第150話 温泉風呂での語らい
またタイトル変更しました。
ごめんなさい。
理由は後書きに。
尚、この1話、ほとんどが会話になっております。
「これはまた、聞いていた以上に気持ちの良い風呂だ。肩の凝りが解れていくのがわかるわい」
ハスマと二人で温泉風呂に入ると、無意識にも「はぁ」なんて声を漏らして数秒後、ハスマは予想以上の温泉の効能に驚いていた。
「あ゛ぁ゛~、こんな気持ちの良い風呂に入れるなら、ギルドマスターなんて早く誰かに譲っちまってさっさとこの村に移り住もうかのぉ」
「いやいや、そんな理由でギルドマスターの交代とかしちゃまずいでしょ。っていうか、次のギルドマスター候補なんているんですか?」
治癒効果が実感出来、尚且つ温泉に浸かる気持ち良さを体験したハスマの口から洩れた、冗談か本気かは分からない言葉に、俺は天井を仰ぎながら答える。
「一応、目を付けている者は居るのじゃが、まだワシの決めた条件はまだ満たせてはおらんからのぉ。
はよぉワシが引退出来るよう、頑張ってもらわねば」
「条件って、やっぱり信頼と実績ですか?」
視線を天井からハスマへと移し、尋ねてみる。
「うむ、その通り。ただでさえギルドマスターという役職には、国の内部事情を知る機会が多いが故に、それなりの実績と信頼を得た者でなければならのだ」
天井をボーっと見つめながら話していたハスマは、湯から両手をだし、湯船の縁に腕を乗せた体勢になり、ニヤっとした表情を俺の方へと移すと、「それに」と言葉を続ける。
「言っておくが、次期ギルドマスターの選任には、ナツキ殿も関係してくるんじゃぞ?」
「俺も?」
何故?と不思議そうな表情をハスマに向ける俺。
「なんせ、ナツキ殿に関する、表には出せない秘密の資料も、ギルドマスターになれば見れる、いや、秘密を守る為に目を通さねばならないのじゃからな」
そう答えるやいなや、ハスマは疑問を浮かべた表情で、思っていることを口にする。
「そもそも、既に充分目立っておるのだから、何を今更と思うんじゃがな」
ごもっともな意見に、俺は「あははは」と頬を人差し指で掻きながら苦笑いを浮かべながら、それに答える。
「まぁ、今更目立たないようする意味も無いかもしれませんし、世界中を騒がしてしまう事以外なら良いかな、なんて思うんですけどね」
サラリと含みのある物言いをする俺に、ハスマは「ふっ」と鼻で笑う。
「世界中を騒がせる程の秘密まであるというのか。因みにその事をアルベルト王は?」
「知りません。ですが近い内に話すつもりですし、もちろんハスマさんにも知ってもらうつもりです」
「ほう、ならばその話はアルベルト王と一緒に聞くとしよう」
そう言うとハスマは「今はただ、じっくりとこの湯の気持ち良さを味わっていたいからの」といい、再びボーっとした感じの表情を天井に向け、身体を脱力状態にしていた。
次回 第151話 ハスマ、王都へ帰る
理由:携帯、会社のボットン系トイレにIN!凹み中につき、途中で気力が尽きました。
結果、ハスマが帰るところまで書けず、個人的に決めている投稿期限となったので、結局この1話をお風呂回(男2名のみ)としてアップさせていただきました。
今日はもう寝て、明日一日気分転換し、土曜日には次の話に取り掛かれるようがんばります。