第163話 いざ出発
163話のタイトルと次回予告のタイトルを変更しました。
数多く並ぶ本の中で、俺はとある2冊の本を見つけたので、ソレを手にし、部屋の中央にあるテーブルに着き、速読していた。
因みにタイトルは[女性と過ごす一夜]と[男性と過ごす一夜]であり、内容はもちろん夜の営みの為の学書である。
そして今、俺はその2冊の内の[男性と過ごす一夜]に目を通している。
書かれている内容を見た俺は、ミリーがコレで夜の勉強をしていたのだと確信する。
なんせその本に書かれている内容が、まんまミリーとの行為に一致しているのだから。
「(そういや、ミールとミリー、ノアとシアの二組で、プレイ内容は違うけど、毎回シてる内容は同じなんだよな、そろそろ変化を取り入れた方がいいかも)」
[男性と過ごす一夜]を速読し終えた俺は、本を閉じてそんな事を考えていると、ノックする音が聞こえ、俺は素早い動きで本をもとの位置へと戻し、ノックされた扉を開いた。
扉の先には、コーネリア王妃の専属メイドの一人が立っており、コーネリア王妃とミリーの準備が終わったので俺を呼びに来たらしい。
呼びに来てくれたメイドに案内され、ついて行った先は中庭を見渡せるテラスだった。
テラスの中央に置かれたテーブルでは、コーネリア王妃とミリーの二人が紅茶を飲みながら楽し気に話していたのだが、俺が着た事に気づき、テーブルにある3つ目の席を進められる。
勧められるままに椅子に腰しかけると、二人目のコーネリア王妃の専属メイドが俺の分の紅茶を運んできてくれた。
俺はその紅茶をさっそく一口啜った後、二人がさっきまで楽しそうにどんな話をしていたのか尋ねてみるが、ミリーの方から秘密だと言われてしまった。
秘密にされて余計に気になって来たのだが、そこへコーネリア王妃から、ミリーはどんな生活を送っているのか話が聞きたいと言われ、俺はその事について話し聞かせていく。
途中、一人のメイドがテラスにやって来て、買い物を終えたタリアが城に来たのだが、俺達がティータイム中だと聞き、父親であるマルカスの元へと手伝いに行ったと教えてくれた。
そしてそれから暫くして、タリア、マルカス、アルベルト王の3人はテラスへとやって来た。
「あらあなた、もう終わったのかしら?」
一仕事終えてやってきたアルベルト王に、コーネリア王妃が声をかけると、アルベルト王は疲れを感じさせない程の笑顔になる。、
「ああ、今夜の事の為にと頑張ったから、思ったより早く仕事を終わらせることが出来たぞ」
どうだ!と言わんばかりのアルベルト王だが、そこにマルカスが現実を突きつける。
「それもこれも、今日の分を無理して明日に回したからですぞ。明日は無理をしなければならないので、出来るだけお早めにお戻りください」
「ぐっ…」
マルカスの一言に、アルベルト王がコーネリア王妃に向けていたドヤ顔も、苦悶の顔に早変わりである。
「まぁまぁ、今そんな事を考えても仕方ないですよ。それより、今は今夜の事だけを考えてはいかがですか?」
「そ、そうじゃな!今更考えても仕方ないのだ!今は仕事の事など、綺麗サッパリ忘れるとしよう!
という訳で、皆の者、さっさとオルリア村へ行こうぞ!」
胸を張って現実逃避を主張するアルベルト王に、俺、コーネリア王妃、ミリー、マルカスの4人は呆れた表情や苦笑いを浮かべた。
その後、マルカスが用意したアルベルト王の荷物や、コーネリア王妃とミリー、そして専属のメイド達が準備した荷物を俺が預かり、アイテムボックスへとしまい込む。
そして、すでに報告で知られているであろうと思われるテレポートの事をアルベルト王とコーネリア王妃に説明し、俺はアルベルト王、コーネリア王妃、ミリー、タリアの4人を連れて、オルリア村にへと転移したのであった。
次回 第164話 念願の温泉