉の外か隣の部屋で待機していたに違いない。
「ところでサティアさん達やミール達は?」
現在このリビングにはお茶を飲んでいる4人と俺だけしか居らず、タリアへと尋ねてみるが、どうやら戻って来た時には既に誰も家に居なかったとの事。
皆揃ってどこへ行っているのだろうか?
流石にこのオルリア村の中で事件が起こるとは思えないし、何よりミール達に勝てるような相手がいるとは思えない。
なので俺の中には何かがあった等という考えは微塵もありはしなかった。
まぁ、しばらくすれば戻るだろうという考えに行きつき、俺はタリア達にお茶を飲んだ後はゆっくりと休むようにと念を押し、これから[恵みの湯]に行ってくる事を伝え、リビングを後にした。
そして家を出ると、[恵みの湯]へと向かい歩き始めたのだが、ふと畑の方を見てからにしようと思い、目的地を畑へと変え、足を進める。
何故この時、俺は畑の方を見に行こうなどと思ったのかは自分でも分からない。
しかし、俺にはそちらの方が妙に気になり、行かなければならない様な気がしたのだ。
「(そういえば畑の拡大したけど、人手は足りているのかな?)」
行かなければならない気がした理由が、つい最近、村の住人達と共に拡大した事で起こりえる心配の事かと思いながら足を進め、畑まで後3,4分程歩けば付きそうな場所に差し掛かった所でふと周りの風景へと目をやったその時、森の中を歩くサティア、アルカ、コロンの3人のメイドの姿と、その先を歩くミール達の姿が目に入った。
しかもなぜか一番前を歩いているのはレイである。
「あんなところで何してんだ?」
そんな単純な疑問を呟いた俺は、森の中を歩いていく皆に声を掛けず、後を付けて行くことにする。
別にそんな事をする必要な無いのだろうが、この時の俺は自分の直感に従い、まずミールに匂いで気づかれぬように自分の周りに風のバリアを張り、可能な限り音を建てなぬ様に静かに木々になくれながら後を付けて行く。
森の中を進み始めてから約10分程経った頃、森の中にできた広場へとやって来たところで、俺の前を歩くメンバーの足が止まった。
「(やっと止まったか。けど、こんな所まで来てどうするつもりだ?)」
ミール達だけならばまだ狩りだろうと思えるが、そこにサティア、アルカ、コロン、ティリアという4人のメイドが居る。
おかげで今の状況はまったくもって不可解である。
考えていても分からないので、とりあえず視線の先にいるメンバーの様子を伺う事に。
すると先程まで先頭を歩いていたレイが元の姿へと戻り始めた。
何故?そんな疑問を抱きながら様子を伺い続ける。
そして次の瞬間、俺は見てしまった。
「(な!?マ、マジで!?ってかなんでミール達は平然としてるんだ!?)」
そんな驚いている俺の視線の先では、何とレイが卵を産んでいる。
1つ目が産み落とされ、すぐに2つ目も産み落とされる。
そして3つ目が産み落とされると、レイの巨体が広場に横たわる。
どうやら産卵が終わったようだ。
レイの産卵シーンに見入ってしまっていた俺は、無事に終えた事にホッと一息をついたのだが、次の瞬間、俺の耳に衝撃の声が聞こえてきた。
「レイさん、今日のも立派な卵達です!これでまたご主人様に美味しい卵料理が作れるのです!」
すごく無邪気に、それでいてすごく嬉しそうな声でそう言ったのは、アルカだった。
しかし、そんなアルカの言葉により、俺は知ってしまった。
我が家に出てくる卵料理の卵が、レイの生んだ卵であったという事実を。
そして同時に、俺の中で新たな疑問も浮かぶ。
こんな衝撃的な事実を知ってしまった俺は、以後、卵料理が出る度に躊躇するようになったのは、仕方のない事だろう。
次回 第170話 宣伝には広告が一番!
半日仕事が終わり、家に帰ってさぁ続き書くぞ!と気合を入れて数分後。
ホットカーペットの上で昼寝を始めてしまい、気づいたら夜の9時過ぎだった。
しまった!と思いながら起きて書き始めたのだが、結局書き終えたのは深夜3時半を過ぎた頃に…