第157話 一方その頃(エル編)
今年もあと2日、今年の投稿もこれが最後となる予定です。
昼食を終えた後、ナツキ様がお出かけになれあれるのを見送った私達は、ミールさん達と一緒に孤児院へとやってきていた。
というのも、家に居たとしても特にやる事がなく、それなら孤児院に子供達のお勉強をみに行きましょう!というノアさんの提案があったからです。
この孤児達の先生役は、普段メイドのククリさんがやっているのですが、今日は他のメイドの皆さんと一緒にコロンさんの教育をしていて忙しそうだから、暇になった私達が代わりに!と思い、提案したそうです。
そんな訳で、孤児院についた私達は、入ってすぐの大広間に子供達を集め、そこで算術や文字を教え始めました。、
孤児院に居る子達は平均年齢は7,8歳といったところです。
文字の読み書きに関しては、ほぼ出来るようになっているようでしたが、算術の方は2桁の計算が少し難しい、といった感じでした。
そこで私達は、今日の勉強を算術一本に絞り、子供達が2桁の足し算引き算で間違えない様になるまで教え続ける事にしました。
勉強を始めてから1時間程経った頃、子供達の集中力が無くなり始めた様に思えたところで、ノアさんが休憩を提案し、10分程の時間を取ることにしました。
そういえば、物事は集中し続けるより適度な休憩を挟む方が効率は良いと、昔ティリアにも言われた気がします。
考え疲れた頭を休める子供達が思い思いの時間を過ごし、10分が過ぎたところで再び勉強の時間が始まりました。
合計3時間程の勉強時間が終わり、子供達は頭を使う事から解放されると、外へと遊びにいっちゃいました。
私達も家に戻る事にし、帰路についたのですが、その途中でミリーさんがとんでもない事を言い出したのです。
「ねぇ、エルもそろそろ旦那様との夜を過ごしてみない?」
「えっ!?えぇぇ!?」
ミリーさんの衝撃的な一言に驚いた私は、これまでで一番大きな声を出した気がします。
突然そんな事を言うなんて、ミリーさんたらどういうつもりなのでしょうか?
「だって、来年にはエルも旦那様の妻になるんだし?それなら今からでも旦那様と夜を過ごす事位してもいいんじゃないかって思ったの」
「そうね、例えお勤めをしないとしても、共に一夜を過ごす事に慣れておいた方が良いかもしれませんね」
ミールさんもミリーさんと同じ考えのようです。
私はそんな二人に対し、慌てふためきながら無理を主張しましたが、そこにノアさんとシアさんまでもが私がナツキ様と一夜を過ごす事を進めてきます。
唯一、レイさんだけはどちら側の主張にもつかず、ただ私達の様子を微笑みながら見ているだけでした。
その後、家につくなり私達は寝室へと入り、ミールさん達が広いベッドの上で私を取り囲むようにして座ると、ナツキ様との一夜を過ごす事の幸せについての話が始まり、話はどんどんと怪しい方向へと移り変わっていき、気が付けば夫婦の営みにおけるテクニックの話になっていました。
私とて、女の嗜みとして、夫への奉仕に関する事をティリアから教わった事がありましたが、今、私の前で皆さんが話している内容は、ティリアから教わった事を実行する以上に勇気が必要となる事ばかりです。
果たして私にそのような事が出来るでしょうか?
「兎に角!エル!今夜旦那様とお風呂に入ったら、旦那様の体を洗う事から始めましょう!一人じゃ恥ずかしいでしょうから、今日のところは私も一緒にするから!」
「わ、わかりました!皆さんが教えてくれた事まで出来るかわかりませんが、今夜、私頑張ってみようと思います!」
そう宣言し終えたところで、私はふと気づきました。
皆さんとの色めいた話を聞いてる内に、私はいつの間にかナツキ様との一夜を過ごし、更にはその一歩先を目指そうとしていたのです。
恥ずかしさが一気に込み上げ、私は両手を頬にあて、皆さんに顔を見られない様に翼で視界を遮り、恥ずかしさに身悶えていました。
それから少しの時が経ち、私の心が落ち着き始めた頃、家に帰って来たナツキ様が寝室へとやって来て、私達はお風呂に誘われました。
どうやら早速、先程の宣言を実行する時がやって来たようです。
次回 第158話 そろそろそんな時期なのかもしれない
次回は1月の2日か3日になる予定です。
来年もがんばって続けて行きますので、どうぞよろしくお願い致します!
それでは皆様、良いお年を!