第167話 宣言はどこいった!?
今回のタイトル変更しました。
尚、今回はかなり短めになっています。
「(この世界、未成年に手を出すのが違法じゃなくてマジでよかった)」
チュンチュンと鳥の鳴く声が聞こえてくる爽やかな朝。
目が覚めた俺は隣でスヤスヤと眠るエルの寝顔を見て昨夜の事を思い出し、そして元の世界のような法律がない事に安堵していた。
しかし、それと同時に自分で宣言していた事も思い出していた。
「(けど、皆の前で手を出さないと宣言しておきながら、結局エルに大人の階段を上らせてしまうとは……はぁ、皆になんて思われるのやら)」
そんな事を思いながら、俺は視線を隣の寝室へと続く扉へと移した。
そしてしばらくの間、俺はみんなにどんな言い訳をすべきか、それとも開き直るべきかと悩み続けていたところで隣で眠るエルがもぞもぞと動き始める。
「おはようエル」
目を覚ましたエルに挨拶をすると、エルは顔を赤くし、布団で顔を隠しながら「おはようございます」と、小さな声で答えた。
その様子から察するに、昨日の行為を思い出してしまったのだろう。
そんなエルの様子を暫く観察するのも良かったのだが、空腹を感じた俺は、エルにそろそろ起きて朝食にしようと提案すると、布団の中から「グゥ~」と空腹を知らせる可愛らしい返事が返って来た。
俺は先に布団から出て、エルに背を向けながら服を着替え始める。
すると俺の背後では、エルはコソコソと昨夜寝る前に用意しておいた服へと着替え始めていた。
着替えが終わり、漸くエルとまともに顔を合わせる事が出来たところで、俺とエルは隣の寝室へと移動する。
寝室に入るなり、エルは昨日同様ミール達に捕まえられてしまったので、今日もまた俺は一足先にリビングへと向かう。
きっとエルはあのままミール達に根掘り葉掘り聞かれるのだろう。
そんな事を思いながらリビングまでやって来ると、そこにはサティア、アルカ、コロンの3人が丁度朝食を運んで来ているところだった。
「あらあらご主人様、おはようございます」
「おはようございますなの!」
「おはようございま、あれ?この匂いは…」
サティア、アルカと続き、コロンが挨拶をし終えようかという時、コロンは俺についたエルの何かを匂いで感じ取ったらしく、顔を赤くした。
「コロンさん、何に気づいたのか問う気はないけど、その事については口に出さずに、心の中だけで考えるようにね」
そう言いながら、俺はコロンへと笑顔を向けながら話しかける。
するとコロンは口を両手で塞ぎ、勢いよく頭を縦に振っていた。
そんなやり取りの後、俺はサティアにお茶を用意してもらい、サティア、アルカ、コロンと共に席に着き、ミール達が来るのを待ち続けた。
次回 第168話 楽しい1泊2日はもう終わり
昨夜から体調が悪くなっていたので書き終えていなかったのですが、丁度きりのよさそうなところまで書けたので今回はここで区切らせていただきました。
そのせいでかなり短くなってしまい、ほんとにすみませんでした。