第133話 目覚めるとそこには期待の視線
予定変更で、予定していたタイトルを次回にしました。
「さて、もう少しナツキさんと意見交換をしたいところですが、そろそろ時間切れの様です」
「もうそんな時間でしたか」
髪の手入れ方について、あれこれとお互いが意見を出したあったりしていると、どうやら俺が戻る時間となってしまったようだ。
そう長い時間では無かったのだが、女神モイラとの意見交換は実に有意義であり、目が覚めたらミール達に試してやろうと思っている。
そんな風に思っていると、俺はふと思い出した事があり、ソレについて尋ねてみた。
「そうだ、モイラ様、サラに取り付けたアレ、どうやれば外せますか?」
「外し方ですか?それなら---」
こうして、サラの首に付けた[繋ぎの首輪]の外し方を聞いておくという約束を無事果たした俺は、女神モイラにお礼を言いったところで意識が薄れて行き、精神が肉体へと戻って行った。
翌朝
息苦しさと胸元に重みを感じながら目を覚ますと、そこには期待の眼差しでじっと俺の顔を見つめているサラがお座りしていた。
「サラ、そのサイズだからまだいいが、それでもそこに居られると少し息苦しいんだが」
「おはよナツキ!」
サラは挨拶しながら飛びあがると、俺の頭より少し上の方へと着地し俺の顔を覗き込んで来た。
「昨晩は女神様の元に行ってたんでしょ!?
これの外し方聞いてくれた!?ねぇ!聞いてくれた!?」
朝から少しうるさく感じるサラの話を聞きながら、ベッドから体を起こすと、両サイドに眠るノアとシアがもぞもぞと動き、そして目を覚ました。
「おはようございますあるじさま」
「おはよう」
まだ少し寝ぼけた様に挨拶する二人に、サラの期待しています!的な視線を感じながらも、おはようと挨拶をする。
朝の挨拶は大事なのである!
「ところでサラ、昨晩女神様に呼ばれる事は言ってないはずなのに、なんで知ってるんだ?」
少し前から気になっていた、俺が女神モイラに呼ばれたことを何故サラが知っているのかを聞いてみる事に。
「そりゃ昨晩、こっちの部屋から女神様の気配を感じたからね!その時、直ぐにナツキの元に転移して来たら、ちょうどナツキの精神がふわ~っと飛んで行ってるところだったから、あ、呼び出されたんだって分かったんだよ。」
サラの説明によると、どうやら俺が女神様に呼ばれている時、まるで幽体離脱の様に俺の精神体が飛んで行っているらしい。
なにそれ怖い!
「で?そんな事より![繋ぎの首輪]の外し方、聞いてくれたんだよね!?」
「ああ、聞いた聞いた。とりあえず後で外してやるから、隣の部屋の皆、いや、ミリーを起こしておいてくれ」
「はーい!」
良い返事をし、サラは次の瞬間、姿を消した。
隣の部屋に転移したようだ。
今の時刻は7時を少し過ぎた頃。
いつも起きるのが早いエルとミール、それにレイやディーは既に目を覚ましているだろうが、寝坊助なミリーだけは、きっとまだ寝ているはずだ。
元メイドであるティリアは、多分起きているだろうと予想している。
まぁ、面倒なので予想の結果を確認したりはしないのだが…
「さて、二人共、着替えてあっちの部屋に行くよ」
「はい」
「はーい!」
嫁の中の寝坊助なうちの一人であるノアのしっかりした返事と、目覚めの良いシアの元気な返事を聞き、皆で布団から出るなり、寝る前に置いておいた服へと俺達は着替え、隣の待機組の部屋へと移動する。
そして部屋に入ると、ちゃんと全員が服を着替え、ベッドやイスに座って待っていた。
次回 第134話 土産と誓い~前編~
(どうでもいい話)
マインクラフトで酔うという三半規管の弱さを久々に味わいました