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異世界で第2の人生を  作者: 一雫
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第144話 決定!温泉宿の名前は… ~前編~

 朝、目が覚めると両腕に柔らかなモノが押し付けられていた。

昨晩のお楽しみの後、二人に抱きつかれるようにして眠りに就いたのを覚えているが、どうやらそのまま朝まで同じ体勢で眠っていたようだ。


 おかげで体が少し固まってしまっている気がする。


 そんな事を思っていると、両サイドの二人がもぞもぞと動き始めた。

どうやら起きた様だ。


「おはようミール、ミリー」


「おはようございますナツキさま」


「おはようございます」


 寝起きの二人の返事は小さく、そのまま枕に頭を置いたらすぐに2度寝しそうな雰囲気だ。


 時計を見てみると、今の時刻は8時を少し過ぎている。

 そろそろ朝食の時間のようなので、ちゃんと起こそうと思った俺は、二人に朝の挨拶(おはようのキス)をし、その意識を覚醒させてやる。


 二人を目覚めさせた後、3人で隣の寝室へと移動すると、こちらの部屋に居た皆は既に起きていた。

全員が揃ったところで、まずは朝の恒例、皆とのスキンシップタイムに突入!


 このスキンシップタイムで手を抜くつもりなど一切無いので、多少時間が掛かるのは仕方がない。

おかげで全員の手入れが終わり、朝食を食べ始めたのは時計の針が午前9時に差し掛かろうとしている頃であった。





「じゃあ俺達は温泉宿の方に行ってくるから、ノアとシアとミリーは村の周囲のモンスター退治をよろしく」


「畏まりました」

「まっかせて~」

「はい」


 朝食を食べ終えた後、なんかあった時の為にサラとディーを家に残し、俺達は家の前へと出て来ていた。


 ティリアは今日からメイドとして働くために、タリア達から仕事について教えてもらいながら、一緒に朝食の片づけをしている。

元々エル付きのメイドだったのだから、仕事について困るようなことは無いはずだ。


 家の外に集まると、昨日にも伝えた通りノア達3人にモンスター退治を頼むと、3人は元気よく返事をするなり、オルリア村の西側にある森へと向かい歩いて行く。

きっとそこを始点に、村の周りをぐるっと回る様にしてモンスター達を倒していく予定なのだろう。


 そんな3人の背を見送った後、俺達も目的地へと向かい歩き始めた。


 村から宿まで歩いて約20分、目的地である温泉宿へと辿り着いた俺達は、ここで働く全従業員に「おかえりなさいませ!」と頭を下げられながら出迎えられた。

きっとこれもタリア達の教育の成果なのだろう。


 そんな事を思っていると、温泉宿の入り口前に立ち並ぶ従業員達の中から背の低い少女が前に出て来て、俺達に向かい頭を下げる。

見覚えのあるその少女の姿に、俺は面接をした時の事を思い出した。


 彼女はドワーフ族のアニータ。

ドワーフ族とは背が低く、その見た目とは裏腹に、とても力強いのが特徴だ。

 

 そんな身体的な特徴をもっている上、その顔にはどこか幼さが残っている少女の様なアニータだが、実際はミール達よりも年上だったりする。


 つまり、アニータは既に立派な大人の女性である。


「改めまして、おかえりなさいませナツキ様、ミール様、エルージュ様、レイ様。

仮ではありますが、従業員のリーダーを務めさせて頂いるアニータです。

よろしくお願いいたします」


「仮の?」


「はい。流石にこの温泉宿の支配人であるナツキ様の許可なく決めるわけにはいかないので、本当のリーダーが決まるまでの間だけ、誰かを選ぼうという事になりまして、皆で話し合った結果、くじ引きで選ぼうという事になり、私が仮のリーダーに決まりました」


「なるほど」


 仮とはいえ、リーダーになる人物をそんな方法で決めて、他の皆は納得できたのだろうか?


「まぁ、その件については後日話すとして、とりあえず1週間前にも伝えておいた通り、皆とこの温泉宿の名前について話し合いたいと思う」


「畏まりました。ではこちらへどうぞ」


 仮のリーダーであるアニータに案内の元、俺達は温泉宿の中へと歩みを進める。

そんな俺達に続くようにして、他の従業員達も隊列を組む兵士達の様なキビキビとした動きでついて来ていた。



次回 第145話 決定!温泉宿の名前は… ~後編~


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異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
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