表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で第2の人生を  作者: 一雫
140/234

第138話 いざ帰路へ!


「そうか、ナツキの作っている村ではそんな宿があるのか」


街の門前まで見送る為にと、街の大通りを一緒に歩いているゴルドに、俺はオルリア村の温泉宿の事についての話をしていた。


「はい。因みに温泉の効能は、打撲に打ち身、切り傷や擦り傷等の怪我に効果的で、大抵のものならすぐに治りますね。

他にも疲れや肩こりも、あっという間に治ると、うちのメイド達が言ってましたね」


「ほう、そんなに良い温泉があるのなら、ワシも一度は行ってみたいものだ」


「今はまだ準備中なので無理ですが、温泉宿を開店したら、近いうちに招待しますよ。

もちろん、送り迎えもしますよ」


羨ましそうにしていたゴルドの表情は、送り迎え込みの温泉宿への招待を約束を聞いた瞬間、その表情は明るいものへと変わっっていく。


「ならば、いつ招待してもらっても良いように、ギルドの仕事を数日は休めるよう、頑張らねばならぬな」


普段から仕事が溜まっているのかな?なんて思ったりもしたが、まぁその辺は本人に頑張ってもらうしかないので気にしない事にしよう。

俺が手伝う訳に行かないし、手伝うつもりもない!

そもそも、ギルドマスターの仕事がどんなものなのか知らないのだから手伝えるわけもない。


なので俺から言える言葉はこれしかないだろう。


「ええ。がんばってくださいね」



その後しばらく、オルリア村の事をもっと知りたいとゴルドに言われ、作り始めてからこれまでの事について簡単に話聞かせていた。

そうしているうちに門前へと辿り着いた俺達なのだが、そこにはサンドバッ…ゴホン、俺に一度は喧嘩を売り、体術(お仕置き)を受けた王子(ヨーゼル)と、出来れば視界にいて欲しくない(オカマ)が居た。


「ナ、ナツキ…様御一行、それにギルドマスターのゴルド殿も、揃ってこんなところにどうして?」


ちょいとばかりお仕置きが過ぎたのか、ヨーゼルは俺に怯えてしまっていた。

そんなヨーゼルの隣では、アリスが怯えるヨーゼルの様子を愛しそうに見ている。

正直気持ち悪いので、俺の視界でそんな表情をしないで欲しい。


「今から俺達は帰るんだ。ゴルドさんは俺達を見送る為に来てくれたんだよ」


「ヨーゼル様はリカルト王から聞いてなかったのですか?」


「いえ、聞いておりませんでした。アリスは知っていたか?」


「一介の料理人である私が知るはずないわよ」


今更ながらにして初めて聞いたアリスの声は、すごく野太い。

そして当然の様にお姉言葉である。


っていうかこのオカマ、料理人なのかよ!


「まぁ、折角こうしてここで会えたのだ、ヨーゼル王子も一緒にナツキ達の見送りをしようではないですか」


こうして見送るメンバーが増えたのだが、そのメンバーが厳つい顔のオッサンに、一度は喧嘩を売って来たややイケメンな王子、そしてトドメがオカマである。

チェンジと叫びたい。


まぁ言ったところで可愛い女の子が代わりに来たりはしないだろう。

というか既に周りには、嫁や婚約者、それに下僕(しもべ)や新しく加わったメイドと、可愛い()は十分揃っているのだから必要は無いか。


でも一応心の中で叫んでおく。


チェーーーーーンジ!


「そ、そうですね。折角こうして会えたのですし、俺達もここで見送らせていただきます」


未だ怯えたまま、と言うよりも、嫌々ながらと言った方が正しいような感じでヨーゼルは答える位ならば断ってくれた方が良いのだが、流石にヨーゼルにはそんな度胸が残っていないようだ。

これには俺も、ヨーゼルへのお仕置きをしすぎた事をちょっと後悔してしまう。


「うむ」


ゴルドはヨーゼルの方を見ながら小さく頷き、再び俺達の方へと向き直す。


「さて、それではナツキよ、今度会うのは多分ワシが招待してもらう時になるだろう。

その日を楽しみにしておるからの」


「はい。その事については準備が出来次第、連絡をしますので、仕事の方頑張っておいてくださいね」


「はははっ!そうだの、いつ連絡が来ても良いように頑張っておこう」


連絡するまでずっと頑張るのなら、多少なりとも連絡を遅らせるのが、ギルドの為にも良いのかもしれないなんて思ってしまったが。

そんな事は実行せず、ちゃんと招待するとしよう。


「ヨーゼルも、人様に迷惑かけるんじゃないぞ!もしまた迷惑をかけたなんて事があれば、フローリア王女から連絡が来るようにしてあるからな!」


嘘だが。


「は、はい!」


お仕置きの辛さを思い出したのか、ヨーゼルはその体をブルリと震わせた後、ビシッ!と姿勢を正し返事をする。

そんなヨーゼルのやや後ろに立っていたアリスは、俺の後方に目をやり、驚いていた。


そこではレイが帰る準備という事で、元の姿に戻っていたので、アリスはその一部始終を見ていたのだろう。


「それでは、皆さん、俺達はこれで!」


俺はアイテムボックスから龍かごを取り出し、それの縄をレイの首にかける。

準備が整うと、俺達は龍かごに乗り、それを確認したレイは翼を羽ばたかせ空へと舞い上がって行く。


こうして長い様で短かった、1週間のアクルーンでの滞在は終わり、レイは俺達を乗せオルリア村に向け飛び始めたのであった。



次回 第139話 人物紹介~水の国編で追加された人物~

      

というわけで、次回は人物紹介になります。

紹介されるのは、何度か登場したりするような人物だけで、一度限りの登場予定の人は、紹介しません。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で気を付けるべきは?←こちらは2作目となるものです。主人公が別の世界に行くお話ですが、[異世界で第2の人生を]のキャラも登場します。 是非読んでいただけたら嬉しいです! (尚、基本的に毎週月曜日の午前0時と木曜日の午前0時に更新していますが、時々ずれる事もあるかもしれません!)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ